柴犬の人気カラー、「黒柴」の特徴・性格など解説
世界中から人気を集めている柴犬。柴犬の中でも、麻呂眉に例えられる斑点状の模様のある顔から人気急上昇中となっている黒柴。柴犬全体で1割程度と希少価値がある黒柴ですが、どのような特徴があるのでしょうか。今回は、注目を浴びている黒柴の豊かな表情・魅力や豆知識などをご紹介します。
日本犬と柴犬
日本古来の犬種には柴犬、甲斐犬、紀州犬、四国犬、北海道犬、秋田犬の6種類があります。その中の8割を占めるのが柴犬です。海外ではShiba-inuとして、人気を集めていることでも知られています。1万年という歴史を持つと言われている柴犬は、太古の昔から変わらぬ容姿と性格で日本の天然記念物に指定されています。さまざまな犬種を交配して誕生した外国産の猟犬に対し、最もオオカミに近い原始的な柴犬は飼い主に忠実で、賢くまた独立心を持ち合わせた性格から犬らしさを好む海外の人からも人気となっています。
黒柴の特徴は被毛のカラー
赤色の被毛が柴犬の代名詞ですが、柴犬には赤色の他に黒、胡麻、白と4種類の被毛カラーがあります。この4種類の被毛カラーのうち、8割は赤色で、黒と白が残りの1割ずつとなり、胡麻は希少色となっています。最近よく見かけるようになってきた黒柴ですが、もともとはわずか1割程度しかなかった被毛カラーなのです。
黒柴の被毛の特徴
黒い色の被毛がメインの黒柴ですが、この黒は鉄さび色・墨色と呼ばれている柴犬ならではの毛色です。黒柴の被毛は、よく見ると黒、白、赤茶の3色で成り立っています。背後から見ると表面は黒一色ですが、尻尾の裏側や肛門周辺は白が入っています。これを「裏白」と呼び、黒柴の特徴の一つです。正面から見ると、黒、白、赤茶が胸、口周り、首、耳、目の周りにバランスよく入っています。特に、あごの下、お腹には綺麗な白い毛が入っていることが特徴です。黒柴人気のひとつとなっている、「可愛い表情」は黒と白のコントラストから生まれているのです。
黒柴の被毛には実はグラデーションがある
黒柴の被毛は黒一色ではなく、1本1本の被毛に濃淡があることが特徴です。黒柴の被毛をよく見ると、根元に向かって濃淡があり、全体的に見るとグラデーションとなっています。そのため、全身を見ると真っ黒というよりは墨色、黒サビ色と呼ばれる味わいのある黒色になっていることも黒柴の魅力の一つです。
黒柴は麻呂眉がはっきりしている
黒柴の大きな特徴は、麻呂眉と言われる両目の上にある茶色または白い斑点です。これは「四つ目」と呼ばれ、外敵から目を守るためのカモフラージュであると言われているもので、実は赤色の柴犬にも付いています。黒柴はこの「四つ目」がはっきりしていることが、人気の火付け役となっています。
黒柴は被毛により表情が豊か
黒柴の魅力はなんといっても、表情豊かな顔立ちです。麻呂眉の色、入っている位置、大きさによって、表情は千差万別。また、顔全体の黒の入り方によっても、表情の印象が変わります。さらに、目のまわりに入っているアイラインが、黒くはっきりしていると隈取りのようにも見えることも、黒柴の魅力です。
「黒柴」の特質は、他のカラーの「柴犬」と一緒
性格は他のカラーの柴犬と変わらない
他犬種では、被毛カラーによって性格が変わることもありますが、柴犬の場合は赤茶、黒、白、胡麻とどのカラーでも性格的な違いがないと言われています。どの柴犬も、飼い主に忠実で賢く、頑固な一面を持っています。また、豊富な運動量を必要とし、運動不足によってストレスがたまってしまいます。黒柴に限らず、柴犬は猟師と1対1の関係を保ってきた犬種であるため、しっかりとした主従関係を望みます。この主従関係がはっきりしていないと、噛みつきや攻撃性などの問題行動が出てしまう可能性が高いので注意が必要です。
日本古来の猟犬として活躍してきた高い運動能力
多くの猟犬が、1つの役割を担っているのに対し、柴犬は獲物を探す、追う、回収することができるマルチプレイヤーとして活躍してきた日本古来の猟犬です。柴犬の大きな特徴は、その高い運動能力と言えます。
柴犬は実は綺麗好きで体臭が少ない
柴犬は、全犬種の中でも綺麗好きな犬種として知られています。室内飼いの場合、ハウスとトイレスペースが一緒であることを嫌がることから、トイレトレーニングが難しいとも言われています。また、汚れがつきにくい毛質ながら厚い被毛に覆われている柴犬は、犬独特の体臭が少ないことも人気の秘密です。
黒柴豆知識!知っているとお役立ち!
仔犬の頃の黒柴は、顔の模様がはっきりしていないことも特徴に挙げられます。成長するにつれ、麻呂眉やアゴ周りの白とのコントラストがはっきりしてきます。ベテランの飼い主でも将来どんな顔立ちになるのかはわからないと言われるほど、仔犬の時と成犬になってからでは顔立ちが異なることも黒柴ならではの特徴です。
両親が黒柴ではないことも
黒柴は色素の変化により生まれた被毛カラーのため、両親ともに黒柴とは限りません。通常は、赤色の柴犬と黒柴が両親犬となりますが、黒柴が人気となっている最近では、両親犬ともに黒柴であることも多く、被毛カラーを優先するあまり柴犬のスタンダードからかけ離れている仔犬が生まれるケースもあります。
黒柴を迎えるならよく考えた上で専門のブリーダーから
黒柴は産み分けられる被毛カラーではなく、偶然の産物です。最近は、街でも多く見かけるようになりましたが、無理な繁殖によって生まれているケースもあるので、迎える時には慎重に仔犬を選ぶことが大切です。また、表情が豊かで優しそうに見える黒柴ですが、基本的な性質は柴犬と変わりはありません。しっかりとしたリーダーシップ、仔犬期からのしつけができないと、問題犬となってしまう可能性が高く、また噛み犬として飼育放棄されるケースも後を絶ちません。ペットショップで見かけたからといって衝動買いせず、生活環境をよく考慮した上で迎えることをおすすめします。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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