動物保護先進国ドイツの犬事情|ドイツ原産の犬や法律について
ドイツはイギリスに次いで2番目に原産の犬種が多く、犬と人間が共に歩んできた歴史が長い国と言えます。「ペット大国」「動物愛護先進国」と呼ばれるだけあって、世界的にも先進的な動物福祉国であり、民間で運営している最大級のシェルターでは多くの動物が保護されています。今回の記事では、ドイツ原産の犬種の紹介から、犬や動物に関する法律、動物保護の現状などについて紹介していきます。
ドイツ原産の犬種は?
ドイツ原産の犬の種類はイギリスに次いで二番目に多く、イギリス原産の犬に愛玩犬が多いのに対してドイツでは作業犬が多いという特徴があります。私たち日本人のペットとして身近な存在であるダックスフントやポメラニアン、ミニチュア・シュナウザー、ミニチュア・ピンシャーなどもドイツ原産で、大型犬ではジャーマン・シェパード・ドッグやドーベルマン、グレート・デーンなどが有名です。ここでは、2種の犬をピックアップしてご紹介します。
ジャーマン・シェパード・ドッグ
警察犬としてのイメージが強いジャーマン・シェパード・ドッグは、安定した性格で自信に満ち、注意深く勇敢で訓練を覚えやすい犬です。世界的には家庭犬としても人気があります。
グレート・デーン
超大型犬に分類されるグレート・デーンは体高が最も高い犬種で、ジャパンケネルクラブ(JKC)の犬種標準ではオスの体高が80cmと規定されています。過去にはギネスブックに体高111.8cmのグレート・デーンが掲載されたこともあります。「優しい巨人」とも呼ばれ、穏和で服従心があります。
ドイツはペット先進国
ドイツでは、犬を飼い始めた多くの人が犬の学校に通います。しつけやマナーがきちんとしており、電車や公共のバスも料金を支払えば同乗することが可能で、多くのレストランやショッピングモールでも犬の同伴が許可されています。そのため、街中のあらゆる場所で犬と遭遇することになります。
「ティアハイム」の存在
ドイツには、ヨーロッパ最大級の動物保護施設「ティアハイム・ベルリン」があります。施設の総面積は東京ドーム3個以上にも及び、犬や猫だけでなく馬や羊、ウサギ、鳥など多種多様な動物が保護されています。
動物たちの管理には約140人の従業員や600人を超えるボランティアが携わっており、ティアハイムの収入は、基本的に企業や市民からの寄付金などで賄われています。
ドイツのペットに関する法律
ドイツが動物保護の先進国といわれる理由に、本格的な動物保護制度が挙げられます。1933年には「動物保護法」が制定され、1972年には正式な動物保護法が制定されます。そしてその後も何度か内容が改正され、2002年には憲法にも動物保護が導入されました。
犬の保護に関する法律
ドイツには犬に関する様々な法律がありますが、一例として「生後12ヶ月までの犬や授乳中の母犬、病気の犬は鎖に繋いで飼ってはいけない」「長時間の留守番の禁止」「1日最低2回、計3時間以上は屋外に連れ出さなければいけない」などがあります。犬によって使用するケージやサークルのサイズも数字で詳細に定められています。
違反者にはペナルティも
違反が続くようであれば罰金などの罰則が科せられ、犬の飼い主には正しい飼育が不可能と判断されれば犬は施設で保護されることになります。
ドイツには「犬税」がある
ドイツでは世界の中でも数少ない「犬税」を設けています。犬税は1810年に制定され、現在ほとんどの自治体で導入されています。税率設定は市町村によって異なりますが、一般的に徴収された犬税は犬のために使われるわけではなく、一般財源となります。
犬税を設けることは、犬を多頭飼育しようとする人々の増加や安易に犬を飼おうとすることに対する抑止力となり、結果的に犬の保護に繋がっていると言えます。
ペット先進国ドイツの犬事情から学べること
日本でも、人と動物が共生する社会を実現するために、動物愛護管理法が改正されたり、様々な愛護団体が動物保護に取り組んでいます。殺処分される犬猫の数も減少傾向にありますが、まだ改善しなければいけない課題も多くあります。ドイツの先進的な動物保護活動からは、多くのヒントが得られるのではないでしょうか。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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