レッドやアプリコットなど、茶色系のトイプードルは見かけることも多いですが、グレーやシルバーの子は珍しいですよね。まずはグレーとシルバーの毛色について説明していきます。

ここ数年で、その上品な見た目からシルバーのトイプードルは少しずつ人気が出てきました。レッドやアプリコットなどのカラーの子たちよりもシルバーの頭数は少ないので、見かける機会は少なく珍しい毛色となっていますが、シルバーのトイプードルの繁殖に力を入れているブリーダーさんもいるので、今後目にすることが増えていくかもしれません。

トイプードルの色の幅は同色でも広く、アプリコット寄りの子でもレッドとされていたり、退色によって色が変わることもあることから、グレーとシルバーにおいては特に、絶対的な基準は設けられていないようです。基本的には濃い灰色がグレー、薄めの灰色はシルバーとされています。

また、JKC（ジャパンケネルクラブ）により、猶予期間を経て、2026年からトイプードルの毛色の取り扱いが変わることが発表されています。その中に、グレーとシルバーについても記載があり、これまで「シルバー」と呼ばれていた毛色はスタンダード上「グレー」に統一されることからも、これらの毛色の表現の差に大きな問題なく、明確な違いはないということが伺えます。

取り扱いが変わった後も、登録自体はシルバーでも可能なようですが、展示会へ出陳される場合は、できるだけグレーで登録するよう併せて発表されています。

グレーとシルバーはホワイトとブラックの中間の色になり、色の濃さで大まかに分かれているとお話ししました。どちらの色も、生まれたての子犬の頃はブラックですが、成長とともに薄くなり、グレー、そしてシルバーの毛色になっていきます。毛色が成長や加齢に伴い薄くなっていくことを「退色」と言いますが、このようにだんだんと本来の色へ変化していく場合には、「毛色の発現」とも言われます。

個体差があるので、厳密にこの時期に退色が始まると言い切ることはできませんが、大体1歳～2、3歳がピークとされており、早ければ生後2、３ヶ月で退色が始まることもあります。シルバーの子は退色がうまく進まずグレーで色が変わらなくなったり、年齢を重ねてからシルバーに変化することもあるので、シルバーの毛色は特に珍しいという要因の1つになっているようです。反対に、グレーの見た目をしている子でも、シルバーに退色する途中である場合を考慮し、ペットショップ等ではシルバーと表記されていることもあります。中間色の子は定義に曖昧さが残っているのです。

トイプードルは、毛色に関わらず退色する特徴があります。そのため、早ければ飼い始めて数か月後に、全く別の色に変わってしまうということも考えられます。子犬を迎える際に、この色が絶対に良いという条件で決めてしまうと、毛色の変化に驚いてしまうかもしれません。トイプードルは退色する犬種であるということをしっかり心に留めて、想像していた色とは異なっても、責任をもって育てる覚悟を決めてからお迎えしてください。

また、退色は成長による変化である場合は問題がないものの、ストレスや過度のシャンプー、栄養不足などの理由でも起こることがあるとされています。はっきりとこれらが原因であると判明しているわけではありませんが、上記の要因は、健康的にも良いとは言えないので、思い当たる節があれば改善し、心配であればかかりつけ医へ相談しましょう。

犬の毛色による性格の違いをまとめている記事をよく見かけますが、基本的に毛色が大きな要因となって性格が変わることはないでしょう。もちろん傾向として参考になる部分もあると思うので、一概にそれらすべての情報が全く当てはまらないとは言えません。しかし、遺伝的な要素や育った環境、個体差がその子の性格を形作る要因として作用していくので、この色はこう！という情報を鵜呑みにして飼ってしまうと、実際にお迎えした時にギャップがあった場合、戸惑ってしまうことも考えられます。

もともとプードルは、賢く明るい性格と得意な泳ぎを活かして人々のパートナーとして活躍してきた犬種です。飼い主がリーダーシップを持ち、しつけをすれば良い関係が構築できるでしょう。たとえ思っていた性格と違っていたとしても、性格はその子の個性として受け入れ、愛情を持ってお世話してあげてくださいね。

グレーとシルバーの毛色はどれくらいの価格なのか気になりますよね。ブリーダーサイトで調べてみたところ、2024/11/8現在、グレーの子は30匹掲載があり、20～40万円台の子が多い印象です。ただし、先述した通り、成長後の毛色がどのように発現するかは分からないことから、「グレー（シルバー）」というように、括弧書きでシルバーと記載されている子も少なくありませんでした。また、サイズも「トイ」だけではなく、「タイニー」や「ティーカップ」もおり、ティーカッププードルの中には70万円近い価格がつけられている子もいました。

一方でシルバーの子は123匹掲載されており、10万円台の子もいましたが、大半は20～40万円台の子が多く、ティーカップサイズの子はトイやタイニーと比べて高値で、70万円近い子や90万円近い価格の子もいれば、中には100万円を超えている子もいました。グレーと同様、「シルバー（グレー）」と記載されている子も多いです。

グレーとシルバーではシルバーの子のほうが価格は高い傾向にあり、サイズでは小さいほど高値がつけられていることが分かりました。

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ホワイトやクリームなどの色の薄い子に比べると目立ちにくいものの、トイプードルは涙やけが起こりやすいので、普段から目の周りのケアに気を配るようにしましょう。

また、トイプードル全体に言えることですが、骨が細いので骨折や膝蓋骨脱臼（パテラ）には注意するようにしてください。犬にとって滑りやすいフローリングには滑り止め付きのマットやカーペットを敷いてあげましょう。高低差のある段差やソファには登らせないようにするか、ステップなどを活用して、負担を減らすように工夫するとよいでしょう。ジャンプは足腰に負荷がかかりやすいので、高いところや危険のあるところは、柵などを使って立ち入ることができないようにするのも効果的です。

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くるくるの柔らかい毛質は毛玉になりやすいため、日々のブラッシングで絡まらないようにしっかりお手入れする必要があります。毛玉を放っておくと皮膚トラブルを起こしてしまうこともあるので、スキンシップも兼ねてこまめにお手入れしてあげましょう。定期的にトリミングサロンにも連れて行き、長さを整えることも大切です。

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グレーとシルバーのトイプードルについてご紹介しました。今後、同じカラーとして分類されるようになるので、違いについてはさほど気にする必要はないかもしれません。シルバーの子は、色が変わっていくことで発現するカラーであることから希少で、毛色の変化も読みにくい部分がありますが、色の濃い・薄いもその子の個性ですので、思った色にならなくても、退色も含めて毛色の変化を受け入れましょう。シニアになると身体の一部分が濃くなったり、薄くなったりすることもあるので、毛色の変化をずっと楽しむことができるところは魅力であるとも言えます。

バランスの取れた食事とこまめなブラッシングと十分な運動で、愛犬がストレスフリーの健康的な生活を送ることができるようサポートしてあげてくださいね。

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