垂れ耳の犬のお手入れ方法や、垂れ耳の理由。垂れ耳犬の登録数トップ10も紹介
トイ・プードルやミニチュア・ダックスフンドなど垂れ耳の愛玩犬の人気が高まっていますが、そもそも垂れ耳の犬はどうして生まれたのか、垂れ耳はどんな役割をしているのかご存知でしょうか。 今日は垂れ耳犬が生まれた理由や役割について調べてみました。また垂れ耳のお手入れの注意点や人気の垂れ耳犬ベスト10もご紹介します。
垂れ耳犬、なぜ耳が垂れている?
今では愛玩犬の多くが垂れ耳犬ですが、垂れ耳の犬が生まれたのはどのような理由からなのでしょうか。
犬は元々みんな立ち耳だった
オオカミを祖先とする野生の犬や古代から続く犬種は、外敵から身を守るために、耳を立たせることで広い範囲の音を拾い集め、常に周囲の音に注意し危険を察知していました。 厳しい自然を生き抜くには、優れた聴力が必要であったため、その頃の犬はすべて立ち耳だったそうです。
人間と暮らし始めて垂れ耳犬が生まれた
もともと立ち耳であった野生の犬が、人と共に暮らし始め使役犬となったことから垂れ耳の犬が生まれました。人と犬がさまざまな共同作業をする上で、聴覚より嗅覚を使うことが得意な犬が現れました。
それらの犬は嗅覚によって獲物を探す必要があったため、耳からの情報をあまり必要としません。 嗅覚を研ぎ澄ますためには、耳からの情報が邪魔になることから、耳が折れるように改良されたと考えられています。
他にも、人と共に暮らすことで外敵に襲われることもなくなり、危険を感じる警戒心がなくなったことから、耳の筋肉が緩み垂れ耳の犬が生まれたともいわれています。
愛玩犬として改良されたことも垂れ耳の理由
愛玩犬として人と暮らすようになってからは、より人に従順で可愛い容姿を保つように改良され、垂れ耳や丸い大きな目などの幼体が保たれるよう犬種選別が行われたことも大きな理由のひとつです。
垂れ耳犬の耳のお手入れ
垂れ耳は通気性が悪く蒸れやすいので、外耳炎や中耳炎、耳ダニ感染症などの耳の病気にかかりやすいので注意が必要です。
耳のチェックは日々こまめに
垂れ耳の場合は立ち耳に比べると耳の状態がわかりにくいので、日々の耳チェックを欠かさないようにしましょう。
垂れ耳は常に耳穴に蓋をしている状態なので、時々は耳をめくっておいてやるなどして蒸れるのを防いでやる必要があります。
また、イヤーパウダーなどを使って耳の中を乾燥させておくのもいいでしょう。
耳掃除は強くなりすぎないように、やさしくそっと
垂れ耳は立ち耳よりも汚れが多く溜まりやすいので、つい強めに拭き取ってしまいがちですが、あまり強くこすってしまうと耳穴を傷つけてしまうことがあります。 コットンに洗浄液を含ませてそっと優しく拭き取ってやりましょう。
垂れ耳の犬の場合は、耳掃除を兼ねて定期的に動物病院で耳の中を診察してもらうと安心です。
耳の中の毛抜きには注意
垂れ耳は耳の内側に毛が生えやすく、その毛に皮脂や耳垢などがたまり外耳炎などがおこりやすくなります。できれば毛を抜いてやるといいのですが、犬種によっては抜くよりカットするほうが良い場合もあります。
抜き過ぎたり、無理に抜いたりすると耳道を傷つけることがあるので注意しましょう。家庭でできない場合は、無理をせず獣医師さんやトリマーさんにしてもらうといいでしょう。
垂れ耳犬種を紹介!JKC登録件数トップ10
垂れ耳を持つ犬種のうち、JKCの最新登録件数ランキング上位10犬種を紹介します。
抜群人気!トイ・プードル
垂れ耳犬種で抜群の人気を誇るトイ・プードルは、原産国フランス、体高24cm〜28cm・体重〜4kgの超小型犬です。JKCの犬種グループでは愛玩犬(9G)です。
被毛は抜け毛のない細い巻き毛で、単色であることが理想とされていますが、濃淡は認められています。
毛色にはブラック、ホワイト、ブルー、グレー、ブラウン、アプリコット、クリーム、シルバー、シルバー・ベージュ、レッドなどがあります。
常にランキング上位、ミニチュア・ダックスフンド
垂れ耳犬種では常にランキング上位にいるミニチュア・ダックスフンドは、原産国ドイツ、胸囲30cm〜35cm、体重3.5kg〜4.8kgの小型犬です。 JKCの犬種グループではダックスフンド(4G)です。 短足胴長な体型が特徴で、被毛はダブルコートでスムース、ロングヘアー、ワイヤーがあります。
毛色はスムースとロングヘヤーはレッド、レディッシュ・イエローなどの単色と、ブラック&タン、ブラウン&タンの2色があります。 ワイヤーのほとんどは暗いイノシシ色や枯葉色ですが、スムースの色合いも認められています。
独特な風貌、ミニチュア・シュナウザー
長い眉毛と髭の独特な風貌がユニークなミニチュア・シュナウザーは、原産国ドイツ、体高30cm〜35cm、体重7kgの小型犬です。 JKCの犬種グループでは使役犬(2G)です。 被毛はダブルコートで、ブラックのアンダーコートに漆黒のトップコート、ホワイト、ソルト&ペッパー、ブラック&シルバー、などがあります。
鼻ぺちゃのシーズー
鼻ぺちゃで垂れ耳、コロコロした体型が可愛い人気者のシー・ズーは、原産国中国、体高 20cm〜28cm、体重 4kg〜7kgの小型犬です。 JKCの犬種グループでは愛玩犬(9G)です。
被毛は長毛で下毛の厚いダブルコートで、毛色はブラック、ホワイト、ゴールド、ブルー、シャンパンなどの単色や、ホワイトがベースで他の単色が斑になって表れるパーティー・カラーなどがあります。
流行に左右されず人気のマルチーズ
犬種の流行に左右されず根強い人気を誇るマルチーズは、原産国イタリア、体高20cm〜25cm、体重2kg〜3kgの超小型犬です。 JKCの犬種グループでは愛玩犬(9G)です。 被毛はシングルコートで、身体は真っ白な長い被毛で覆われており、鼻先から尾の付け根まで続いています。
毛色は純白が一番望ましいとされています。たまに淡いベージュや淡いレモン色なども見られることもありますが、あまり良しとはされていません。
根強いファンがいるパグ
愛嬌たっぷりの鼻ぺちゃ犬を愛する人は多く、常に安定した人気を保っているパグは、原産国中国、体高25cm〜28cm、体重 6kg〜9kgの小型犬です。 JKCの犬種グループでは愛玩犬(9G)となります。 被毛は短毛のシングルコートで、すべすべした毛並みをしています
短い鼻と皺の多い顔が特徴で、耳は短く巻いたローズ耳と、前に垂れるボタン耳の2種類があります。 毛色はアプリコット、フォーン、シルバー、ブラックなどがあり、ブラック以外ではマズルや顔、耳、前頭部などにブラックが入っているものが多く見られます。
大型犬で断トツ人気、ラブラドール・レトリーバー
大型犬では断トツに人気があるラブラドール・レトリバーは、原産国イギリス、体高 56cm~62cm、体重 30kg~36kgで、体高より体長のほうが長く、筋肉質で頑強な身体をしています。
JKCの犬種グループでは7グループ以外の鳥猟犬(8G)となります。
短毛で毛色は全体がブラックかイエロー、あるいはレバー・チョコレートで、イエローにはレッド・フォックスやクリームがあります。
ディズニー映画に出てきそう、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
ディズニー映画に出てきそうなキュートな顔だちと、大きな垂れ耳が可愛いキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、原産国イギリス、体重5.4~8kgの小型犬で、体高は一般的に30~33cm程度ですが規定はされていません。
JKCの犬種グループでは愛玩犬(9G)となります。
被毛は滑らかな長毛で、毛色はブラック&タン(黒と赤褐色)、トライカラー(赤褐色と黒と白)の3色、ルビー(赤褐色)、ブレンハイム(赤褐色と白)の4種類です。 特にブレンハイムは、頭頂部にひし形の「ロザンジュ」と呼ばれる斑があると高い評価がつきます。
小さな猟犬、ビーグル
ビーグルは、世界的に有名なカトゥーンキャラクター・スヌーピーで一躍人気者になりました。
ビーグルは猟犬の中で最も小さな犬種ですが、鋭い嗅覚と優れた運動能力を持ち、集団で獲物を追いかけます。原産国はイギリス、体高 33cm〜38cm、体重 7kg〜12kg、骨太でしっかりとした身体をした中型犬です。JKCの犬種グループでは7グループ以外の鳥猟犬(8G)となります。
被毛は手入れが簡単な短毛で、毛色はレッド&ホワイト、トライカラーがあり、垂れ耳の代表格といえる犬種です。
洋犬らしさ溢れる、アメリカン・コッカー・スパニエル
ブロンドの豊かな被毛が美しいアメリカン・コッカースパニエルは、原産国アメリカ、体高 36cm~38cm、体重 11kg~13kgの中型犬です。
JKCの犬種グループでは7グループ以外の嗅覚ハウンド(6G)となります。現在は愛玩犬になっていますが、もともとは鳥猟犬として活躍していました。
最も洋犬らしいといわれるアメリカン・コッカー・スパニエルは、少し前の日本でも人気の高い犬種でしたが、運動量の多さや日々の手入れが大変なことからあまり見かけられなくなりました。
被毛は厚いダブルコートで、毛色は単色ではブラック、明るいクリーム、ダークレッドブラウンなどがあります。パーティ・カラーはブラック&ホワイト、レッド&ホワイト、ブラウン&ホワイトなどがあります。
可愛い垂れ耳、日々のチェックで清潔を保ってあげよう
垂れ耳犬は人が犬と共に暮らすようになって生まれた犬種です。垂れ耳になった理由には、猟犬として嗅覚を研ぎ澄ますためや、愛玩犬として可愛さを追求した結果などさまざまな要因がありますが、垂れ耳は立ち耳が人と共存するために変化してきたといえるでしょう。
現在では猟犬などの使役犬の需要が減り、愛玩犬として可愛さを求める傾向にあるので、ますます垂れ耳犬が増えることが考えられます。
見た目には可愛い垂れ耳ですが、常に耳穴が塞がれているので、日々清潔を保つようにしたいものですね。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!