凶暴化するという意見もあるマルチーズ。可愛らしい見た目に反して、実は気性が荒いのでしょうか？まずはマルチーズの性格傾向について見ていきましょう。

冒頭でお話しした通り、マルチーズは愛玩犬として誕生した犬種のため、穏やかで人懐っこい性格をしている子が多いです。特に飼い主さんに対しては深い愛情を示し、従順で甘えん坊なので、犬を迎えたら思いっきり可愛がりたいと思っている人にはぴったりの犬種と言えるでしょう。

小柄な体型をしていますが、遊ぶことが大好きな犬種です。日々のお散歩はもちろん、一緒に引っ張りっこやボール遊びなどをしてあげると喜びます。ただし超小型犬に分類されるほどのサイズ感であるマルチーズは骨が細いので、骨折や脱臼などの怪我には注意が必要です。

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基本的な性格を見る限りではとても温厚で飼いやすそうですが、いったいなぜ凶暴化すると言われてしまうのでしょうか？その原因として考えられるものをご紹介します。

マルチーズは基本的には穏やかですが、小型犬特有の警戒心が強い一面も持ち合わせており、寝ているときやリラックスしているときにいきなり触ろうとすると恐怖心から反射的に噛みつこうとすることがあります。

また、飼い主さん以外の人にはフレンドリーではない子もいるため、第3者が「しっぽを振っているし、大人しくしているから大丈夫だろう」と判断して触ろうとすると噛まれることもあります。（しっぽを振っているからと言って必ずしも喜んでいるとは言い切れないのです。）

危害を加えていないのに噛まれそうになった経験がある人は、「マルチーズはすぐ噛もうとする凶暴な犬だ」と思ってしまうのかもしれません。

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ブラッシングや歯磨き、シャンプーなどの際に噛まれそうになった飼い主さんもいるかもしれません。これらは犬にとって欠かせないお手入れではありますが、犬は必要性を理解しているわけではないので、「嫌なことをしないで！」という意味を込めて噛みつこうとすることもあります。

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飼い主さんのことが大好きな犬種なので、見知らぬ人や犬から家族を守るために立ち向かっていくことがあります。小さい身体ながら、果敢に吠えかかる姿をみて凶暴な犬だと思われているのかもしれません。

マルチーズは賢いので、甘やかしてしまうと、自分が要求すればなんでも思い通りになると認識し、飼い主さんの言うことを聞かなくなることがあります。そうすると、飼い主さんに対して要求吠えを繰り返したり、嫌なことをされると噛みついたりするようになるので、「大人しいと思って迎えたのに吠えたり噛んだりする凶暴な犬種だ」と思うケースもあるかもしれません。

マルチーズは基本的にはとても温厚で飼いやすいと言われている犬種です。そのため、できるだけ本来の良さを引き出してあげたいですよね。ここでは、マルチーズを良い子に育てるために飼い主さんができることをご紹介します。

マルチーズに限らず、犬はさまざまな理由から噛む生き物なので、子犬の頃からしっかりとしつけなければ噛み癖となって成犬になってもあらゆるものを噛むようになります。噛み癖をつけないようにするためには、手や噛んでほしくないものを噛まないように先回りして対策することが大切です。

特に生後3週間頃の歯の生え始めの時期や生後4ヶ月頃の歯の生え変わりの時期は歯茎のむず痒さから色々なものを噛んでしまうので、その時期に手や大切な家具などの噛んでほしくないものを噛ませないようにすることが重要になります。子犬期は噛まれても痛くないことからそのままにしてしまいがちですが、この頃からダメなものはダメと教えてあげましょう。歯の生え始め・生え変わりの時期は噛んでもいいおもちゃを用意してあげるのがおすすめです。硬すぎると歯や歯茎に負担がかかってしまうので、ほどよい硬さのおもちゃを選んであげてくださいね。

犬は歯のむず痒さのほかにも、ストレスや飼い主さんへの要求、身を守るための防衛本能などの理由から手や家具を噛むこともあります。

マルチーズは甘えん坊な犬種なので飼い主さんに構ってもらえないストレスや遊んでほしくて手を噛もうとすることがあります。子犬の頃は痛くないかもしれませんが、成犬になってもガブガブ噛んでくる場合は癖になっている可能性が高いです。

愛犬に噛み癖がつかないようにすることはもちろん、噛むようであれば何が原因となっているのかを突き止めて対応しましょう。

犬は吠えて自分の気持ちを伝えるので、吠えるということは何らかの理由があるはずです。そのためまずは原因を突き止めることが大切になります。

恐怖心から吠えている場合は、愛犬が怖いと感じているものを取り除いてあげることが解決の近道になるでしょう。他の犬や人が怖くて吠えてしまうのであれば社会化をしっかり行うことが大切です。社会化は子犬期にしっかりを行っておくことが理想ではありますが、成犬になってからでも遅くはありません。インターホンの音やドライヤー、雷・花火などの音が苦手なのであれば、部屋を移動させてあげたり、少しずつ慣らす練習をするのがおすすめです。

マルチーズは身体の小ささからお散歩が必要ないと思われているケースも少なくなく、運動不足のストレスから吠えて有り余った体力を発散していることもあります。どんなに小さくてもお散歩は必要なので、毎日運動する時間を作ってあげましょう。雨の日やお散歩に行く時間が取れない日は家の中で一緒に遊んであげてくださいね。

お散歩に行きたい、おやつが欲しいなどの理由で吠える「要求吠え」の場合には、言うことを聞いてしまうと行動がエスカレートしてしまうので、基本的には無視しましょう。吠え続けられるとやめさせるために言うことを聞いてしまいたくなりますが、今後も同じように要求吠えを繰り返すようになるため、毅然とした態度で応えないことが大切です。

可愛らしい見た目からついつい甘やかしたくなってしまいますが、甘やかしすぎてしまうと自分の要求を通すために要求吠えをしたり、気に食わないことがあると噛みつくようになることがあります。また、好みではないごはんは食べないという子もいますが、食べないからと言っておやつをあげたり嗜好性の高い食べ物を与えてしまうと総合栄養食であるドッグフードを食べなくなるため、残していても15分ほど経ったらフードボウルを片づけましょう。「これよりも良いものは出てこない」と認識させることが大切です。

とはいえ愛犬からのアピールすべてがわがままとは限りません。「トイレシートを交換して！」、「水が入ってないよ！」、「今日のごはんを忘れてるよ！」ということを飼い主さんに伝えるために吠えたりすることもあるので、その場合にはすぐに行動してあげてくださいね。

今回はマルチーズが凶暴化してしまう理由として考えられるものをご紹介しました。もちろん他の要因が関係している可能性もありますが、子犬期の社会化不足や不十分なしつけによって噛み癖や吠え癖がついてしまい、手に負えなくなる飼い主さんも少なくありません。

また、マルチーズに限らず、念願の犬を迎えたらその可愛さからついつい甘やかしてしまいがちですよね。しかし、ダメなことをダメと叱ることが出来なかったり、犬の要求するままごはんやおやつを与えてしまうとわがままになって言うことを聞かなくなります。飼い主さんの指示に従わなくなった犬をしつけ直すのは相当な根気が要るため、メリハリをつけてしつけることが大切です。

よき家庭犬としての素質を兼ね備えているマルチーズの長所を活かすためにも、子犬のうちからしっかりしつけ信頼関係を築けるようにしましょう。

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