ポメラニアンの抜け毛対策|被毛の特徴とお手入れのコツ
柔らかそうな被毛と愛くるしい表情で人気の高いポメラニアンは、見るからに抜け毛が多そうですよね。そのため、「お迎えしたいけれどお手入れが大変そう…」と躊躇ってしまう方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、ポメラニアンの魅力を保つために欠かせない日々のお手入れ方法や、換毛期を乗り切るコツをご紹介します。
ポメラニアンの被毛タイプを知ろう
犬の被毛にはシングルコートとダブルコートがあり、それぞれお手入れの方法が異なります。ポメラニアンに合ったお手入れをするためにコートタイプについて知っておきましょう。
シングルコートとは
オーバーコート(上毛)と呼ばれる硬い毛のみ生えているタイプです。オーバーコートには紫外線や外部の刺激などから皮膚を守る役割があります。シングルコートの犬種は暖かい地域出身であることが多く、寒がりな子が多いです。抜け毛は少なめなので比較的お手入れはラクだと言えるでしょう。しかし、トイプードルのようなシングルコートで長毛種であるという場合には定期的にトリミングサロンに行かなくてはいけません。また、シングルコートでも抜け毛の多い子もいます。
■シングルコートの犬種例
ダブルコートとは
皮膚を保護する役割があるオーバーコート(上毛)と、体温調整や保湿の役割があるアンダーコート(下毛)が生えているタイプです。オーバーコートは硬めですが、アンダーコートは柔らかい質感をしています。季節によってアンダーコートが生え変わることで体温を調整しているため、夏毛から冬毛、冬毛から夏毛に生え変わるタイミングでアンダーコートが大量に抜けます。これが換毛期です。寒い地方で暮らしている犬はダブルコートであることが多く、暑さには弱いです。
■ダブルコートの犬種例
ポメラニアンはダブルコートの犬種
アンダーコートは春と秋の換毛期に普段よりも大量に毛が抜けますが、オーバーコートは毎日少しずつ抜けていきます。そのため、1年を通して抜け毛の量は多い方です。抜け毛だけで両手よりも大きい毛糸玉ができるほどの量が抜けることもあるんだとか!また、換毛期のポメラニアンと遊ぶと、自身の洋服に大量の抜け毛がついてしまうとお悩みの飼い主さんも多いようです。
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ポメラニアンの抜け毛は換毛期だけではない?
換毛期以外にも毛が抜けることはもちろんあります。ポメラニアンには生後4~8ヶ月に子犬の毛から成犬の毛に生え変わる通称「猿期」というものが存在します。この時期にもたくさんの被毛が抜けますが、成長の過程で起こる現象のため心配はいりません。1度きりで終わります。
詳しくはこちらの記事で解説しています
換毛期や猿期の他にも、ストレスやアレルギーで抜け毛が増えることもあります。痒みはないのに同じ部位を舐め続けたり、執拗に搔いてしまうことで脱毛してしまうのです。また、ノミやダニ、花粉や食事などに対してアレルギー反応を起こしている場合にも毛が抜けることがあります。
ポメラニアンの換毛期を乗り切るヒント!
ダブルコートであるポメラニアンは年に2回、特に抜け毛が増える換毛期があります。多くの飼い主さんが悩む時期でもあるので、換毛期を少しでも楽に乗り切るためには以下の対策を講じましょう。
抜け毛対策①毎日ブラッシング!
抜け毛対策として1番重要なことがとにかくこまめにブラッシングをすることです。被毛が身体から落ちる前に取り除くことで、掃除の負担を軽くすることができます。換毛期は1日に2回など、ブラッシングの回数を増やせるとなお良いですね。
ブラッシングには抜け毛を取り除くだけではなく、血行促進や皮膚トラブルの予防、病気の早期発見、さらに愛犬とのコミュニケーションにもなります。
お散歩した後やドッグランに行って汚れたあとにも軽くブラッシングすることで、ノミ・ダニなどの寄生虫や葉っぱ、ほこりなどの付着物を取り除いておくことも大切です。ブラッシングする際は、表面だけではなく根元からしっかり梳かしましょう。
ポメラニアンのブラッシングの流れ
- まずは全体をコームで軽く梳かします。
- 毛玉がないかをチェックし、見つけたら指で優しくほぐしてください。(無理な場合はハサミでカット)
- 力加減に注意してスリッカーブラシやピンブラシで全身をブラッシングしましょう。
- 仕上げにコームで梳かして終了です。
抜け毛対策②こまめにお掃除!
抜け毛はまとめて掃除しようとすると大量に溜まってしまい大変です。気づいたときに掃除する習慣をつけておくと負担が軽くなります。
場所によって掃除道具を効果的に使い分けましょう。フローリングは湿っているハンディワイパーで集めると舞い上がりにくいのでおすすめです。部屋の隅や隙間に溜まりやすいので注意してください。ソファやクッション、カーペットなどは粘着クリーナーを使うと取り除きやすくなります。掃除機は、詰まりにくくするために抜け毛をあらかた取り除いてから使うようにしましょう。
抜け毛対策③シャンプーする
抜け毛対策にはシャンプーをすることも効果的です。頻繁に洗うと必要な皮脂まで取り除いてしまい、皮膚の乾燥や炎症などのトラブルを引き起こす可能性があるので、3週間に1回ほどのペースで行うと良いでしょう。汚れがひどい場合はこの限りではありませんが、足やお尻周りなどは部分的に洗ったり、濡れたタオルで拭いてあげるのもおすすめです。
ポメラニアンは被毛の量が多いので、自宅で洗ってあげる場合にはシャンプーのすすぎ残しや生乾きに注意してくださいね。自分でうまく洗えないという場合にはトリミングサロンでトリマーさんにお任せしましょう。
抜け毛対策④洋服を着せる!
洋服を着せることで落ちたり舞ったりする毛を減らすことができます。人が多く集まる公共の場にお出かけする際にはマナーとしても着せるのが望ましいです。しかし、洋服を長時間着せると蒸れて皮膚トラブルを起こしたり毛玉の原因にもなります。夏場は熱中症の恐れもあるので注意してください。
洋服を着慣れていない犬は嫌がることが多いです。夏は紫外線対策、防虫対策、熱中症対策になりますし、冬は寒さ対策になります。靴とあわせて子犬のうちから慣れさせておくといいかもしれません。
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抜け毛対策⑤掃除しやすい環境を整える!
可動式の家具であればお掃除がしやすくなりますし、毛がつきにくい素材のカバーをソファやクッションにかけることで付着する毛を減らす効果が期待できます。丸洗いできるタイプのものを選べばより衛生的です。
また、愛犬が過ごす場所はなるべくすっきりさせて、家具の下に抜け毛が溜まったり、布製品に付着しないようにするのも1つです。
大量の抜け毛は病気の可能性も
ポメラニアンは換毛期に大量に毛が抜けたり、猿期に毛が生え変わったりと、毛が抜ける機会が多い犬種ですが、脱毛症にも注意しなくてはいけません。毛周期停止(別名ポメラニアン脱毛症)という病気の好発犬種でもあるからです。
この脱毛症は、アロペシアX、偽クッシング症候群、成長ホルモン反応性皮膚症などさまざまな名称で呼ばれており、はっきりとした原因は分かっていません。毛が抜けるだけで痒みは伴わないと言われていますが、気になる様子が見られたら獣医師に相談しましょう。
ポメラニアンはバリカンで被毛を短く刈り込むことで生えてこなくなってしまう可能性もあるので、短いカットスタイルに挑戦しようと考えている場合にはトリマーさんと相談することをおすすめします。
換毛期を乗り切るためには日々のお手入れが大切
ポメラニアンの魅力の1つであるふわふわの被毛を綺麗に保つためには、日々のお手入れがとても重要になります。可愛い見た目を保つためにも皮膚トラブルから愛犬を守るためにも念入りにお手入れをしてあげてください。しかし、毎日ブラッシングをしても、どれだけこまめにお掃除をしても、抜け毛が落ちていない日はほぼないということも覚えておきましょう。抜け毛がある!掃除やお手入れが足りないんだ!と気に病む必要はありません。
抜け毛対策としてサマーカットをする飼い主さんもいるようですが、短くしても毛は抜けます。また、ポメラニアンは被毛を短くしてしまうことで脱毛してしまう恐れもあるのでおすすめできません。毎日ブラッシングするのは大変ですが、愛犬とのコミュニケーションにもなるので、できるだけ欠かさないようにしてくださいね。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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