犬の正しい叱り方は?犬の特徴によって正しい叱り方を理解しよう
「愛犬が言うことを聞いてくれないとき、どうしたらいいかわからない」
「しつけのために叱っているけど、やり方は合っているのかな?」
こんな風に愛犬のしつけで悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
犬を褒めたり可愛がったりするだけで済めばいいのですが、しつけのために叱らないといけない場面は必ずあります。
叱り方を間違えてしまうと、犬との信頼関係にも影響が出てしまうかもしれません。
この記事では、犬の特徴にあった正しく叱る方法を紹介します。
犬の叱り方を誤るとどうなる?
犬の叱り方を誤ると、犬との間に信頼関係が築けなくなり悪影響を与えてしまう恐れがあります。
犬の叱り方を誤った場合に起こり得ることについて紹介します。
トラウマになる
犬も人間と同じで、恐怖心を感じたり精神的なショックを受けたりすると、トラウマになります。
例えば誤った叱り方を続けていると、犬は叱られること自体にトラウマを感じるようになってしまうのです。
犬がトラウマに感じるような厳しい叱り方や、執拗に叱り続けることは避けましょう。
信頼関係が崩れる
誤った叱り方は、犬に強い刺激や恐怖心を与えてしまい信頼関係が崩れてしまう可能性があります。
ただし普段から友好的な関係が築けていれば、多少のことで犬との信頼関係は崩れないでしょう。
普段から叱ってばかりいて、遊んだりスキンシップをとったりしていない場合は、よい信頼関係を築くことはできません。
問題行動がひどくなる
犬の問題行動とは「他人に迷惑をかける行為」を指します。
例えば問題行動がひどくなると、人や犬を噛んだり、むやみに吠えたり危険な行為が多く見られるようになります。
犬の問題行動は遺伝的な要因も考えられますが、誤った叱り方を続けることで悪化することもあるのです。
「怒る」と「叱る」の違いを意識しよう
正しく𠮟るために、まず「怒る」ことと「叱る」ことの違いをはっきり理解しましょう。
「怒る」とは、自分の感情を直接相手にぶつけることです。
「叱る」とは、やってはいけないことを相手に教えて、正しい行動ができるように注意をすることです。
愛犬が無駄に吠えたりトイレに失敗すれば、イライラすることは当然あるでしょう。
ただ、大声を出したり叩いたりして直接感情をぶつけても、犬には何がいけないことだったのかわかりません。
犬にやってはいけないことを教えるためには、感情的にならずに正しい叱り方をすることが大切です。
愛犬を叱るときはまず冷静になることを意識しましょう。
正しい犬の叱り方
犬の叱り方にはいくつか方法があります。
ここでは、今からでも間に合う簡単に実践できる正しい犬の叱り方について紹介します。
短い言葉で叱る
犬の知能は人間の2〜3歳といわれており、ある程度人間の言葉を理解できます。しかし、叱るときに長い言葉で説明しても理解してくれません。
叱るときの言葉は「だめ」のように短い単語で、犬の唸り声のイメージで低く強めに言うと効果的です。
立ったまま犬を見下ろして叱るようにするとプレッシャーを感じ、叱られていると理解しやすくなります。
適切な強さで叱る
犬が叱られていると理解するために、強弱をつけて適切な強さで叱るようにしましょう。
口調が強すぎるとトラウマになり、弱ければ叱られていると理解してもらえません。
犬を叱る目安として適切な状態は、犬と飼い主さんのアイコンタクトができており、耳が上がって尻尾を軽く振っている状態がよいとされています。
刺激が強すぎると震えたり耳が下がったりするので、犬のしぐさに注意して観察しながら叱りましょう。
その場ですぐに叱る
叱るタイミングは問題行動をしたとき、あるいは問題行動を起こした直後です。
例えば犬が噛み付いてはいけないものを噛んでしまった場合、その場ですぐに叱ることで「やってはいけないこと」と犬は理解できます。
しかし、後から気が付いて叱った場合、犬は何で叱られているのか理解できません。
問題行動を起こしたらその場ですぐに叱りましょう。
何度も繰り返し叱る
繰り返してしまう問題行動も、面倒と思わずそのつど叱ることが大切です。
「良くないことをしたら叱られる」状況が続くと、犬の学習が早くなります。
犬の行動を普段からよく観察して、学習の機会を逃さないよう意識しましょう。
無視をする
叱るときどうしても感情的になってしまう方は、犬を「無視」してみましょう。
犬の「構ってほしい」「こっちを見て!」という気持ちが、イタズラや周りの人を困らせる行動につながることがあります。
このとき、声をかけたり構いすぎたりすると行動がエスカレートする可能性もあるため、一度犬を落ち着かせるためにも無視をします。
無視する方法として「一切目を合わせない」「声をかけない」「触れない」などがあります。
あまり長時間無視するとストレスに変わってしまうので、20分程度を目安に無視を続けます。
あらかじめ決めた時間がきたら何かひとつ指示を出し、言うことを聞いたら無視するのは終わりにしましょう。
叱った後は褒めてあげる
犬を叱るだけではよくありません。
叱った後には何か指示を出し、できたら褒めてあげる流れをセットで行うようにしましょう。
褒め方のコツとして、上手にできたときは声を高くして大げさに褒めてあげてください。
またご褒美としておやつを与えるのも効果的です。
犬は飼い主さんのリアクションを見て褒められていることを認識します。
間違った犬の叱り方
飼い主さんの叱り方ひとつで、愛犬の行動は良くも悪くも変わります。
叱り方を誤ると、犬の問題行動がエスカレートして言うことを聞かなくなるかもしれません。
犬との信頼関係がうまく築けなくなる恐れもあります。
ここでは間違った犬の叱り方を紹介するので、自分がやってしまっていないか参考にしてみてください。
体罰をする
体罰とは「蹴る」「叩く」「つねる」といった痛みを伴う行為を指します。
なかには犬と言葉が通じないからと、暴力を奮ってしまう飼い主さんもいます。
体罰は犬に恐怖心とストレスを与え、信頼を失う行為です。
また体罰をあたえる「ふり」をするのも、同様に恐怖心を抱かせてしまいますので、絶対にしないようにしましょう。
感情的に叱る
感情的に叱ることは、先程伝えた体罰と同じで最もやってはいけない叱り方です。
感情的に叱ると犬にとって何がいけないことなのかわからず、トラウマになってしまい逆効果です。
日常的に怒って叱り続けると、大きな声を聞くだけで震える、体調不良を起こすなどの悪影響を及ぼす場合があります。
犬を叱るときにはまず冷静になって、感情をぶつけないように意識しましょう。
首やマズルを掴む
マズルや首を掴んで叱る方法は、犬に強い不快感や恐怖心を与えてしまう可能性があるため推奨できません。
マズルは犬の鼻先から口元の敏感な部分で、触られることを嫌がる犬が多いです。
マズルと一緒に舌を挟んで掴んでしまうと、痛みのあまり噛みついてくる恐れがあり危険です。
首を掴む叱り方は、母犬が子犬の首をくわえて持ち上げるイメージがありますが、首が締まってしまい痛みを伴うので避けましょう。
愛犬の名前を呼んで叱る
愛犬の名前を呼ぶことはよくありますが、、叱る際には控えましょう。
犬は叱られたり褒められているときの「言葉」と「行動」をセットで認識します。
そのため犬の名前を呼んで叱り続けると「名前を呼ばれることは叱られる前触れ」=「嫌なこと」と誤った学習をしてしまう可能性があります。
犬の名前を呼ぶ機会はたくさんあるので「名前=楽しいこと」と認識させてあげましょう。
後から叱る
問題行動を起こしてから時間が経過した後に叱ったとしても、犬はなぜ叱られたか理解できません。
やってはいけない行動をしているとき、またはその直後に叱るのが適切なタイミングです。
その場で叱れるように、日頃から犬との関わりを増やし些細なことでも気付けるようにしましょう。
犬の特徴によって叱り方を変えよう
犬の特徴によって叱り方を変えることも重要です。
強い口調ばかりではなく、優しく時間をかけて叱ったりゆっくり伝えたり、犬の特徴やそれぞれの性格に合わせた叱り方を紹介します。
臆病な犬
臆病な犬に強い口調で叱ってしまうと、犬はますます臆病になり人間不信になる可能性があります。
臆病な犬にはゆっくりと優しい口調で叱るようにしましょう。
わがままな犬
犬を甘やかすと自分が飼い主さんより優れていると思い、わがままな行動が目立つようになります。
わがままな犬は自分が叱られていると自覚していない場合があります。
ただし、強く叱られると噛みついたり大きな声で吠えたりなど反抗することも。
優しい口調で叱っても反省の態度が見られない場合は無視するのも効果的です。
無視した後で言うことを聞いたときは、ご褒美のおやつを与え褒めてあげましょう。
活発な犬
活発な性格な犬は、弱い叱り方では言うことを聞いてくれないことがあります。
そのため、時には強い口調で叱り、それでも言うことを聞かない場合は無視が効果的です。
犬を無視する時間を決めるのも忘れないようにしましょう。
小型犬
小型犬のチワワやトイプードルなどは特にストレスを感じやすく、普通に叱っても下痢のような体調不良を起こす場合があります。
愛犬の様子を見ながら短時間で優しい口調で注意しましょう。
テリア系の犬
テリア系の犬は、飼い主さんが叱っても理解していない犬が多いといわれています。
比較的強めの叱り方で反応を見たり、無視をする場合もほかの犬種より長時間かけたりしてみることが必要です。
なかには叱ると緊張で怯えてしまう繊細なテリア系の犬もいますので、それぞれの性格に合わせた叱り方を探すことが重要です。
犬を叱ってはいけないとき
犬を叱ってはいけない場合もあります。
例えば成犬にトイレトレーニングをする場合は「教える」という感覚で、根気強く続けることがポイントです。
ここではトイレトレーニングを例に挙げ、叱ってはいけない場合を紹介します。
トイレを失敗した場合
犬のしつけをしていても、時には環境の変化やストレスでトイレに失敗してしまうこともあります。
- 引っ越しで環境が変わる
- 飼い主さんと離れている時間が長く不安になっている
- 犬の加齢による体調不良
トイレを失敗する原因として上記のような理由が考えられます。
このような症状が見られる場合は、叱らずすぐに排泄物を片付けましょう。
特に子犬の場合は叱られると、トイレに行くこと自体を「やってはいけないこと」と間違えて覚えてしまいます。
また、排泄自体を我慢したり、排泄物を食べたりしてしまう恐れもあるのです。
子犬の場合は、トイレを教えるのは「育てる」という認識で、失敗しても叱らずに、根気強くトレーニングを続けましょう。
きちんとできたら褒めてあげることも重要です。
食糞をした場合
犬が食糞をした場合も叱ってはいけません。
犬は飼い主さんに伝えたいことがあるため食糞することがあります。
あるいは自分が排泄した糞を食べて叱られた経験があると、叱られないように証拠を隠すために食糞を繰り返してしまう場合が考えられます。
食糞しないために愛犬が排泄をしたら叱らずにすぐに片付けましょう。
食糞は体調不良になるだけでなく、さまざまな病気に感染するリスクがあります。
そのため犬の食糞の時に叱るのはよくありません。
まとめ
今回は一般的な犬の叱り方や犬種の特徴にあった叱り方を紹介してきました。
犬の気持ちや状態を把握して叱ることも重要です。
そのためにも普段から愛犬と触れ合いましょう。
もちろん叱るだけでなく、褒めてあげることが犬にとっても飼い主さんにとってもよいことです。
叱った後は、しっかりとフォローすることも忘れないことでよい信頼関係が築けるでしょう。
この記事のライター
nana
泳ぎも走りも得意な運動神経抜群のゴールデンレトリバーと暮らしています!今は愛犬とタンデムサーフィンの練習中。いつまでもアクティブに楽しく過ごせるような情報を発信していきます。
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