犬のため息にはどんな意味があるの?考えられる4つの理由や対処法
「ふと気がつくと愛犬がため息をついている…」なんてことはありませんか?
犬も人同様にため息をつきますが、ため息を聞くと「何か嫌なことがあったのかな」「ストレスが溜まっているのかな」と思ってしまいますよね。
しかし、その理由は嫌なことがあったり寂しかったりといったネガティブな意味だけではありません。
今回は、通常の鼻息とため息の違いやため息をする4つの理由、その対処法についてご紹介します。
犬のため息とは?
私たち人間は、会社で嫌なことがあったり恋人とケンカをしたりと、気分が落ち込んでいるときに「はぁ~」とため息をつきますよね。
ワンちゃんも人と同じようにため息をつくんです。
しかし、犬のため息は人間とは少し違います。
どう違うのかその特徴を紹介します。
犬のため息の特徴
犬は、口からではなく鼻から大きく長いため息を出します。
ため息は「ふぅ~」と長めだったり、「ふっ」と微量だったりとさまざまです。
では、ため息と普通の鼻息にはどんな違いがあるのでしょうか?
鼻息との違い
通常の鼻息とため息を見分けるときは、吐くときの呼吸量をチェックしてみましょう。
鼻息の場合、「吸う量=吐く量」と大体同じくらいです。
一方でため息は、「吸う量<吐く量」と吐く方の呼吸量が多くなります。
このように呼吸量で見分けるとわかりやすいため、ぜひ聞き比べてみましょう。
犬がため息をつく理由4つ
「ため息をついているけど、愛犬が落ち込んでいるんだろうか…」と不安に思う飼い主さんも多いでしょう。
実は、犬のため息の意味は人間とは違い、ネガティブなことばかりではありません。
幸せ・寂しさ・嬉しさなど、ため息をつく理由はさまざまです。
喜んでいるのか、不安がっているのかを見極めるときは、愛犬の顔つきや尻尾を振っているかなどのボディランゲージをチェックしてみましょう。
犬がため息をつく理由を、1つずつ詳しく紹介します。
リラックス・満足している
ひとしきり遊んで眠る前や、飼い主さんの横で安心しているときなど、リラックスしている状態のときに犬はため息をつきます。
リラックスしているときは、伏せの状態や寝転がった状態で幸せな表情を浮かべていることが多いです。
眠たそうにしているときは、構わず放っておいてあげましょう。
また、散歩に連れて行った後や食後、たくさん遊んであげた後などに満足した気持ちからため息がでることもあります。
これは、お腹いっぱい食べたあとに人間が「ふぅ~」とため息をつくのと同じことです。
このため息は無意識状態でしているため、特に気にする必要はありません。
リラックス・満足しているときは、長めで深いため息が多いでしょう。
不満やストレスを感じている
構ってもらえなくて寂しい、一人の留守番が怖いなど、不満やストレスがため息の原因になっているかもしれません。
雨が続き散歩に行けない、飼い主さんが仕事で忙しくて構ってもらえないなど、がっかりした気持ちからため息がこぼれてしまうのです。
このようなネガティブなため息は、私たち人間がため息をつくときと同じ理由でしょう。
しかし、ただ落ち込んでいるというわけではなく、明るい気持ちに切り替えようとため息をつくこともあります。
ため息には、自分の気持ちを上手くコントロールする役割もあるのです。
不満やストレスが原因のときは、体がこわばっていたり、足を噛んでいたりと何かしらの行動が見られるでしょう。
そんなときは、運動不足ではないか?コミュニケーションはとれているか?など、愛犬との接し方を見直してみてくださいね。
身体の不調を感じている
ケガをしている、どこかが痛いなど体の不調を感じているときも、犬はため息をつきます。
この場合は、震えていたり、食欲がなくなっていたりと何かしらの症状が現れているはずです。
普段と様子が違うときは放置せず、病院へ行き獣医さんに相談してみましょう。
また、病気ではなく疲れが原因の場合もあります。
「愛犬と一緒に旅行に行っていた」「ドッグランで一日遊ばせた」など、犬の疲れに思い当たることがあるときは、ゆっくり体を休ませてあげてください。
しかし、ずっとぐったりしているという場合は、できるだけ早めに病院へ連れて行きましょう。
飼い主の気を引きたがっている
「遊んでほしい」「構ってほしい」など、飼い主さんに注目してもらいたくてため息をつくこともあります。
この場合は、「ため息をついたら構ってもらえた!」という経験から学習し、ため息をついているのかもしれません。
意図的なため息は、見つめながらため息をついていたり、飼い主さんの足にアゴを乗せながらため息をついていたりと、わざとらしさが見受けられます。
かわいさからつい構ってしまいがちですが、一度学習すると癖になってしまうためあまり反応しない方が良いでしょう。
注意が必要な犬のため息
ため息のなかには注意が必要なものもあります。
病気やケガが隠れている可能性もあるため、日頃から愛犬をしっかり観察することが大切です。
愛犬からのSOSを見落とさないためにも、注意が必要なため息を確認しておきましょう。
ため息が息切れのように見える
息切れをしているかのようなため息には、注意が必要です。
ため息が鼻からでているのではなく口からでている場合は、ため息ではなく口を開けたまま呼吸をする「開口呼吸」の可能性があります。
犬は通常、暑いときや興奮しているときにも開口呼吸をしますが、暑さから熱中症になっている場合もあるため開口呼吸には注意しましょう。
安静にしているときや、少し動いただけでも開口呼吸をしている場合は、息苦しさがあったり呼吸がしにくくなったりしているかもしれません。
また、心臓や肺、呼吸器などの病気が進行していて、息切れのようなため息をついているという可能性もあります。
病気の早期発見をすることが長生きに繋がるため、日頃から愛犬の異変は見逃さないようにしましょう。
ため息の回数が多い
犬種によってため息をつきやすい子もいます。
しかし、一日に何度もため息をついているときは、病気だけが原因ではなく精神的なストレスが原因かもしれません。
犬がため息ばかりつく理由はいくつか考えられます。
- あまり散歩に行けていない
- コミュニケーションが取れていない
- 違う家に引っ越した・家族が増えたor減った
「つまらない」という顔つきでこちらを見ながらため息をついているときは、寂しさや不満からきていることが多いでしょう。
また、落ち込んでいて塞ぎがち、目がうつろになっているなど元気がなくため息ばかりついている場合は、うつ病になっている可能性もあります。
身体的な問題がないときは、犬のストレスを軽減させてあげたり、たくさんコミュニケーションをとったりと愛犬との関係性を見直すようにしましょう。
愛犬のストレスは、早めに解決することが大切です。
ため息の原因が身体的か精神的なことか見分けがつかないときは、一度獣医さんに相談してみてください。
ため息をついて寝てばかりいる
ため息をついて寝てばかりいる場合は要注意です。
強いストレスやイライラなどの気持ちから、塞ぎ込んでいるという可能性もありますが、体の痛みや苦しさなどの不調が原因かもしれません。
食欲がない、かけ声に反応しないといったときは、すぐに病院へ連れて行ってください。
普段からしっかり愛犬の行動を観察することで、病気の発見もしやすくなるため意識しながら過ごしてみましょう。
ため息をつきやすい犬種
ワンちゃんのなかには、ため息をつきやすい犬種もいます。
- パグ
- ボストンテリア
- フレンチブルドッグ
上記のワンちゃん達は「短頭種」と呼ばれる犬種で、頭蓋骨の長さと比べて鼻がとても短くペチャっとしているのが特徴です。
短頭種は、生まれつき鼻や喉の通りが狭く呼吸がしづらいため、ため息が多くでます。
しかし、ため息と一緒に鼻水がたくさんでてくるときは、鼻腔狭窄という病気が隠れている可能性もあるため注意しましょう。
また、短頭種は鼻や咽頭部分に問題がでやすい犬種です。
病気のサインにいち早く気づくためにも、呼吸の仕方や鼻水の量など愛犬の異常に早めに気付くことが重要になってきます。
いびきをかいていたり、チアノーゼがみられたりするときは、呼吸困難になっている可能性もあるため、症状が見られたときはすぐに病院へ行きましょう。
犬のため息への対処法
ため息の原因は、幸せな気持ちやストレス、病気などさまざまです。
「愛犬のため息が気になる…」という場合は、放置せずこれから紹介する2つの対処法を試してみてください。
ストレスを解消させる
ため息の原因がストレスの場合は、ストレスの原因を探ることからスタートしましょう。
コミュニケーション不足、環境の変化、運動不足、留守番が多いなど思い当たることはありませんか?
ストレスを放置してしまうと、食欲不振や脱毛などの症状がでたり、攻撃的になったりしてしまいます。
まずは、ストレスの原因を探り解消してあげましょう。
ストレスを解消させる方法は、いろいろあります。
- 散歩量や遊ぶ時間を増やす
- ブラッシングやマッサージなど、スキンシップ時間を作る
- お留守番の際は、知育トイを用意して暇な時間を少なくする
ため息の原因が今の飼育環境にある場合は、一人で静かに過ごせる場所を提供したり、快適に過ごせるように配慮したりすることが大切です。
愛犬のストレスの原因を探り、さまざまな方法で対処してみましょう。
獣医師に相談する
いくら考えても原因がわからないときは、獣医さんに相談するのがおすすめです。
病院で検査やヒアリングをしてもらえば、愛犬の病気やケガが見つかるかもしれません。
また、愛犬の行動や飼い主さんとの過ごし方を獣医さんに話すことで、愛犬のストレスの原因が発覚することもあるでしょう。
一人で悩んで不安なときは、専門家に相談するのが一番です。
病気の早期発見につながることもあるため、愛犬の様子がいつもと違うときや不安なときは、一度獣医さんに相談してみましょう。
まとめ
犬はリラックスしているときや満足しているときに、ため息をつくことがあります。
逆にストレスや体調不良が原因の場合もあるため、日頃から愛犬をしっかり観察することが大切です。
ため息の原因がわからない場合は、表情やボディランゲージに注目してみてください。
嬉しいときは幸せそうに、不満なときはつまらなさそうにしているはずです。
一つ一つの仕草をしっかり見ていると、愛犬の気持ちに気づきやすくなるでしょう。
この記事のライター
42ba
動物が大好きで、小さいころから犬や猫などいろいろな子たちと暮らしてきました。犬好きの皆さんのタメになるような情報をお届けできたらと思います。
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