愛犬の血液型は?血液型の調べ方や犬種の特性、血液型と性格の関係まで
血液型による性格の傾向や相性占いは、日本人が盛り上がる話題のひとつですよね。血液型を知ることで何となく相手のことを理解したいという気持ちの表れかもしれません。ところで皆さんは愛犬の血液型をご存知ですか?
チンパンジーはA型・O型だけ、ゴリラはB型だけ、なんて話を聞くので、犬も1〜2種類だけ?と思いきや、実は犬の血液型の種類は人間の4種類よりも細かく分類されているんです。犬も血液型によって性格の傾向が異なったり、相性のいい悪いがあるのでしょうか?今回は犬の血液型の種類や調べ方から、犬種毎の特性・血液型によっての性格の違いなどに注目していきます。
犬の血液型は何種類ある?
人間の血液型は、一般的にA・B・O・AB型という「ABO式」で分類される4つの血液型があります。また、Rh(+)・Rh(-)と呼ばれる「Rh式」による分類も時折聞いたことがあるかもしれません。人はそれぞれが持つ血液型によって性格の傾向が出ると言われることもありますが、果たして犬の血液型は何種類あるのでしょうか?
犬の血液型の種類は、まだ正確には分かっていない
実は、犬の血液型はとても種類が多く、現在分かっているだけで13種類以上の血液型があると言われています。しかし、まだ研究されている途中段階のため、正確には解明されておらず、現在の国際的な基準としては8種類と定められています。
犬の場合は、一般的にDEA式(Dog Erythrocyte Antigens(「犬赤血球抗原」の頭文字)をベースとした血液型の分類が用いられており、「DEA1.1」「DEA1.2」「DEA3」「DEA4」~・・・~「DEA13」のように表現されます。そしてさらにそれぞれ陽性(+)・陰性(-)に細分化されていきます。
犬の血液型は1頭につき複数
これまでに犬の血液型が解明されていない理由は多々考えられますが、もしかするとそれが難航している理由の1つに、犬1頭が持つ血液型が「1種類ではない」ことが挙げられるかもしれません。
人間は、1人1種類の血液型しか持たないのに対し、犬では1頭の個体が1つの血液型ではなく、数種類の血液型を持っています。つまり、私たち人間のように「私はO型」と表現するのではなく、「●●ちゃんは、DEA1.1(+)、DEA1.2(-)、DEA3(-)・・・」といったように、とても複雑な表現をすることになります。
犬種による血液型の違いは?
犬の血液型は、現在解明されている限りで、8〜13種類あることが分かりました。人間だとアジア人にはA型が多いと言われていますが、犬種によって血液型の割合の傾向はあるのでしょうか?一般的によく調べられているDEA1.1での傾向をみてみましょう。
【犬全体】
「DEA1.1+」 60~70%
「DEA1.1-」 30~40%
【犬種別】
- 柴犬・ミニチュアシュナウザー・ダックスフンド・シーズー など
「DEA1.1+」の割合が70%以上
- マルチーズ・ウェルシュ・コーギーなど
「DEA1.1-」の割合が40%以上
上記のように、犬種によって少し血液型の違いがあることが分かります。
血液型によって犬の性格は違う?
人間の場合、血液型の相性占いや「B型の取扱説明書」のように、血液型によって性格の傾向があると言われることもありますが、犬の場合は血液型によって性格が出ることは考えにくいと言われています。兄弟の有無や、どんな家庭で成長してきたか?といった後天的な環境・犬種特性などによって、犬の性格は右左されることが多いようです。
ただし、犬の血液型にはまだまだ解明されていないことも多いため、今後新たな発見があるかもしれません。
血液型の検査方法と知っておいたほうがいい理由
犬の血液型検査は、動物病院で調べてもらうことができますが、なぜ愛犬の血液型を調べておいた方がいいと言われるのでしょうか?
犬の血液型検査のやり方
もし愛犬の血液型を調べたいと思われた方は、動物病院に行けば血液検査を受けて調べてもらうことができます。動物病院では検査キットを使うことで「DEA1.1」が+か-かを調べてもらうことができます。モノリス株式会社という検査会社では、「DEA1.1」と「DEA1.2」の+-を調べてもらうことができます。
基本的に輸血の際の副反応が出やすい「DEA1.1」の有無を調べておくと、万が一の輸血の際には役に立ちます。「DEA1.2」も「DEA1.1」ほどではないですが、副反応が見られることがありますので、調べておくと役立ちます。
【犬の血液型検査キット】
愛犬の血液型を調べておいた方がいい理由
犬が血液型検査を行う目的は、人と同じで病気や怪我をした際に迅速に輸血を行うためです。人間も合わない血液型の輸血を行うと重篤な副反応が出ることが知られていますが、犬でもショック症状を起こす副反応を示すことがあります。
輸血が必要となる病気としては、免疫介在性貧血や白血病などで造血機能が障害される病気・事故などによる多量出血があります。
副反応を起こす血液型として「DEA1.1」の有無が重要となってきます。「DEA1.1-」の個体に「DEA1.1+」の個体の血液を輸血すると「DEA1.1」に対する抗体が産生され、2回目以降の輸血に重篤な副反応が出てしまうとされています。全ての血液型を調べることは不可能なので、もっとも重篤な副反応を示す「DEA1.1」の有無を調べて輸血することが重要です。
まだまだ謎がいっぱい。犬の血液型に関する最新研究
犬の血液型は、まだ全てが明らかになっているわけではなく、研究途中となります。現在は、国際的にもDEA式で表されていますが、DEAの他にもDal式という血液型も研究されています。DEAのみに焦点を当てていると、輸血の際に実施する試験で不適合が続くことがあり、Dalという血液型の重要性が徐々に分かってきました。
このDalという血液型はほとんどの犬種で(Dal+)となるのですが、ドーベルマンやシーズーといった犬種では(Dal-)を示すため、これらの犬種への輸血には注意が必要となってくることが分かっています。
愛犬の血液型を知っておこう
今回は「犬の血液型」についてご紹介しました。今は愛犬が健康で元気いっぱいだから心配ないという方も、一度動物病院で愛犬の血液型を調べてみるのはいかがでしょうか?万が一の時に、愛犬の血液型が分かっていると診療の助けになることがあることを覚えておいてくださいね。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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