犬の貧血の症状は?原因や対処法、貧血に良い・悪い食べ物も紹介
犬にも貧血があります。
愛犬の様子がいつもと違う、疲れやすくなった、歯茎が白っぽくなったなどの変化がある場合は貧血かもしれません。
貧血にはいくつかの種類と原因があります。
この記事では、貧血の症状や種類、原因を解説します。
また、貧血の対処法や予防に良い食べ物、悪い食べ物も紹介するので、愛犬の貧血に困っている方はぜひ参考にしてください。
犬の貧血の症状
犬が貧血のときには以下のような症状があります。
- 疲れやすくなる
- 体を動かすことを嫌がる
- 寒がる
- 手足が冷える
- 食欲が低下する
- まぶたの裏や歯茎など粘膜が白っぽくなる
貧血は酸素が全身にいきわたらなくなることでおこります。
さらに、重度の貧血では酸欠が進み、呼吸困難を引き起こすこともあります。
また、臓器へのダメージも受けやすくなるので重篤な疾患につながりかねません。
上記の症状以外でも、愛犬の様子が少しでもおかしいと感じるときは早めに動物病院を受診しましょう。
犬の貧血の種類と原因
犬の貧血には大きく分けて2種類あります。
以下では、それぞれの原因について解説します。
再生性貧血
再生性貧血は、貧血状態でも新しい赤血球が生産されています。
再生性貧血の主な原因は2あり、1つ目は外傷、手術、疾患による臓器からの出血(血便・血尿)や腫瘍の破裂です。
2つ目は何らかの原因で赤血球が破壊される溶血です。
溶血の原因は多岐にわたり、先天性の自己免疫システムの異常、タマネギ中毒や感染症など が挙げられます。
非再生性貧血
非再生性貧血は、貧血状態で新しい赤血球が生産されません。
非再生性貧血の主な原因は以下のように複数あります。
- 慢性疾患
- 慢性腎疾患
- 内分泌疾患
- 鉄欠乏性貧血
- 悪性腫瘍
貧血の原因はさまざまです。
原因を特定するためには、動物病院での検査が欠かせません。
気になる症状がある場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
犬の貧血の対処法
犬の貧血は原因によって対処法が異なります。
気になる場合は動物病院を受診しましょう。
急性の場合、突発的に犬が貧血で倒れてしまうことがあるかもしれません。
愛犬の一大事に慌てることがないよう、対処法を知っておくとよいでしょう。
以下では、飼い主ができる対処法について解説します。
出血がある場合は止血する
出血がある場合は、止血をおこないます。
同時に、体温が低下するのを防ぐために犬の体をさすったり、毛布をかけてあげたりして温めてあげるとよいでしょう。
頭は心臓よりも低くする
犬が横たわっている場合は、頭を低くします。
苦しそうに感じる姿勢ですが、頭を心臓より高くすると血液がいきわたらなくなる恐れがあるため、頭は心臓よりも低くしましょう。
犬の意識を確認する
犬が動かない場合は、名前を呼びます。
それでも反応を示さないときは、体を軽く叩いてあげましょう。
しかし、反応がない場合に全身を揺らしたり、心臓マッサージのように強く押さえつけたりすることは、犬の体の負担となってしまうためしてはいけません。
犬の呼吸を確認する
犬の呼吸を確認するためには、お腹の上下運動を確認します。
被毛が長い犬の場合は、目視で確認できないことがあるかもしれません。
可能であれば、飼い主がお腹にそっと手を当てて動きを確認しましょう。
その際、1分間の呼吸の回数を数えておくと、病院での対応がスムーズにできるためおすすめです。
病院へ連絡をする
愛犬を動かすことが心配な場合は、動物病院へ連絡します。
その際、ビデオ通話が可能な場合は動画で犬の様子を伝えるとよいでしょう。
また、症状がでた時間・意識の有無などをまとめておくこともおすすめです。
動物病院までの移動ができそうな場合は、早急に受診しましょう。
愛犬を移動させるときは、大きなタオルやお気に入りの毛布に包んであげます。体温の低下を防ぐだけでなく、不安の解消にもなるからです。
貧血の検査の流れと治療方法
貧血の症状がある犬の検査の流れと治療方法は、病院や獣医師によってさまざまです。
ここでは、一般的な流れと主な治療方法について解説します。
検査の流れ
動物病院でおこなわれる貧血検査の流れです。
1.問診表の記入
診察前に愛犬の症状や、日ごろから気になることを問診票に記入します。
問診票の記入がない場合は、診察時に獣医師から必要な質問を受けることがほとんどです。
2.診察
獣医師による診察がおこなわれます。
愛犬の様子を診たり、触診や聴診をおこなったりします。
外傷による出血やタマネギ中毒による貧血の場合は、この時点で診断されることが多いです。
3.血液検査
検査が必要と判断された場合は血液検査をおこないます。
一般的な血液検査で貧血の有無が確認できます。
また、数値を確認することで病名を明らかにすることが可能です。
4.各種検査
血液検査で貧血が確認された場合、獣医師の判断で追加検査がおこなわれることもあります。
検査内容は、犬の状態によって異なります。
たとえば、X線検査、超音波検査、ホルモン検査、骨髄検査を行うことが多いです。
再生性貧血の治療法
再生性貧血の場合、新しい赤血球が生産されます。
そのため、適切な治療をおこなうことで症状の改善が見込めるでしょう。
貧血の原因を特定し、処置または治療をするのが原則です。
溶血性貧血の場合は、ステロイドなどの薬を投与することが一般的です。
出血がひどく、命に関わる場合は輸血を必要とするかもしれません。
犬の輸血は拒絶反応が起きると命の危険が生じます。
万が一のために、愛犬の血液型を調べておくと安心です。
非再生性貧血の治療法
非再生性貧血の場合、新しい赤血球が生産されません。
重篤な病気が隠れている可能性もあるので、原因の特定が必要です。
血液検査以外の検査をする可能性が高く、場合によっては骨髄検査をおこないます。
骨髄検査は鎮静剤や全身麻酔を必要とする検査です。
疾患の特定ができたら、疾患に合わせた治療が開始されます。
投薬が中心の場合が多くなりますが、症状によっては入院や手術が必要になることもあるでしょう。
鉄欠乏性貧血の場合は、鉄剤やビタミン剤の投与が一般的です。
白血病やリンパ腫の場合は抗がん剤を用いることになるかもしれません。
非再生性貧血においても、症状が重篤な場合は輸血をおこないます。
愛犬の血液型の確認はしておいた方がよいでしょう。
犬の貧血の予防方法
犬の貧血を予防する方法を紹介します。
貧血は軽度の状態だと気づかないことも多いので、日常生活の中で意識することがおすすめです。
栄養バランスの良い食事
貧血予防で大切なのは栄養バランスを整えることです。
毎日の食事を見直し、必要な栄養素を摂取しましょう。
一般的には、タンパク質を多くし、糖質を減らすのが理想とされています。
また、鉄分の摂取だけを意識せずに、ミネラルやビタミンもバランスよく摂取することが大切です。
適度な運動
運動によって全身の血流をよくすることは貧血の予防に効果的です。
筋肉の衰えを防ぎ、肥満の防止にもつながります。
犬の運動量は犬種や年齢によって異なるので、愛犬にとって適切な運動量を把握しておきましょう。
寄生虫予防
ノミやダニの寄生による感染症で貧血になることがあります。
ノミやダニを回避する方法は予防薬の服薬です。
獣医師に相談し、適切な薬を処方してもらいましょう。
定期的な健康診断
貧血は軽度の場合は症状がわかりにくいのが特徴です。
早期発見のためにも、定期的な健康診断を受けましょう。
血液検査をおこなえば軽度の貧血も発見できます。
また、貧血につながる疾患の発見になることもあるでしょう。
誤食への対策(タマネギ)
犬はタマネギの成分を摂取してしまうと中毒症をおこし貧血になってしまいます。
そのため、日常生活で犬がタマネギを口にしてしまわないように注意が必要です。
特に、人間のご飯を誤食しないように気をつけましょう。
タマネギ成分は、タマネギのほかにもネギ、ニラ、ニンニクにも含まれています。
一度、該当する食材の確認をしておくと安心です。
犬の貧血に良い食べ物・悪い食べ物
犬の貧血を改善するのに良い食べ物と悪い食べ物を紹介します。
愛犬の食事やサプリメントを選ぶときに役立つでしょう。
犬の貧血に良い食べ物
まずは貧血に良い食べ物から紹介します。
鉄分を含む食べ物
鉄は体内の酸素を運搬するのに大切な栄養素です。
鉄分が不足すると、新鮮な血液が全身にいきわたらなくなり貧血につながります。
ただし、過剰に摂取してしまうと銅や亜鉛の欠乏につながるので注意しましょう。
【鉄を含む食材】
レバー、赤身の肉、赤身の魚、卵、ホウレンソウ、ブロッコリーなど
人間の食材を与える際は、味つけをせずに与えるようにします。
ビタミンB12を含む食べ物
ビタミンB12はタンパク質の合成や赤血球の形成に欠かせない栄養素です。
バランスよく栄養を吸収するために必要な栄養素といえるでしょう。
動物性の食品のみに含まれるので、ベジタリアンの愛犬には注意が必要です。
【ビタミンB12を含む食材】
鶏レバー、鮭、アジなど
牡蠣や赤貝にも多く含まれますが、犬に食べさせるのは獣医師に相談してからにしましょう。
葉酸を含む食べ物
葉酸はビタミンB9のことです。
摂取量が血中濃度に関係し、貧血予防が期待できる栄養素です。
【葉酸を含む食材】
レバー、わかめ、海苔をはじめとした海藻類など
海藻類は過剰に摂取すると下痢や嘔吐の原因となることがあります。
また、乾燥わかめをそのまま与えると胃の中で膨らんでしまうので気をつけましょう。
犬の貧血に悪い食べ物
犬はタマネギ成分を摂取すると中毒症を引き起こし、溶血性貧血になりやすい動物です。
人間の食事に入っていることが多いので注意しましょう。
タマネギ成分は加熱しても破壊されません。
そのためタマネギスープやコンソメなどにも注意が必要です。
もしも誤食してしまった場合は、動物病院を受診することをおすすめします。
まとめ
犬の貧血は愛犬の様子から疑うことができます。
貧血には2種類あり、重篤な症状になることもあるので注意が必要です。
愛犬が貧血にならないためには栄養バランスのいい食事だけでなく、鉄分やビタミンB12を含む貧血に良い食べ物を与えましょう。
また、タマネギのような貧血に悪い食べ物には細心の注意が必要です。
貧血の症状がみられたときは、早めに動物病院を受診しましょう。
この記事のライター
nana
泳ぎも走りも得意な運動神経抜群のゴールデンレトリバーと暮らしています!今は愛犬とタンデムサーフィンの練習中。いつまでもアクティブに楽しく過ごせるような情報を発信していきます。
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