柴犬がお尻を気にするのはなぜ?肛門腺絞りとは何?
尻尾がドーナツのようにくるりと巻かれていて、プリッとしたお尻が可愛い柴犬ですが、たまにお尻を気にするような仕草を見せることがあります。一体なぜ柴犬はお尻を気にするのでしょうか。本記事では、柴犬がお尻を気にしている時のサインと、その理由について徹底解説していきます。また、肛門腺絞りについても併せてご紹介するので、気になる方は是非参考にしてみてください。
愛犬は大丈夫?柴犬がお尻を気にしているサイン
柴犬がお尻を気にしている時の仕草や行動は、どういったものがあるのでしょうか。ここでは、柴犬がお尻を気にしているサインを5つご紹介します。
①お尻を舐める
柴犬がお尻を気にしている大抵の場合、お尻を舐めることがあります。
ワンちゃんはたまにペロペロとお尻を舐めることがありますが、あの仕草は、実はお尻を気にしていたのですね。
ワンちゃんは我々人間のように手を自由に使うことができないため、身体に何かしらの異変を感じると、その部分を舐めて取り除こうとする習性があります。
お尻だけでなく手足を舐めることも多く、ワンちゃんを飼っている方であれば一度は見たことがあるのではないでしょうか。
このように、柴犬がお尻を舐める仕草は、お尻を気にしているサインとして最も分かりやすいかもしれないので、ワンちゃんを飼っている方は注意して観察してみてください。
②お尻の匂いを嗅ぐ
柴犬がお尻を気にしているサイン2つ目は、お尻の匂いを嗅ぐことです。
柴犬がお尻を気にしている時、お尻を舐めるのに続いて匂いを嗅ぐことが多々あります。
ご存じの方も多いと思いますが、ワンちゃんはワンちゃん同士でお互いにお尻の匂いを嗅ぎ合って挨拶をしたり、相手の情報を得たりすると言われています。
一方で、自分で自分のお尻を嗅ぐのは、体調不良を起こしていたり、お尻が化膿してしまい、その匂いなどを嗅いでいることがあります。
お尻の匂いを嗅ぐかのように、お尻を気にしている時はワンちゃんの身体に異変が生じている可能性があるため注意が必要です。
③尻尾を回りながら追いかける
尻尾を追いかけながらぐるぐる回るのも、柴犬がお尻を気にしている時に見せるサインです。
ワンちゃんを飼っていない方でも、このような動作を見たことがあるのではないでしょうか。
柴犬み限らず、ワンちゃんは遊びの一環として子犬の時期にこのような行為をすることがありますが、成犬になるにつれて次第にしなくなってくると言われています。
そのため、成犬になっても尻尾を追いかけている場合、お尻を気にしている可能性があります。
このように、柴犬が尻尾を追いかけるのは、尻尾や肛門の周りに痒みや違和感を感じていることがあると言われています。
④床にお尻を擦りつける
柴犬がお尻を気にしている時に見せる仕草の一つに、床やカーペットなどにお尻を擦りつけることがあります。
ワンちゃんが床にお尻を擦りつけることを「スクーティング」と呼びますが、愛犬がスクーティングをしていたらお尻を気にしているサインと捉えていいでしょう。
皆さんの愛犬はいかがでしょうか。意外とスクーティングをしているかもしれないので、注意して見てみてください。
⑤お尻歩きをする
皆さんは「お尻歩き」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
お尻歩きとは、おすわりの状態で前足だけを使ってスリスリとお尻を床に擦りつけながら前進する行為のことを言います。
お尻歩きは、柴犬がお尻を気にしている時に見せるサインの一つですが、そこまで頻繁に見せることはありません。
実際のお尻歩きは、珍しい上に思わず笑ってしまいそうなほどなので、一見すると飼い主の目には愛らしく映るかもしれませんが、お尻を気にしていることがあるため、放置しないよう気を付けましょう。
柴犬がお尻を気にしている理由
柴犬がお尻を気にしているサインをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。お尻の匂いを嗅いだり舐めたりする行為は、見たことがある方も多いかと思いますが、お尻歩きなどは珍しいので初めて聞いた方がほとんどなのではないでしょうか。では、柴犬はなぜお尻を気にする時があるのでしょうか。ここでは、柴犬がお尻を気にしている理由をいくつかご紹介します。
理由①汚れがついているから
柴犬は、お尻に異物や排泄物の汚れなどが付着している時、お尻を気にするような仕草を見せます。これはお尻に違和感を感じている証拠です。
お尻に汚れが付いている時、柴犬はそれを排除するためにお尻を舐めることがありますが、これを一般的に「セルフグルーミング」と呼びます。
セルフグルーミングは、ワンちゃんの本能的な行動であり、毛づくろいの一種であると言えます。
そのため、柴犬のお尻や肛門周りに特段変化がなければ問題ないですが、肛門周りが赤くなっている場合や、ただれてしまっている場合は、かかりつけの獣医さんに診てもらいましょう。
理由②寄生虫がいるから
柴犬は、お尻に寄生虫が感染している場合、お尻を気にするような仕草をします。
柴犬のお尻に感染する寄生虫の一つに瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)というものがあります。
瓜実条虫症は、ノミが媒介する寄生虫のことを言いますが、そのノミがワンちゃんの体内に侵入することで感染すると言われています。
肛門の周りに瓜実条虫の一部が付着すると、症状としては痒みをともなうことがほとんどです。
そのため、お尻に痒みを感じると、お尻歩きや床や地面にお尻を擦りつけるなどのような行為を行い、痒みを取り除こうとします。
瓜実条虫が柴犬のお尻に寄生することは決して珍しいことではなく、外出した際や寝床が不衛生な場合など、日常の中に潜んでいます。
また、瓜実条虫の片節(へんせつ)は目視で確認することができ、日頃から愛犬のお尻周りや肛門周りに瓜実条虫の片節が付いていないか確認してみましょう。
瓜実条虫の片節は、柴犬のお尻や肛門だけでなく、うんちにも付着していることがあるので、愛犬がお尻を気にするような様子を見せることが増えた場合は、毎日のうんちチェックも行いましょう。
一般的に、瓜実条虫症は通常は無症状と言われていますが、寄生数が多いと、下痢や軟便、食欲不振などのような症状が見られることもあるので、注意が必要です。
理由③肛門が炎症を起こしているから
肛門が炎症を起こしている場合も、柴犬はお尻を気にするような様子を見せます。
肛門の炎症の原因の一つとして、肛門腺に分泌液が溜まっていることが挙げられます。
肛門腺に分泌液が溜まり過ぎた状態で、お尻を地面に擦りつけたり舐めたりしてしまうと、肛門嚢炎(こうもんのうえん)という炎症を引き起こしてしまう可能性があり、肛門嚢炎の症状としては、赤く腫れたり出血したりといった様子が見られます。
肛門嚢炎になってしまうと、尻尾を追いかけながらぐるぐる回るような様子を見せることがあります。
肛門嚢炎は、自分で分泌液を排出するのが難しい小型犬や、分泌液の粘度が高い犬、高齢犬などに多く見られると言われています。
詳しくはこちらの記事をチェック
肛門腺絞りって何?
柴犬がお尻を気にしている時の仕草とその理由についてそれぞれご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。さまざまな理由があって、柴犬はお尻を気にしていることが分かりました。ここでは、肛門腺絞りについて簡単に解説していきます。
そもそも肛門腺とは
そもそも肛門腺とは何のことを指すのでしょうか。
一般的に、肛門腺とは肛門の両脇にある一対の分泌腺のことを言い、袋状になっていることから、肛門嚢(こうもんのう)とも呼ばれています。
この肛門嚢の中に「肛門嚢液」あるいは「肛門腺液」といわれる分泌液が入っており、この分泌液は、薄黄色や黒茶色、液状やペースト状など、ワンちゃんによって個体差があると言われています。
肛門腺はワンちゃんによって匂いが異なり、ワンちゃん同士の識別や縄張りを主張する役割を担っています。
ワンちゃんがお互いのお尻の匂いを嗅いでいるのは、このような理由があるからなのですね。
肛門腺絞りとは
肛門腺について理解した上で、肛門腺絞りについて簡単に説明していきます。
肛門腺絞りとは、肛門腺に溜まり過ぎた分泌液を飼い主が絞ってあげることを言い、ワンちゃんがお尻を地面に擦りつけたり舐めたりすることで起こる肛門嚢炎や、肛門まわりの体臭が強くなることを防ぐ効果があります。
肛門腺は、ワンちゃんが狩猟の際に自分のテリトリーと外部をはっきりさせるために発達した器官であり、本来であれば肛門腺から出る分泌液はうんちと一緒に自然に排出されるものです。
しかし、最近のワンちゃんは室内で飼われることが多く、マーキングの習性が減ったため、肛門腺から出る分泌液をうまく排出することができないと言われています。
そのため、定期的に肛門腺絞りをする必要があるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事では、柴犬がお尻を気にしている時のサインと、お尻を気にする理由についてご紹介しました。
柴犬を飼っている方であれば、愛犬がお尻を気にしているような仕草を一度は見たことがあるのではないでしょうか。
柴犬がお尻を気にしている場合、一時的な痒みや汚れなどであれば問題ないですが、寄生虫に感染していたり、それによって炎症を起こしている可能性もあるので、頻繁にお尻を気にするような素振りを見せるようであれば、一度病院に連れて行ってあげてもいいかましれません。
また、肛門腺絞りも基本的には動物病院やペットサロンで行ってくれますが、自宅で行うことも可能なので、できる方はチャレンジしてみてください。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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