醤油は犬にとって危険な調味料!体重と塩分量の関係
日本の代表的な調味料である「醤油」は日本人にはなくてはならない調味料と言っても過言ではありません。しかし犬にとっては、とても危険なものと言えます。その理由は醤油に含まれる「塩分」です。舐めてしまっただけでも中毒症状が現れるケースがあります。そこには、犬の体重と舐めてしまった醤油の量が大きく関係してくるのです。
この記事では、醤油が犬にとって危険な理由と、万が一舐めてしまったときの対処法についてご紹介します。
犬に醤油の味付けは必要なの?
犬は人とくらべると嗅覚は発達しているものの、味覚はあまり発達していません。犬が食べ物を食べるときは、まず鼻で香りを嗅ぎます。次に食べ物を口に入れ、食べ物を噛み食感を感じます。その後に味覚を感じると言われています。
このことから犬にとって味覚はあまり重要視されていません。犬にとって醤油の味付けは、本当に必要なのでしょうか?
醤油は何からつくられているか
醤油の主な原料は、大豆と塩・小麦です。この3つは、普段から食べ物として利用されているもので、人間の食事においては特に害はありません。犬の食べ物としても特に害があるようなものではありません。
しかし量に問題があります。醤油には多くの塩が使用されているため、「塩分」が大きな問題となってきます。
犬が1日に必要な塩分量は体重で変わる
成犬が1日に必要とするナトリウムの量は、体重1kgあたり25~50mgといわれています。この量を塩分に換算するとおよそ体重1kgあたり0.127gとなります。たとえば体重10kgの犬なら1.27gの塩分が必要ということです。小型犬になれば体重が少ないので、より少量の塩分量となります。
人間と同じような感覚で使用してしまうと過剰摂取になってしまう可能性があります。
少量でも舐めてしまったら中毒症状を起こす?
もしも犬がこぼれた醤油を舐めてしまったら、どうなってしまうのでしょうか?ここからは、犬の体重別塩分許容量や中毒症状についてご紹介します。
舐める量によっては命に関わることも
犬の体重、舐める量によって大きく変わってきます。あくまでも目安ですが、体重1kgあたりおよそ2〜3gの塩分をとった場合、中毒症状が現れます。もしも体重1kgあたり4gを超える塩分をとってしまったら、命に関わる危険もあります。
上記の量はあくまでも目安です。犬によっては、ほんの少量でも中毒となってしまうことがあります。その日の体調によってもかわります。
中毒症状とは
塩分過剰の中毒症状には、次のようなものがあります。
塩分過剰の中毒で見られる症状
- 下痢
- 嘔吐
- けいれん
- ふらつき
- 様々な神経症状
- 呼吸困難
症状はこれだけではありません。大量の塩分が体内に入ることで、腎臓がフル回転しなければならず、大きな負担がかかってしまいます。
また腎機能が低下している犬や体力がない犬は、たとえ少量であっても中毒症状や命に関わることもあります。
愛犬に心臓疾患や肝臓疾患がある場合は更に注意が必要
心臓や肝臓に疾患のある犬が醤油を摂取してしまうと疾患症状が悪化してしまう可能性があるので舐めさせてはいけません。
塩分を沢山摂取すると体内に水分を溜め込むようになってしまいます。血液量が増えることから心臓に負担がかかります。
また、腎臓疾患では塩分の排出を司る臓器のため、塩分量が増えると負担をかけるようになってしまいます。心臓疾患と腎臓疾患はお互いに関係してきやすいため、より体調を悪化させてしまう可能性があります。
愛犬が醤油を舐めてしまったときの対処法
もしも愛犬が醤油を舐めてしまったとき、一体どうしたらよいのでしょうか?ここからは犬が醤油を舐めてしまった時の対処法についてご紹介します。
すぐに病院へ行く
まずはどれだけ醤油を舐めたか確認をします。少量であった場合は、中毒症状がでないこともありますが、念のため、かかりつけの病院に連絡し相談してみましょう。
塩分を過剰摂取した犬は、体内の塩分濃度を低下させるためにいつもよりたくさん水をのむことがあります。新鮮な水をたっぷりと用意しましょう。
犬によっては、元気そうにみえても、急に具合が悪くなることもあるため、目を離さず様子をみます。もしも先述したような症状が現れたなら、すぐに治療をうける必要があります。
無理に吐かせることはとても危険
犬が誤飲したとき、塩をなめさせて吐き出させるという方法が以前はありました。しかし醤油を舐めてしまった時にこの方法を決しておこなってはいけません。そもそも塩分の過剰摂取により症状が出ているのに、さらに塩を舐めさせるということは危険きわまりないことです。
実際、この方法で犬が死亡したという事例もあります。絶対にやめましょう。吐かせる処置をする場合は必ず動物病院を受診し、獣医師の判断のもと行なってもらうようにしてください。
逆に塩分の控えすぎも良くない
上記の解説で醤油などの塩分が沢山含まれる食材を犬に与えることは良くないことが分かりましたよね。ただここまで聞くと「犬に塩分は絶対ダメ!」と怖くなってしまいがちですが、塩分は犬が生きていくうえで必要な栄養素でもあります。逆に塩分を控えすぎてしまうと、低ナトリウム血症という状態に陥ってしまいます。こちらもひどい場合には死に至る症状ですので、塩分摂取は「適度に」を心がけることが大切です。
醤油は管理に気をつけよう
犬の塩分過剰はとても危険なことです。醤油を舐めることなんてないといった油断は禁物です。醤油そのものを舐めることはないにしても醤油が入ったものを食べてしまうことがあるからです。人が食べるおせんべいや佃煮といった食べ物にもたくさんの醤油が使われています。普段から人の食べ物を愛犬に与えることはやめましょう。また盗み食いなどでも食卓の食べ物を犬が食べることないように気を付けることも大切です。
<参考文献>
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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