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動物愛護センターの役割を知る。施設の業務内容と現状について

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動物愛護センターは、飼い主や住民から持ち込まれた動物を引き取り、飼い主へ返還、もしくは里親を希望している人たちへ譲渡している施設です。しかし、収容期限内に飼い主や里親が見つからなかった場合は、その動物たちは殺処分という運命を辿ります。 日本では年間にどのぐらいの動物が持ち込まれるのか、また殺処分されてしまう動物の頭数はどれくらいになるのかなど、動物愛護センターの現状を知っておきましょう。

動物愛護センターの役割を知る。施設の業務内容と現状について

目次

  1. 動物愛護センターの役割について
  2. 動物愛護センターに持ち込まれる犬・猫の頭数の推移
  3. 動物愛護センターに収容された犬・猫の殺処分数の推移
  4. 動物愛護センターの殺処分をゼロにするために

動物愛護センターの役割について

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 動物愛護センターは、動物の保護事業/動物由来感染症の予防対策/調査事業などを担い、人と動物が共生して暮らしやすい環境づくりを推進する施設です。 厚生労働省の管轄で、全国の主な自治体に設置されています。動物愛護センターでは、主にどのような業務をしているのか、さっそくご紹介していきます。 

動物愛護センターの役割1. 動物の収容・管理

 何らかの理由により飼い主が持ち込んだ犬猫や、住民が持ち込んだ飼い主不明の動物の収容・管理をしています。負傷している動物には治療を施します。 

動物愛護センターの役割2. 収容動物の返還・譲渡

 収容された動物は所定の期間まで保護し、その間に飼い主が見つかった場合は、適正飼養の指導をしたうえで飼い主に返還します。飼い主がいない犬猫は、責任を持って終生飼養ができる里親希望者に譲渡します。 

動物愛護センターの役割3. 収容動物の処分

 収容期限内に返還や譲渡がされなかった動物の致死処分をしています。また、動物福祉の観点から、治癒の回復が見込めない動物や攻撃性が強く矯正が困難など、譲渡不適切の判断になった動物の致死処分をすることもあります。 

動物愛護センターの役割4. 適正飼養の普及啓発

 小学生やその保護者を対象に、犬との接し方や感染症の防止対策などを学ぶ動物教室や、犬猫のしつけ、および飼い主としてのマナーに関する講習会などを実施し、適正使用の普及啓発をしています。

動物愛護センターに持ち込まれる犬・猫の頭数の推移

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 ここでは、動物愛護センターに持ち込まれる犬猫の頭数について見ていきましょう。 

犬猫の持ち込み数

 2018年度に動物愛護センターや保健所に持ち込まれた犬猫の数は、犬が35,535頭、猫が56,404匹です。(※1)この持ち込み数のうち飼い主によるものは犬の場合は約10%、猫においては約20%です。

可愛いからという理由だけで安易に飼い始めて育てられなくなり、持ち込まれることも少なくありません。加えて、家族の単身赴任や飼い主の入院などの理由によりこれ以上飼えないとして手放すケースもよく見られます。

猫の持ち込み数が犬よりもはるかに多い理由としては、避妊去勢手術をしていない野良猫の繁殖が挙げられます。

持ち込み数の推移

 2009年度から2018年度までの10年間で、犬猫の持ち込み数は以下の通り減少傾向にあります。(※1) 

  • 2009年:犬93,807頭 / 猫177,785匹
  • 2010年:犬85,166頭 / 猫164,308匹
  • 2011年:犬77,805頭 / 猫143,195匹
  • 2012年:犬71,643頭 / 猫137,745匹
  • 2013年:犬60,811頭 / 猫115,484匹
  • 2014年:犬53,173頭 / 猫97,922匹
  • 2015年:犬46,649頭 / 猫90,075匹
  • 2016年:犬41,175頭 / 猫72,624匹
  • 2017年:犬38,511頭 / 猫62,137匹
  • 2018年:犬35,535頭 / 猫56,404匹

 収容数が減少しているのは、適正飼養や終生飼養の意識の高まり、動物保護団体などが野良猫を捕獲して避妊去勢手術をしたのち、元の地域に戻すTNR活動(Trap Neuter Returnの略)をして繁殖を抑制しているなどの背景があります。 

動物愛護センターに収容された犬・猫の殺処分数の推移

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 動物保護センターに収容された犬猫の殺処分数の状況も知っておきましょう。 

犬猫の殺処分数の推移

 犬猫の殺処分数も、以下のように年々減少しています。(※1) 

  • 2009年:犬64,061頭 / 猫165,771匹
  • 2010年:犬51,964頭 / 猫152,729匹
  • 2011年:犬43,606頭 / 猫131,136匹
  • 2012年:犬38,447頭 / 猫123,400匹
  • 2013年:犬28,570頭 / 猫99,671匹
  • 2014年:犬21,593頭 / 猫79,745匹
  • 2015年:犬15,811頭 / 猫67,091匹
  • 2016年:犬10,424頭 / 猫45,574匹
  • 2017年:犬8,362頭 / 猫34,854匹
  • 2018年:犬7,687頭 / 猫30,757匹

 現在、多くの自治体が「殺処分ゼロ」の目標を掲げ、収容数減少、および譲渡推進・拡大のためのさまざまな取り組みを行っています。実際、神奈川県の殺処分数は、犬においては2013年度から2018年度までの6年間、猫は2014年度から2018年度までの5年間、ゼロを達成しています。(※2)また、東京都も2018年度の殺処分数は、犬も猫もゼロを実現しています。(※3)

犬猫の殺処分率

 収容数に対する殺処分率は、以下のようになっています。 

  • 2009年:84.6%
  • 2010年:82.0%
  • 2011年:79.1%
  • 2012年:77.3%
  • 2013年:72.7%
  • 2014年:67.1%
  • 2015年:60.6%
  • 2016年:49.2%
  • 2017年:42.9%
  • 2018年:41.8%

 このように殺処分率を抑えられているのは、連携している民間の動物保護団体が収容されている犬猫を引き出し、新たな飼い主へ譲渡していることが大きいと言えます。 

動物愛護センターの殺処分をゼロにするために

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 全国の動物愛護センターでは、持ち込み数や殺処分数の減少に向けて、適正飼養の普及啓発活動や民間の動物保護団体と連携して、譲渡の推進・拡大に取り組んでいます。持ち込み数も殺処分率も減少傾向にありますが、どちらもここ数年の減少率は横ばいです。そのため、今後さらなる対策が必要になってくると言えるでしょう。

参考文献

※1:環境省|犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況
※2:神奈川県|令和3年度も殺処分ゼロ!(犬9年、猫8年)
※3:東京都|動物の殺処分の状況

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komugi

この記事のライター

komugi

都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!

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