過ごしやすい部屋のポイントとは?犬目線で作るワンランク上の快適空間!
2018年に実施された日本ペットフード協会の「全国犬猫飼育実態調査」によると、『犬の主な飼育場所』を「室内」と回答した人が全体の約8割を超えていました。
そこで課題となるのが、犬が過ごしやすい部屋作り。特にお留守番が多くなりがちな家庭では、犬が安全に暮らせる室内環境を整えることが大切です。
今回は、犬が安心して過ごせるように、犬目線で見たワンランク上の部屋作りのポイントをご紹介します。
目次
犬にとって居心地の良い部屋のポイント3つ
人間にとって快適でオシャレな部屋が犬にとって必ずしも居心地がいいものとは限りません。また、流行しているロータイプのインテリアやガラス製品は、犬にとって危険なものになりかねません。
まずは、犬目線に立った安全かつ居心地の良い部屋作りのヒントをご紹介します。
犬目線【1】ハウスは家族が集まるリビングに
犬専用のスペースであるケージやサークルは、犬が安心できるハウスです。犬にとって家族は群れであり、特に飼い主は大切なリーダー的存在となります。そのため、常に飼い主や家族の気配、匂いを感じられるリビングに犬用のハウスを置くことが推奨されます。
ただし、場所はど真ん中ではなくちょっと隅の方など、犬が落ち着ける場所であることを意識してみてください。群れのそばにいられることで、犬にとっても安心できる居心地の良いハウスとなります。
犬目線【2】室内トイレの場合は消臭に気をつけたい
犬と暮らしているとどうしても気になってしまうのが、家の匂いですよね。特に、室内トイレを設置している場合は、消臭に努めたいもの。ここで注意したいのが、消臭に使用する吹きかけるタイプや置き型の消臭剤です。
犬は、自然界にない匂いや人工的な匂いが苦手です。匂いが気になるからと、1日に何回も部屋の中にシュッシュッとスプレーで消臭剤を噴霧してしまいがちですが、嗅覚の優れた犬にとっては不快かもしれません。
消臭剤に含まれている過度な化学成分でアレルギーや病気を引き起こす場合があるため、消臭にはハーブやアロマなど天然成分のものを、人間が微かに匂う程度の濃度で使用するようにしましょう。こうすることで犬にとっても飼い主にとっても居心地の良い部屋となります。
犬目線【3】床材は滑らない素材のものを選ぶ
大型犬、小型犬、子犬、シニア問わず、居心地よく暮らすために気をつけたいのが床材です。
フローリングの床の場合は、滑らない床材やカーペット敷きにするなど、見た目よりも機能性を重視した床材を使用することがポイントです。最近では、ペット用に開発されたフローリング材や部分的に取り外しができるジョイントマットなど、さまざまな種類の床材が販売されています。
見た目も一般的なフローリング材やカーペットと変わらないオシャレなデザインの床材が豊富に揃っているので、部屋のインテリアと総合コーディネートをすれば、見た目も楽しめます。
犬が安心できる場所に部屋につくってあげよう
犬は寝るとき以外は、室内で自由に過ごさせてあげたいもの。常に自分の居場所があることで、安心して暮らすことができるため、下記に掲げたような専用のスペースを作ってあげることがおすすめです。
サークルを設置して遊ぶスペースを確保
室内で犬を遊ばせる時に、設置しておくと安心できるのがサークルです。寝る場所とは別に、広めのサークルを用意し、遊び専用の場所を確保すると、犬を安心して遊ばせることができます。
また、専用のプレイスペースであることを愛犬に教えることで、ここは安心して自由行動ができる場所だと認識します。 サークルの中には、滑り止め加工された床材を使用し、走ったり飛び跳ねたりしても足腰に負担がかからないようにすることがおすすめです。
犬用ベッドを置いてあげる
犬は、ふかふかの場所が大好きです。人用のソファに横たわっている犬の写真などをよく見かけますが、衛生面の点からも犬専用のソファやベッドを用意してあげた方がいいでしょう。
最近では、さまざまな形状の犬用クッションやベッドが販売されています。また、夏用のクール素材を使用したもの・冬用のボア素材のタイプなど、素材も豊富に揃っているので、季節にあわせて選んであげるのもいいかもしれません。
犬の行動範囲を考えた動線づくり
犬を室内飼いする場合に気をつけなくてはいけないのが、家の中での犬の行動範囲です。家中どこでも移動可能にしてしまうと、思わぬケガをする場合があります。犬が移動できる部屋を幾つかに限定し、それ以外のところへは立ち入りできないようにペットフェンスなどを設置することがおすすめです。
犬立ち入り禁止の場所を作ろう
キッチン、階段、お風呂場など犬が立ち入ると危険だと思われる場所は、犬が立ち入れないようにペットフェンスなどで仕切りをつけるようにしましょう。
犬は、食べ物の匂いや家族の匂いがするところが大好きですが、キッチンには犬にとって危険なものが多く、誤飲や拾い食いなどを防ぐためにも立ち入り禁止にすることがおすすめです。
また、お風呂場や階段も滑る危険性があるので、立ち入り禁止とすることが望ましいと言えます。自由に家の中を歩けるようにしてあったとしても、犬が立ち入り禁止の場所へ行かないような動線作りをしてみてください。
家具の配置は犬目線で
リビングなど犬が自由に行動できる場所では、家具の配置に気をつけましょう。
特に、テーブルや棚などがロータイプの家具の場合は、犬がぶつかったり、置いてあるものを誤飲してしまったりと、思わぬ事故につながりかねません。できるだけ、犬が届かない高さの家具を配置するか、犬の届かない場所に調度品を置くことがおすすめです。
また、大型犬の場合は、家具と家具の間に余裕を持たせ、カラダがぶつからないような気配りも必要です。
犬が移動しやすい通路を作る
犬が立ち入り禁止の場所に行かないようにするためには、犬が動きやすい動線作りをすることが大切です。入ってほしくない部屋のドアは常に閉めておく、間仕切りを上手に利用するなど、自然と犬がその場所を避けるような動線作りをすることがポイントとなります。
犬がいても安全な部屋づくりのポイント3つ
室内で暮らす犬が増えたことから、安全なはずの家の中でケガをする犬たちが増えてきています。思わぬケガから犬を守るために安全な部屋作りをしてあげましょう。
コンセント、電気コードにはカバーを
電気コードは、絶縁体でカバーされていますが、犬がかじってしまうことで、中の銅線が露出してしまうことがあります。電気コードの破損は、犬がケガをするだけではなく、漏電など重大な事故に結びつく可能性があります。そのため、犬が電気コードをかじれないように、電気配線には十分気をつける必要があります。
特に、床を這わせて配線をしている場合は、電気コードを専用のカバーで覆うことが事故を未然に防ぐポイントとなります。また、コンセントにもカバーをして、簡単に犬がいたずらできないようにすることも大切です。
観葉植物は種類によっては危険が伴う
家の中に季節ごとの花を飾ったり、観葉植物を置くことは人間にとって癒しになりますが、犬にとっては思わぬ事故につながる可能性があります。切り花や観葉植物の中には、犬が口にすると危険な植物や花があるので注意が必要です。
特に、紫陽花、スイセンなどの季節の花や観葉植物、また使用する肥料などは犬にとって命にかかわる危険な成分が含まれているため、犬がいる部屋には置かないことがおすすめです。
高いところに要注意
犬にとって安心できるはずの家が、実は危険が多く潜んでいる場所でもあるのです。
例えば、滑るフローリングで足・腰のケガ、ソファや階段から落下することによる骨折の危険性、窓やベランダから転落……など数えればキリがありません。
特に小型犬や子犬、シニアと暮らしている場合には、段差を減らし高いところには登れないように工夫をすることが大切です。
犬が安全に暮らせるように気を付けること
犬が安全に暮らすために、注意したいこととして室温の管理があります。犬は自分でエアコンのスイッチを切ったり、窓をあけることができないため、温度・湿度の管理はしっかり行うことが大切です。また、冷やし過ぎ、暖め過ぎ、脱水には十分気をつける必要があります。
室内で起こりやすい熱中症に注意
年間を通じて快適な気温で暮らす現代は、室内での熱中症や脱水にも注意が必要です。特に暖房を使用する冬場は、人間には快適と感じる気温でも、犬にとっては暑すぎる場合があるため、常に犬の状態に気をくばることが大切です。
ハァハァとパンティングをしていたり、水をいつも以上に飲みたがる場合には、室温を下げる、玄関や廊下に犬専用の涼しい場所を作るなどの工夫をしましょう。
室温管理で注意したいこと
年間を通じて、室温・湿度の管理が必要ですが、熱中症の危険性がある夏場は、特に湿度の管理が重要になります。また、お留守番をさせる場合は、エアコンが停電などで止まるなどのトラブルが起きた場合の対処法も考えておくことが必要です。
さらに、エアコンの風が直接犬のカラダに当たらないように、風向きに注意して設定するようにしましょう。
犬の目線で考えることが快適な部屋づくりの第一歩
犬と一緒に暮らすことで、体調管理がしやすい、コミュニケーションがとりやすいなどメリットが多くありますが、家の中を犬仕様に変更する必要がある、匂いが気になる、抜け毛の掃除が大変などのデメリットもあります。
室内で犬と暮らすためには、さまざまな工夫や準備が必要となりますが、たくさんの癒しを犬は与えてくれます。
ぜひ、今回の記事を参考にして愛犬と一緒にワンランク上の快適な暮らしを送ってください。
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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