パグは目玉が飛び出ることがある?短頭種は眼球突出に注意して
短いマズルを持つパグは短頭種に分類されますが、短頭種は眼窩が浅いことから目が飛び出しやすい傾向にあります。もしも愛犬が眼球突出してしまったら飼い主としてはとてもショックでパニックになってしまいがちですが、その時の対応が今後の視力を左右することもあるので、落ち着いて迅速に対処することが重要です。本記事ではパグをはじめとする短頭種や目の大きい犬がなりやすい眼球突出について解説します。
短頭種にはどんな犬種がいる?
パグやフレンチブルドッグ、ペキニーズなどのマズルが短い犬種は鼻ぺちゃの愛称でも親しまれている犬種ですよね。まずはじめに、短頭種にはどのような犬種が分類されるのか見ていきましょう。
短頭種に分類される犬種
「短頭種」とはマズルの長さが頭蓋骨の長さと比べて短いことを指します。短頭種として分類される代表的な犬種は以下の通りです。
- パグ
- フレンチブルドッグ
- ブルドッグ
- シーズー
- ペキニーズ
- ボストンテリア
- チベタンスパニエル
- ボクサー
- キングチャールズスパニエル
- チャウチャウ
- 狆
- ブリュッセルグリフォン
鼻ぺちゃで人気の犬種が多いですね。これらのほかにも、チワワやマルチーズ、ヨークシャーテリア、ポメラニアンなどの犬種も頭蓋骨の長さと比べるとマズルが短いので、短頭種に分類されることがあります。
ちなみに中頭種はビーグルやコーギー、柴犬、ゴールデンレトリバーなど、長頭種はコリーやボルゾイ、ミニチュアダックスフンド、イタリアングレーハウンドなどが該当します。
「眼球突出(眼球脱臼)」とは
「眼球突出」とは文字通り眼球が通常よりも飛び出してしまうことで、眼窩(眼球や視神経などがおさまっているくぼみ)から眼球が半分以上出ている状態を「眼球脱出」と言います。
眼球突出が起こる原因としては、交通事故や犬同士の激しい遊び・喧嘩、高所からの落下などによる頭部・後頭部への強い衝撃によるものが多いです。このほかにも、目の周辺に腫瘍ができたり膿が溜まったりすることで眼球が押し出されて起こることもあります。
また、眼球内にある房水と呼ばれる液体が何らかの要因でうまく排出できなくなると眼球内に房水が溜まっていき眼圧が高くなることで眼球が飛び出ているように見えるケースもあります。
眼球突出の症状について
眼球突出の症状は眼球が飛び出してしまうことですが、飛び出した眼球がまぶたに締め付けられることによって結膜や角膜の充血や出血、腫れなどが見られることがあります。また、痛みから涙を流すこともありますが、まぶたを閉じることができないため目の表面が乾燥したり、壊死を招くこともあり、最悪の場合は失明に至ります。
パグの目玉が飛び出しやすいのはなぜ?
パグをはじめとする短頭種やチワワなどの目の大きい犬が、そうでないほかの犬種と比べて眼球突出しやすいのはなぜなのか気になりますよね。眼球は通常、「眼窩」と呼ばれるくぼみにおさまっていますが、短頭種は顔の骨格上この眼窩が狭く浅いとされています。そのため、普通の状態でも眼球のおさまりが悪く、ちょっとした衝撃が加わることで簡単に眼球が飛び出してしまうことがあるのです。
眼球が突出してしまった場合はどうしたらいい?
愛犬の眼球が突出してしまった場合、飼い主さんができることはまず愛犬を落ち着かせてあげることです。眼球突出が起こると犬は強い痛みや不快感などから足で掻こうとすることがあるので、眼球を傷つけないよう抱っこしたりして愛犬を落ち着かせましょう。自己判断で眼球を元の位置に戻そうとすると眼球が破裂してしまうこともあるので、絶対にやめてください。
眼球が突出してしまうと眼球自体はもちろん、視神経も伸びてダメージが加わってしまいます。最悪の場合には失明してしまうこともあるため、迅速に動物病院を受診することが大切です。自宅にエリザベスカラーがあれば、前足で眼球を触らないように装着し、速やかに動物病院へ連れていきましょう。
愛犬の眼球が突出してしまったら非常にショッキングですが、眼球が元の位置に戻るか、視力が失われずに済むかはどれだけ迅速な処置が行われるかにかかっていると言っても過言ではありません。万が一そのような症状になってしまったらパニックになってしまいそうですが、愛犬の視力を守るためにも、なるべく落ち着いて行動しましょう。
治療方法は?
眼球突出の治療方法は原因によって異なりますが、ここでは腫瘍などではなく外傷が原因となっている場合の眼球突出についてどのような処置が行われるかの一例をご紹介します。
- 全身麻酔をかけて眼球を元の位置に押し戻す
- 再突出(再脱臼)の予防や角膜の保護のためにまぶたを一部縫合する
- 炎症を抑えたり眼球の乾燥を防ぐために、手術後は縫合した隙間から点眼薬を投与する
- 処置後1週間ほどで抜糸
ただし、眼球が長時間外気に晒されていた場合や視力の回復が期待できない場合、眼球が破裂してしまっている場合などでは、眼球の摘出が選択されることもあります。
愛犬の目の様子がおかしいと感じたらすぐに動物病院へ
短いマズルに大きな目が魅力の1つでもあるパグですが、中頭種や長頭種と比較すると少しの衝撃でも眼球が飛び出しやすいです。病気によるものの場合は予防が難しいこともありますが、犬の眼球突出の原因は外傷によるものが多いと言われているため、普段の生活の中で立ったまま抱っこしない、高いところに登れないようにするなどの対策をしたり、お散歩中はリードをしっかりと持ち、喧嘩になる前に相手から遠ざける、興奮を落ち着かせることができるようにしておくなど愛犬をコントロールできるようにしつけておきましょう。
しかしどんなに気を付けていても怪我をしてしまったり病気になってしまうことはあります。眼球突出は、いかに迅速な処置が行われるかが重要なので、愛犬の目の異変に気が付いたらすぐに動物病院に連れて行ってあげてください。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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