公益社団法人「日本愛玩動物協会」によると、愛玩動物飼養管理士とは「動物の愛護及び管理に関する法律」に基づいてペット（愛玩動物）の愛護や適正な飼育管理の普及活動などに務めるために必要になる知識および技能を体系的に習得し、所定の試験に合格した人のことです。

昨今、ペットの飼育に関してモラルの欠如がみられる事件が後を絶ちません。それは、ペットの習性や適切な飼育環境を整えるための知識が欠如していることが1つの要因となっています。結果、近隣住民とのトラブルが発生したり、ペットを飼い続けることが難しくなるというケースにつながるのです。

こうした嘆かわしい実情に対して、協会は法律や過去の動物愛護に関する運動などに基づいた知識を備えた指導員を養成するための認定制度を設け、ペットに関する仕事（ペットショップや動物病院など）に限らず、ペットと共に生活する人にとって重要な知識・技能を習得してもらうために、愛玩動物飼養管理士の資格を用意しています。なお、愛玩動物飼養管理士の資格は国や自治体により「動物取扱責任者」の資格要件の1つとして設定されています。

愛玩動物飼養管理士の資格試験は、毎年2月と11月に実施されています。試験を受けて認定登録されるまでの一連の流れは以下の通りになります。

①資料請求

②受講受験料の入金・申込書の送付

③教材の送付

④スクーリング（講習会）への出席

⑤課題報告問題の提出

⑥認定試験

⑦合格通知の到着

⑧認定登録

詳しい日取りは日本愛玩動物協会のホームページで確認しましょう。

愛玩動物飼養管理士の資格試験の難易度は、ネットの情報によると約8割ほどが合格すると言われています。きちんと勉強さえすれば、難しくはない試験と言えます。

ただし、難易度が低いと見積もったとしても、2割の人は落ちていることも事実です。愛玩動物飼養管理士の資格取得を目指す人は、送付される教材などでしっかりと勉強し、試験に受けることだけでなく、今後に役立てることを意識して、ぜひ必要な知識を身につけてください。

続いて、愛玩動物飼養管理士資格を取得するメリットをご紹介します。

まず「ペットの扱いが上手になる」ことができます。犬や猫をはじめとして、日本人はさまざまなペットを飼育しています。愛玩動物飼養管理士の資格を取得することによって自身のペットをより正しい方法で飼うことができるかもしれません。

またメリットとして「動物関連の活動の説得力を確保できる」ことが挙げられます。行政にペットや野生動物関連の要望を提出する際、愛玩動物飼養管理士の資格を有している人がいれば、行政に対する説得力を増すことになります。このように、さまざまな仕事や活動において、愛玩動物飼養管理士の資格が役立つでしょう。

ペット業界やペット用品業界だけでなく、観光や建築などでもペットに関連したサービスを絡めた商品を提供しています。愛玩動物飼養管理士の資格があれば、そうしたサービスをより高品質に提供することができます。

最後に、愛玩動物飼養管理士の資格取得のメリットの1つとして「動物取扱責任者」の仕事が挙げられます。

動物取扱責任者になる上では、「所定の資格等の取得」「半年以上の実務経験」「所定の学校の卒業」のいずれか1つを満たしている必要があります。愛玩動物飼養管理士の資格は、このうち「所定の資格等の取得」の条件を満たすことになります。

動物取扱責任者のように長く動物と接することになる仕事に従事するのであれば、その取扱いの知識を習得できる愛玩動物飼養管理士の資格は役に立つはずです。ほかの条件を満たしているとしても、愛玩動物飼養管理士の資格を取得することには大きなメリットがあるでしょう。

愛玩動物飼養管理士の資格は、ペットや動物との関係や仕事を、より上位の存在に引き上げてくれます。きちんと勉強すれば取得の難易度はさほど難しいものではなく、やる気さえあれば多くの方が取得できる資格です。動物が好きな人にとって、自身のペットや関わる多くの動物との関係をより適切かつ役立つものに変えてくれることでしょう。