犬の里親情報はブログで収集!保護犬の現状を知って選択肢の幅を広げる
犬の里親の仕組みをどれくらいご存じですか?最近では犬の里親になるという選択肢が認知されてきましたが、それでも現状をよく知っている人はそれほど多くありません。犬の里親を知ることは保護犬の現状を知ることであり、人の手で消されていくひとつひとつの命と向き合うことでもあります。 犬を迎えたいと思われている方に里親ブログをご紹介しつつ、この記事をきっかけに里親を選択肢としていただけると嬉しく思います。
犬の里親ブログではどんな情報が知れる?
ネット上に、保護犬の里親ブログを運営している人がたくさんいます。個人で活動されているところもあれば、NPO法人として運営されている大規模なところもあります。
まずは、里親ブログでは一体どんな情報を知れるのか見ていきましょう。
里親ブログの中の保護犬達
里親ブログで里親を求めている犬達は、すべてが保護犬です。
保護される経緯はそれぞれですが、現在の保護犬のほとんどが一度は家族として人間と暮らしていた犬達です。近年保護される犬のほとんどが、かつてはペットショップで高額な金額で買われたであろう純血種なのです。
ひとりで街をさまよい、保健所で何カ月も飼い主を待ち、殺処分寸前になって保護団体に引き出された犬や、世話ができないからと持ち込まれた病気の老犬など、人間のエゴに翻弄された犬達が多くいます。
ペットショップの裏側で働く繁殖犬
犬を家に迎えようと考えた時、多くの方がペットショップで子犬を購入することを考えます。確かにペットショップはアクセスも便利で頻繁に足を運べますし、色んな犬種の子犬たちは無条件に可愛くて、一度その手に手渡されたら「そのまま連れて帰りたい」と誰もが思うことでしょう。
しかし、その可愛い子犬がペットショップにやってくるまでに、一度も外を歩いたこともなく狭いゲージで何年間も過ごし、交配と出産を繰り返して、最後には放棄される母犬や父犬が存在することをご存知でしょうか。
そんな残酷な繁殖をおこなうブリーダーを一般に「悪徳ブリーダー」と呼びます。里親ブログを運営する保護主さんは、悪徳ブリーダーや多頭飼い崩壊したブリーダーから犬を引き取り、新しい犬生を歩かせるために里親を探しています。
犬の里親になるための心構えとは
保護主さんのもとにやって来た保護犬は、避妊/去勢手術をしたり病気の治療をしたりすることもあります。そして、新しい犬生を生きるために優しい里親が現れるのを待っています。
里親になるためには厳しい基準が
保護犬の里親になるには、時に「厳しすぎる」といわれるほどの譲渡基準をクリアする必要があります。
まず、ペットが飼える住居であること、必ず室内で飼うこと、独身者や犬の後見人がいない高齢者はNG、犬の登録や狂犬病・その他の予防接種の厳守、譲渡先の住居内確認など。基準があることを知らずに訪れた譲渡希望者に「なぜそこまでしなければならないのか」と保護主さんが詰問されることも少なくありません。
里親になるのに譲渡費用はありません
保護犬を新しい里親に譲渡するのに譲渡費用はかかりませんが、保護してからの去勢・避妊手術代や血液検査費用などの実費は負担しなければなりません。
それでも中には里親ブログを見て、ペットショップより格安だからという理由で引き取るという人もいます。里親ブログは犬の飼育を斡旋(あっせん)するブログではありません。
二度と同じ悲しみを与えないために
譲渡される保護犬は、それぞれに一度は以前の飼い主と別れた過去を持っています。里親ブログに掲載されている保護犬はどの子も可愛いらしいですが、身体と心に傷を負っている子も少なくありません。
今まで辛い思いをしたり酷い扱いを受けたりした子たちが、二度と悲しい思いをしないために慎重に厳しく里親になる人を選ぶ必要があるのです。
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編集部オススメの犬の里親ブログ
ネット上で検索すると多くの里親ブログが出てきますが、ここでは関東と関西の里親ブログを1件ずつご紹介します。
関東|非営利動物保護団体 ととのん
東京都北区赤羽にある非営利動物保護団体です。「ととのんハウス」では来訪者が保護犬達と直接触れ合うことができます。
譲渡条件が厳しいといわれる保護犬譲渡ですが、ととのんでは独身者や高齢者でも、しっかりと保護犬の生涯を引き受けてくれると確認できた方には譲渡されるようです。(守らねばならない条件はあります。)
また、譲渡先が遠方であっても譲渡可能とされている希少な保護団体さんです。
関西|兵庫 GREEN LEAF 未来を信じて
ここは私事ですが、我が家の愛犬である保護犬ミニチュアダックスのプリンの保護主さんである青葉さんのブログをご紹介します。
個人で保護活動をされている青葉さんは、どこの誰よりも犬を愛するマダムです。次々と保健所や警察から引き取り依頼がくる中、もう限界といいながら、保健所の冷たい檻の中で震えている犬を見ると捨ててはおけなくて、いつも多くの保護犬を抱えて東奔西走されています。
我が家のプリンも警察に保護され3週間お迎えを待ちましたが飼い主は現れず、青葉さんの預かりさんを経て我が家に来てから早2年半が過ぎました。今ではすっかり我が家のアイドル犬になっていますが、今だに散歩で家から遠くに行こうとすると歩かなくなります。抱っこして公園まで行くと歩きますが、帰りは猛ダッシュで走って帰ります。
2年半もの時間が過ぎても、また置いていかれるのでは・・というトラウマが今も残っているのでしょう。
里親ブログをきっかけに知ってほしい保護犬の現状
今では多くの里親ブログが開設されています。その裏側では、保護主さんたちの懸命な救出に向けての努力のおかげで、多くの犬達の命が人の手で抹殺されずに救われています。しかし一方で、捨て犬も繁殖放棄犬もまだまだ後を立たず増え続けています。
もし、今あなたがペットショップで子犬を迎えようとしているのなら、その後ろで悲惨な毎日を強いられている犬達がいることにも目を向けてみてください。そして、その犬たちにも幸せな明日を生きる権利があることを知ってください。いまこの瞬間に人の手で消されようとしているその命も、あなたの命と同じ重さなのですから。
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この記事のライター
ずーこ
動物全般が大好きで現在は猫を飼ってます!犬もだいすきなのでpetanでは犬に関する様々な情報を発信していきたいと思います!!
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