なすは犬にも嬉しい栄養素がたくさん!与え方や注意点、簡単な手作りレシピも紹介
代表的な夏野菜の1つであるなすは、犬に食べさせても問題ない食材です。なすには、さまざまな栄養素が含まれているうえ水分量も多く、上手に与えれば嬉しいメリットが得られます。
そこで今回は、なすの栄養素や適切な与え方や食べさせる時の注意点、簡単レシピなどをご紹介します。なすを使ったご飯を作り、愛犬と一緒に楽しみましょう。
目次
なすは犬に与えても大丈夫!
なすは、夏から秋にかけて出回りますが、夏なすも秋なすも犬にとって有用なさまざまな栄養素が含まれています。美味しいなすを上手に与えるために、まずなすの栄養素を知っておきましょう。
なすの栄養素・成分
なすに含まれている主な栄養素・成分としては、以下が挙げられます。
ナスニン(ポリフェノール)
なすの紫色部分には、ポリフェノールの1種であるナスニンという栄養素が多く含まれています。なすの紫色は、ブルーベリーや赤しそに含まれているアントシアニン系の色素です。強い抗酸化作用があり、皮膚の健康維持をサポートしてくれます。
βカロチン
βカロチンは体内でビタミンAに変換され、病気のもととなる活性酸素を抑え、皮膚粘膜の細胞を正常に保つ働きがあります。また、免疫力を高める役割も担い、犬にとっても欠かすことのできない栄養素です。
カリウム
カリウムは、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあるミネラルの1種です。また、エネルギーの代謝や筋肉の収縮、神経伝達にも関与しています。
葉酸
葉酸は水溶性ビタミンB群の1つで、DNAの合成に大切な役割を果たす栄養素です。また、赤血球を形成する過程にも関与しています。
なすを愛犬に与えるときのポイント
さまざまな栄養成分が含まれているなすですが、与える量や与え方が適切でないと愛犬の健康を損ってしまいます。そのため、犬になすを与える場合の適量・頻度・与え方のポイントを覚えておきましょう。
与える量・頻度
あくまでも目安ですが、犬になすを与える際の適量は、以下とされています。ただし、食べ慣れないものを与えると下痢などを起こすことも考えられるので、最初はこの量よりも少なめに与えて様子を見ることをおすすめします。
また、なすは犬にとって絶対に必要な食材ではないので、与える頻度は週に1〜2回程度にとどめるようにしましょう。
- 超小型犬(3kg程度):10~20g
- 小型犬(5kg程度):20~30g
- 中型犬(10kg程度):35~50g
- 中型犬(15kg程度):60~75g
- 大型犬(20kg程度):80~90g
与え方のポイント
愛犬になすを与える際のポイントをおさえておきましょう。
アク抜きは必要ない
なすのアクの成分はポリフェノールの1種で、犬にとって有害なものではないので、アク抜きをしないで与えても問題ありません。
なすのアクは、カットした断面が空気に触れることで発生するので、カットしてすぐに加熱すれば、そもそもアク抜きは不要です。
火を通してから与える
基本的には、火を通してから与えるようにしましょう。生のなすを犬が食べて中毒症状を引き起こすことはありませんが、生の状態では固いので、消化が悪く胃腸に負担がかかってしまう可能性があります。
そのため、何も味付けをせずに茹でる、蒸すなどしてから与えましょう。また、なすは油の吸収率が高いため、フライパンで焼いてから与える場合は、ごく少量の油で炒めるようにしましょう。
皮ごと与える
抗酸化作用を持つナスニンは皮の部分に多く含まれているので、皮ごと与えても問題ありません。
小さくカットしてから与える
愛犬が食べやすいひと口サイズにカットしてから与えましょう。大きいままだと消化に負担がかかる可能性があります。特に、消化機能が低下してくるシニア犬には、なおのこと消化しやすいように配慮してあげましょう。
犬になすを食べさせるメリットって?
犬になすを与えることには、以下のようなメリットがあります。
血圧の改善
近年、なすに含まれるコリンエステルには、血圧改善効果があることが実証されました。なすには他の野菜の1000倍以上コリンエステルが含まれ、胃や腸などから自律神経に作用し、交感神経の働きを緩やかにすることから、血圧改善効果などがあるとされています。
抗酸化作用による病気の予防
皮の部分に多く含まれるナスニンは、活性酸素の生成を抑える働きがあるので、犬のガン予防に役立ちます。また、血液をサラサラにする役割も担っており、血栓や動脈硬化の予防にもなります。
夏バテ防止
なすは9割以上が水分なので、水分補給に役立ちます。また、なすに含まれているカリウムには、体を冷やす作用もあるので、夏バテ防止にもなります。
なすを食べさせる際に気をつけること
なすを犬に与える時には注意したい点があります。
アレルギー症状が出ていないか確認する
なすを食べて、アレルギー症状が出る犬も稀にいます。なすを食べた後に以下のような症状が現れた場合は、アレルギーであることが疑われます。これらの症状が出た場合は、それ以上与えるのをやめましょう。
- 嘔吐
- 下痢
- 口や目の周り、体の痒みや赤み
- 目の充血
- 元気消失
実の部分以外は与えない
なすの葉や茎には、アルカロイドの1種である「ソラニン」という毒素が含まれているので、絶対に与えてはいけません。ソラニンは、神経に影響を与える毒素で、神経麻痺やけいれんを起こす可能性があります。
どのくらいの量を食べると体調不良になるのかは、現段階ではまだわかっていません。実以外の部分は絶対に与えないようにしましょう。
一度にたくさん与えない
なすは夏バテ防止に役立ちますが、食べすぎると胃腸に負担をかけすぎてしまい、消化不良を起こす場合があります。与える際は少量にしましょう。
なすを使ったおすすめのレシピ
ここでは、なすを使ったおすすめの犬用レシピを2つご紹介します。どれも簡単に作れるので、ぜひ試してみてください!
なすと鶏肉のトマト煮込み
なすやトマトの美味しさに鶏ムネ肉の香りもプラスされるので、愛犬が夏バテ気味で食欲が落ちているときにもおすすめです。
<材料>
- なす:2本(140g)
- トマト:1個
- 鶏ムネ肉:300g
- オリーブオイル:適量
<作り方>
- 食べやすい大きさにカットした鶏肉をオリーブオイルで炒める。
- 一口大にカットしたなすを1に加えて、しっかり炒める。
- トマトをつぶしながら2に加える。水分が足りないようなら水を足して、柔らかくなるまで煮込む。
なすのオイル焼き
油と相性がよいなすは、手軽に作れるオイル焼きがおすすめです。油を使用することで、水溶性の栄養素ナスニンやアントシアニンの流出を防ぐことができます。ただし、油は少量にとどめるようにしましょう。
<材料>
- なす:好みの本数
- オリーブオイル:適量
<作り方>
- 愛犬が食べやすい大きさになすをカットする。
- フライパンにオリーブオイルをしき、焦がさないように中火で炒める。
なすを活用して暑い夏を乗り切ろう
夏の暑い季節になすを上手に愛犬に与えることで、夏バテ防止になります。また、抗酸化作用があるナスニンや免疫力を高める働きがあるβカロテンなども含まれており、生活習慣病の予防にも有用です。
とはいえ、犬にとってなすは絶対に食べないといけない食材ではないので、適量を守って与えるようにしましょう。
また、愛犬の持病によっては、なすのような療法食以外のものを食べることで症状が悪化したり、変化する可能性があるため、持病のあるコはかかりつけの先生に相談してみてくださいね。
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この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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