【獣医師監修】犬の愛情表現を知ろう|甘噛みをする心理や愛情不足が引き起こす問題行動も
みなさんはどんな時に、「愛犬に好かれているなぁ」と感じますか?お腹を見せられた時?顔をなめられている時?膝の上に乗ってくる時?
愛犬たちが私たちに向けてくれる愛情表現はさまざまなものがあり、犬種や個性によっては、愛情表現がわかりにくい子もいます。でも、せっかくの愛情表現を見逃してしまうのはもったいないですよね。しっかりアンテナを張って、愛犬からの小さなサインもキャッチできるようにしましょう。
今回は、犬の愛情表現の種類や、愛情不足が招く犬の問題行動についてご紹介します。
犬の愛情表現の方法とは
まずは、愛犬の具体的な愛情表現方法と、その時の気持ちを解説していきます。
【1】しっぽを振って近寄ってくる
飼い主さんが帰宅した時に、しっぽをブンブン振りながら駆け寄ってきてくれる姿は本当にかわいいですよね。愛犬は、大好きな飼い主さんが帰ってきてくれたことを純粋に喜んでいます。いいコでお留守番できたことをしっかりほめてあげて、留守中のさみしさを忘れさせるくらいにかわいがってあげてください。
【2】ペロペロ舐めてくる
愛犬が飼い主さんを舐めるという行動にはいくつかの意味がありますが、その1つが愛情表現です。
主人と認めた人を舐める行為には「あなたを信頼して従います」、飼い主さんのことを舐めることは、「大好き」という気持ちが込められているのだそう。
また、口のまわりをペロペロと舐めてくる場合には、食べたものの残った味を楽しんでいたり、オヤツやごはんをおねだりしているという可能性もあるので、愛犬がどういう気持ちなのかを想像してみましょう。
【3】頭や鼻をコツンとする
愛犬が頭をコツンとしてきたり、鼻でツンツンしてくるのも愛情表現の1つです。大好きな飼い主さんにはちょっとでも触れていたい、自分の相手をしてほしい、自分に注意を惹きたいという気持ちの表現です。
【4】すりすりしてくる
愛犬が顔や体をくっつけてすりすりしてくる時は、飼い主さんに甘えたいと思っているサイン。優しく見つめ返してあげたり、愛犬が喜ぶ場所をナデナデしてあげましょう。
【5】お腹を見せてくる
「服従の印」ともいえる、愛犬がゴロンとお腹を見せてくる姿は、飼い主さんに甘えたい、飼い主さんを信頼していますという気持ちの表現である可能性が高いです。内臓が密集する、いわば急所とも言えるお腹を見せるということは信頼の証。お腹周りをワシャワシャしたりして、愛犬が喜ぶようなスキンシップをとってあげましょう。
甘噛みはやめさせるのがベター
犬は飼い主さんに甘えたいときなどに、指や腕を甘噛みしてくることがあります。これも愛情表現の1つで、特に子犬によく見られる行為だと言えます。
子犬の時は力も弱く、かわいいからと許してしまう方も多いのですが、成犬になった時に甘噛みからエスカレートして本気噛みに発展することがあるので、子犬のうちからやめさせておく必要があります。同じように、じゃれて噛むという癖も直しておきましょう。もし、エスカレートして止まらなくなったら、無視して反応しないようにしましょう。子犬自身に、「甘噛みしても相手にしてもらえない。楽しくない」と意識させることが重要です。
飼い主さんの愛情不足によって起こる問題行動
愛犬と過ごす時間が短かったり、愛犬の愛情表現に気づかずほったらかしにしてしまうと、ストレスを感じて問題行動を起こしてしまうこともあります。
今まではしていなかった行動が見受けられるようになったら、「もしかして愛情が足りなかったかも」と、最近の行動を思い返してみてください。愛犬からのサインかもしれません。
ものをすぐ壊す
おもちゃや家具などをすぐに壊してしまう場合は、「ものの破壊」がストレス発散のはけ口になっている可能性があります。愛情不足や運動不足などの理由で破壊行動に及んでしまう子も多くいるので、ものを壊したことを叱るのではなく、まずはストレス発散をさせてあげる方法を考えましょう。
破壊行動の後、そのまま誤飲事故を起こす恐れもあるので注意が必要です。お散歩の量を増やしたり、ドッグランで思い切り走らせてあげるのもおすすめです。
繰り返しの行動が見られる
グルグルと自分のしっぽを追いかけ回したり、ずっと足をなめ続けているなどの繰り返しの行動もストレスのサインです。不安や環境の変化、退屈などさまざまな原因が考えられるので、まずはその原因を特定し、愛犬のストレスをできるだけ和らげてあげるような工夫をしましょう。
行動が継続され、エスカレートしてしまうと「常同障害」という病気になってしまうこともありますし、メンタルからくる行動異常の可能性もあります。早めに異常に気づいてあげて、その分野を専門とする獣医師に相談するなど早めの対策をとってあげることが大切です。
こちらの記事もチェック
無駄吠え
あまりかまってもらえないというストレスから、飼い主さんの興味を引くために吠えるようになってしまう子もいます。愛犬は「僕はここにいるよ」とアピールしているのです。
寂しさから無駄吠えをしてしまう子には、「吠えなくてもちゃんときみのことを見ているよ」と、わかるように態度で示してあげましょう。しつけの一環として、無駄吠えはダメなことと教え、きちんと吠えずにいられたら、ご褒美にたっぷりスキンシップをとってあげてください。
愛犬からの愛情表現に気づこう
愛犬たちは、私たち人間に惜しみない愛情を注いでくれています。愛犬の愛情表現をしっかりとキャッチし、それに負けないくらいの愛情を返してあげましょう。
愛犬は、飼い主さんに名前を呼んでもらうだけでも嬉しいのです。いろいろな愛情の引き出しを用意して、愛犬の喜ぶ顔やしぐさを堪能しましょう。お互いがお互いの幸せのためを考え、行動することができれば、より一層パートナーとしての絆が深まるはずです。
こちらの記事もチェック
この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!