【獣医師監修】犬があごをのせる仕草の意味とは?接し方の注意点としつけ方について解説
くつろいでいるときに、愛犬がおもむろに飼い主さんの腕や足・膝などにちょこんとあごをのせてきたり、ベッドや枕の上にあごをのせていることはありませんか?なんとも可愛らしい仕草ですが、この行動にはどのような理由があるのでしょうか。
今回は、愛犬があごをのせているときの心理について解説していきます。
犬があごをのせる仕草に隠された意味とは
愛犬が足の上にあごをのせたままスヤスヤ眠っている、テーブルにちょこんとあごをのせてくつろいでいる。そんな姿はとても微笑ましいですよね。これらの犬のあごのせには、どんな意味があるのでしょうか。
楽な体勢でリラックスできるから
犬にとってあごのせとは、リラックスできる楽な体勢と考えられています。あごのせのポーズのまま眠っている愛犬は、まさにくつろいでいるサインといえますね。飼い主さんの体のどこかにあごをのせることは、伝えたい主張があると同時に信頼している証です。
このほかにも、ベッドや枕などやわらかい物にあごのせをすることがありますが、こちらもリラックスできるからと言われています。
ご飯まだ?のサイン
ご家族で食事をしているときに、テーブルの端っこで愛犬があごをのせてじっと見ているようなときは、みんなが食べているものに興味を持ち、自分も食べたいと思っているサインとも言われています。
料理のいい匂いに誘われて、犬が食べたがるのはよくあることですが、人間が食べるものは犬にとって塩分や糖分が多すぎます。食べてしまうと中毒症状を引き起こすことがあるので、欲しそうにしていても与えないようにしましょう。
信頼感や安心感がある
飼い主さんの体の一部に愛犬があごのせしてくるのは、甘えたい気持ちの現れです。犬にとってあごのせは落ち着くポーズなので、飼い主さんの腕などにあごをのせたままウトウトしているときは、安心しているというサインです。
愛犬があごをのせてきたら、撫でてあげたり優しく話しかけたりして、愛犬の甘えたい気持ちを満たしてあげましょう。
甘えさせてほしい
膝や体のどこかにあごのせをしたまま飼い主さんをじっと見つめてくるケースもあると思います。これは、大好きだよと伝えているサインであると同時に、甘えさせてほしいサインです。
体を預けることで信頼を、じっと上目遣いで見つめてくるのは、甘えたいなというアイコンタクトとされています。愛犬があごのせと同時に上目遣いで見つめてきたら、甘やかしてあげましょう。撫でたりマッサージなどのスキンシップをしたりするのも効果的です。愛犬とのゆったりした時間を一緒に過ごしましょう。
かまってほしい
勉強をしているときや、仕事でパソコンに集中しているときなどに愛犬があごをのせてくる場合は、自分の存在をアピールして気を引こうとしていることが考えられます。
子どももお母さんにかまって欲しいときに、ちょっかいを出したりすることがありますよね。それと似ているシチュエーションと言えるでしょう。愛犬が寂しがっていることもあるので、コミュニケーションをとることが大切です。
ベッドや枕にあごのせしていることも
飼い主さんの体にだけでなく、愛犬のお気に入りのぬいぐるみやベッドにあごをのせていることもよくあります。これは柔らかい触感が心地よく、リラックスしている状態と考えられています。
また、あごをのせるのにちょうどいい高さであることから、ベッドにあごをのせて寝ている犬もよくいます。くつろいで休んでいるサインなので、邪魔しないようにしてあげましょう。
犬用あごのせベッド
犬用のあごのせベッドのデザインは、縁のついたベッドや中央にくぼみがあり、体をすっぽり包むようなベッド、傾斜のあるベッドなどさまざまです。使用する素材も柔らかい中綿やかための綿、洗えるシートなどがあります。
犬用あごのせ枕
犬用の枕は小さいものが多く、リビングやおでかけ先など持ち運びに便利です。デザインも雲や王冠などのモチーフになっている枕や、冷感素材のアイテムもありますよ。
あごのせで安心して泳げるグッズも
ベッドや枕以外にも、あごのせが付いているアイテムとして犬用のライフジャケットがあります。あごのせがあることでネックガードにもなり、泳ぎが苦手な子でも安心して遊ぶことができます。
可愛らしい仕草だけど接し方に注意も必要
愛犬のあごのせは、甘えたい気持ちや信頼している、飼い主さんが大好きだからこその仕草です。愛くるしいポーズですが、もっとしてほしい!という気持ちが膨らみすぎてしまうので、接し方にも注意点があります。
かまいすぎには気を付けて
かまいすぎてしまうと、もっとかまってほしいという気持ちが強くなり、わがままに育ってしまう可能性があります。今日のところはここまでだよと態度で示したり、適度にメリハリをつけて愛犬との信頼関係を深めていきましょう。
あごのせを愛犬にしつけるには?
あごのせのしつけ方法として、手にあごをのせるのはよいことであると愛犬に覚えてもらいましょう。しつけの大まかな流れは、あごに触れる、ほめる、ごほうびです。
あごのせのしつけ【1】あごを触ってほめる
まずはあごに触り、ほめることから始まります。この動作を繰り返すことでほめられる行為と覚えてもらいましょう。お手と勘違いしてしまう場合は、親指と人差し指をピストルに見立てた形で差別化してみてくださいね。
あごのせのしつけ【2】手にあごをのせてきたらほめる
のせることに慣れてきたら、今度は愛犬自ら手にあごをのせてもらう次のステップへ移行します。このとき、手のうえにあごをのせることができたらしっかりほめてあげましょう。
あごのせのしつけ【3】ほめるタイミングを遅らせていく
ほめるタイミングを少しずつ遅らせていくことで、あごをのせる時間をのばしていきます。ほめる時間を徐々に遅らせていくことにより、ほめてもらうまで待てるようになっていきますよ。
あごのせのしつけ【4】言葉と動作を結びつける
この段階までくれば、手をのばすとあごをのせる動作が身についている頃でしょう。ここからは、手のかわりに言葉をきっかけにあごをのせてくれるようにしていきます。
まずは「あご」という号令と一緒に手をだし、できたらほめる。そして号令が先、そのあとに手…というように、順番を変えていきます。最終的には、号令だけであごのせができるようになるので、その都度しっかりほめてあげてくださいね。
あごをのせる仕草はリラックスしている証
愛犬があごのせをしているときはリラックスしている証拠です。飼い主さんへの信頼や甘えたい、伝えたいことがあるサインでもあります。
犬にとってあごのせは大切な感情表現のひとつです。飼い主さんの体にあごをのせてきたら、愛犬の気持ちに寄り添い接してみてくださいね。
あごのせをしすぎることでデメリットも生まれる可能性があるので、スキンシップのなかにもメリハリをつけて信頼関係をより深めていきましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!