ライカってどんな犬種グループ?ライカの歴史や特徴、代表犬種や飼育の仕方をご紹介
「ライカ」という犬種をご存知でしょうか。ジャパンケネルクラブ(JKC)には登録されていませんが、国際畜犬連盟(FCI)においては3つの犬種が公認されています。ここでは、ライカの歴史と特徴、ライカの代表犬種、ライカを飼うときに気をつけるべきことについて解説します。
ライカってどんな犬種グループ?
ライカの歴史と特徴についてご紹介します。
ルーツや歴史
ロシア原産のライカは、古くから旧ソビエト連邦の土着犬として人々と生活を共にしていました。狩猟犬として優れた能力を持ち、山岳地帯や森林に生息するミンクやカワウソ、クマなどの狩りの頼もしいパートナーで、雪山などの厳しい環境でも果敢に獲物に襲い掛かります。
ライカの特徴
ライカにはいくつもの種類がありますが、いずれもサイズは中型です。頭蓋は広く、口吻はやや尖っており、目がアーモンド型のスピッツタイプの顔立ちです。三角で先端の尖った立ち耳で、尾は巻いています。
被毛は柔らかく密生したアンダーコートと、太く長いオーバーコートから成るダブルコートです。毛色はブラックやグレー、ホワイトベースにブラックのマーキングなどが見られます。
ライカを飼うときに気をつけるべきことは?
ロシアで狩猟犬として活躍していたライカを日本で飼育するには、次のようなことに注意しましょう。
子犬期から十分にしつけておく
ライカは警戒心が強く、他の動物や見知らぬ人に対して攻撃的になることがあります。子犬期からきちんと服従訓練を行うことが大切です。
正しくしつけることで、主人に従順で忠実なパートナーになります。
十分に運動させる
狩猟犬として活躍してきたライカは非常にエネルギッシュで、毎日多くの運動を必要とします。激しい運動は必要としませんが、最低でも一日一時間以上、毎日お散歩に出かけましょう。
暑さに注意
極寒の地で誕生したライカは、高温多湿な日本の気候が苦手です。熱中症には十分注意しましょう。
身体に熱がこもることを防ぐために、定期的なブラッシングで不要になった被毛を取り除いたり、散歩はなるべく涼しい時間帯を選ぶなどの工夫をしましょう。
暑さ対策についてくわしくはコチラ!
ライカの代表犬種3種
現在、国際畜犬連盟加(FCI)で公認されているライカはラッソ・ヨーロピアン・ライカ、ウエスト・シベリアン・ライカ、イースト・シベリアン・ライカの3つの犬種です。3犬種についてご紹介します。
ラッソ・ヨーロピアン・ライカ
3つのライカ犬種のうち最後に認定されたラッソ・ヨーロピアン・ライカは、他の2つのライカ犬種を補完する資質を備えているとされています。よく吠える傾向にあるので、見知らぬ人だけでなく飼い主に対して吠えることもあります。興奮しやすい一面もあり、他のペットと同じ環境で飼育すると攻撃する可能性もあるので、単独での飼育がおすすめです。毎日十分な運動をさせてあげられる環境が必要になります。
毛色は黒地に白、もしくは白地に黒であり、黒一色や白一色の犬も存在します。
原産国やルーツ
ロシア北部で育種されてきたと考えられており、1940年代以降、狩猟犬として圧倒的な人気で繁殖されました。
身体のサイズ
- オスの体高:52~58㎝
- メスの体高:48~56㎝
- 体重:20~23㎏
ウエスト・シベリアン・ライカ
ウエスト・シベリアン・ライカはロシアでは最もポピュラーな狩猟向け品種です。多彩な能力を持つ犬であるため、牧畜犬や牽引犬としても活躍します。ヘラジカや熊のような大型の動物の狩猟時に用いられました。家族に対しては友好的で穏やかな性格をしていますが、警戒心が強いため番犬としても活躍します。運動能力が高く、思いっきり走り回れる環境での飼育が望ましいです。
毛色はホワイト、ペッパーアンドソルト、レッドアンドグレイなどの他、3色から成るパーティカラーの犬も存在します。
原産国やルーツ
ロシアのウラル地方や西シベリア付近で育種されてきたと考えられています。
身体のサイズ
- オスの体高:54~60cm
- メスの体高:52~58cm
- 体重:18~23㎏
詳しくはこちらの記事をチェック
イースト・シベリアン・ライカ
イースト・シベリアン・ライカは飼い主に対しては忠実ですが、大きな獲物に対して強い攻撃性を示します。見知らぬ人には警戒心を抱くので番犬としての能力も優れています。狼のような見た目とは裏腹に、性格は穏やかなので家族として頼もしいパートナーになってくれるでしょう。
毛色にはブラック、ブラックアンドタン、ブラックアンドホワイト、ホワイト、ホワイトアンドパッチなどがあります。
原産国やルーツ
ロシアのバイカル湖やアムール川付近で育種されてきたと考えられています。トナカイやクマなど大型の動物の狩猟や犬ぞりなどの作業犬として活躍し、1947年に犬種として確立しました。
身体のサイズ
- オスの体高:57~64cm
- メスの体高:53~60cm
- 体重:18~23㎏
ライカを飼育するには
ライカを飼育するには十分に運動できる環境や、しつけに関する知識、豊富な経験が必要です。
猟犬としての気質や運動量の多さなどからも初心者には不向きな犬種であるため、もし迎え入れることを検討するのであれば、犬種の特徴や性質についてよく調べておきましょう。
ロシアの犬事情に関する記事はこちら
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
希少犬に関する記事
犬の生態/気持ち
【希少犬種】イーストヨーロピアンシェパードの基本情報|性格から平均寿命まで
シェパードと聞くと、ジャーマン・シェパードやホワイト・スイス・シェパードを思い浮かべる方も多い...
2022年12月11日
犬の生態/気持ち
ラポニアン・ハーダーって知ってる?歴史や特徴、性格から飼い方まで
ラポニアン・ハーダーという名前の犬をご存知でしょうか?黒い柴犬にも少し似ているような気がする外...
2022年12月9日
犬の生態/気持ち
世界最古の犬種【グリーンランド・ドッグ】って知ってる?エスキモーと暮らしてきた希少犬の歴史
【グリーンランド・ドッグ】という犬種をご存知でしょうか。日本ではほとんど見られない希少犬で、な...
2022年12月8日
犬の生態/気持ち
ライカってどんな犬種グループ?ライカの歴史や特徴、代表犬種や飼育の仕方をご紹介
「ライカ」という犬種をご存知でしょうか。ジャパンケネルクラブ(JKC)には登録されていませんが...
2022年12月8日
犬の生態/気持ち
牧羊犬「プーミー」について|日本でなかなか見ることができない珍しい犬種の生態に迫る!
プーミーという犬種を皆さんはご存知ですか?日本でプーミーを飼っている人は非常に少なく、ジャパン...
2022年12月4日