【獣医師監修】愛犬が目を合わせてくるときの気持ちとは?すぐ目をそらす心理についても
愛犬に上目遣いで見つめられたら、キュンとしてしまいますよね。犬が飼い主さんに目を合わせる場合は愛情表現の場合が多いですが、何かを訴えるために一生懸命見つめていたり、不安や警戒心から見つめていることもあります。
今回は、犬が目を合わせてくる理由と、目が合ったあとすぐにそらすときの心理を解説します。
目次
愛犬が目を合わせてくる理由|愛情表現
犬が穏やかな表情で飼い主さんを見つめるときは、愛情や信頼の表れと言って良いでしょう。このときは目を細めていたり、笑顔のように口角が上がっていることもあります。飼い主さんと良好な関係が築けている証と言えますね。
見つめあうと「幸せホルモン」が増える
麻布大学で行われた研究では、犬と飼い主さんが見つめ合ったときに、飼い主さんの脳からオキシトシンというホルモンが分泌されることが明らかになっています。
オキシトシンは「愛情ホルモン」や「幸せホルモン」と呼ばれるホルモンで、女性が出産や授乳のときに分泌されるホルモンです。犬と見つめ合ったときの飼い主さんのオキシトシンは3倍以上に増加することがわかっています。
オキシトシンの効果
オキシトシンには癒しや幸福感をもたらしたり、ストレスの軽減、身体の痛みを和らげる、記憶力の向上などの働きがあると言われています。
犬にもオキシトシンは増えている
飼い主さんが犬の目を見つめたり、話しかけたり、お世話をすると犬にもオキシトシンが増えることがわかっています。見つめ合ったり触れ合うことで、お互いのホルモンが分泌し合い、絆を深めていくことができるのですね。
愛犬が目を合わせてくる理由|なにかの要求
リードをくわえて飼い主さんを見つめたり、おやつの保管場所に行って飼い主さんを見つめているときなどは「お散歩に行きたい」「おやつが欲しい」と要求しているのかもしれません。
気を引くために吠えたり、いたずらをするのは良くありませんが、目を合わせてじっと待っているのであればおりこうさんと言えるでしょう。
要求の受け入れすぎには要注意
犬にキラキラした目で見つめられると、つい要求に答えてあげてあげたくなります。しかし、犬の要求に応じてその都度おやつを与えたり、お散歩に行ってしまうと要求はどんどんエスカレートし、次第に要求が通らないと無駄吠えなどの問題行動を起こすようになります。わがままな要求でじーっと見つめてくるときは、少し心苦しいかもしれませんが、目を合わさないようにしましょう。
愛犬が目を合わせてくる理由|不安や警戒心、敵意がある
犬は不安や警戒心、敵意があるときも目を合わせることがあります。
不安や警戒心
犬は不安を感じたときや、警戒心から目を合わせてくることがあります。例えば、飼い主さんが爪切りの準備を始めたときや、お風呂場でシャンプーの準備を始めたときなどは「これから嫌なことをされるのでは」と察知し、飼い主さんの次の行動を観察するために見つめます。
敵意がある
犬が信頼関係を築けていない相手の目を見つめるときには、威嚇の意味があります。このとき、犬はにらむように見つめながら、鼻の頭にシワを寄せたり、うなり声をあげることもあります。犬同士であればお互いが緊張状態になり、ケンカが始まってしまうので、リードを短くしたり抱っこをしてクールダウンさせましょう。人間が相手の場合も、トラブルになる前に適切な対処をしなければなりません。ほかのことに注意をそらし、威嚇している対象から引き離さなければなりません。
飼い主さんをにらむように見つめるときは
飼い主さんと良好な関係が築けているにもかかわらず、触ろうとするとにらんだり、嫌がったり、うなる場合には、身体のどこかに痛みや違和感を感じているのかもしれません。怪我や病気の疑いがあれば、早めに動物病院を受診しましょう。
また、信頼関係が構築できていないために目を合わせてくる場合もあります。過去に犬が嫌がることを強いたり、何か嫌な経験があったのかもしれません。基本的なしつけを見直したり、コミュニケーションの時間を増やして犬との絆を深めましょう。
目が合ってもすぐにそらす場合
犬の視線を感じたときに見つめ返すと、すっと視線をそらすことがあります。その理由は状況にもよりますが、次のようなことが考えられます。
気持ちを落ち着かせようとしている
飼い主さんの帰宅時など興奮状態にあるときは、「飼い主さんに飛びつきたい」「吠えたい」という自分の気持ちを落ち着かせるためにわざと目をそらすことがあります。これは、ほめてあげたい行動ですね。
敵対心がないことを示している
先述したように、犬にとって相手の目を見つめるということは、敵意をもっていたり、ケンカを売っているというケースもあります。「あなたに敵対心はありません」「ケンカをするつもりはありません」という気持ちの表れで、目が合うと自分から視線をそらすことがあります。
愛犬が目を合わせてくる理由を理解しよう
犬は愛情表現や要求のために目を合わせてくることもあれば、警戒心や敵意から相手の目を見つめることもあります。日常的に愛犬の行動や表情をよく観察し、どんな気持ちでいるのか考えることで愛犬の気持ちが更にわかるようになり、より絆が深まることでしょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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