老犬が寝ないときに自宅でしてあげられることはある?シニア期に入った愛犬との付き合い方|睡眠編
犬は人間と比べて早いペースで歳を重ねてしまうため、ついこの前まで子犬だった愛犬も気づけば成犬となり、いつの間にかシニアの仲間入りをします。老犬になると今までできていたことが難しくなったり、寝ている時間が増えることが一般的です。しかし一方で、「夜になっても寝ない」「夜中に頻繁に起きる」といったお悩みが出てくることもあります。そこで今回は、老犬が寝ない理由と、飼い主さんが自宅でしてあげられることについてご紹介します。愛犬の寝つきが悪くなって困っているという方はぜひ参考にしてみてくださいね。
老犬が寝ない理由って?
今までは夜になると自分で寝床に行って寝ていたのに、最近は起きていることが増えた、と感じることはありませんか?愛犬が眠らずに起きていると心配になってしまいますが、シニア期に入った愛犬の寝つきが悪い理由や寝ずに起きている理由としてどんなものが考えられるのでしょうか?
生活リズムの乱れ
老犬が夜寝ない理由としてまず考えられるのが、日中に寝すぎていて夜眠れなくなっているパターンです。シニア期に入ると子犬期と同様、もしくはそれ以上に寝るのが一般的ですが、昼間に寝すぎていると夜目が覚めやすくなるのは想像に難くないですよね。
また、朝になってもなかなか起きず太陽の光を浴びない状態が続くと体内時計がずれてしまい生活リズムが乱れ、「昼間にしっかり眠り、夜寝れなくなる」というサイクルに陥ってしまうケースもあります。
要求がある
部屋が寒い・暑い、苦手な音が聞こえる、お腹が空いた・喉が渇いた、ベッドの寝心地が悪い、ケージ内を掃除してほしい、トイレに行きたいなど、何らかの要求があって寝ずに起きていることもあります。そばに行くまで吠え続ける、ケージをカリカリするなどの様子が見られたら飼い主さんに伝えたいことがあるのかもしれません。
具合が悪い
身体に痛みがある場合や体調が悪い時には、いつもと同じ環境でも音や光、寝床の状態などに対して過敏になり寝つきが悪くなることもあります。
不安を感じている
犬も歳を重ねると出来ないことが増えたり視覚や聴覚の衰えによってストレスや不安を感じやすくなります。1匹だとなかなか眠れていないけど、飼い主さんがそばにいるときには安心して眠れているという場合には、不安感が原因で不眠となっている可能性があります。
認知症の可能性も
シニア期に入った愛犬の寝つきが悪いほか、うろうろと徘徊する、夜鳴きをする、粗相するようになったなどの様子も見られたら、もしかしたら認知症が原因となっているかもしれません。認知症は認知機能が低下することで体内時計が乱れるので睡眠サイクルが不規則になり昼夜が逆転してしまうケースがよく見られます。
現段階では認知症を完全に治すことは難しいですが、早期に発見できれば症状の進行を遅らせることはできます。認知症が疑われる症状は「高齢だから」と見過ごされてしまうことも多いので、以下のような様子が見られたら早めにかかりつけ医に相談することをおすすめします。
- 旋回行動を繰り返す
- ボーっとしていることが増えた
- 家具などによくぶつかる
- 夜鳴きをする
- 呼んでも反応しない
- トイレの失敗が増える
- 昼夜逆転して夜中に徘徊する
老犬が寝ないときにできることってある?
老犬が夜になっても寝ない理由はさまざまですが、犬は成犬であっても1日の半分以上を睡眠に充てる生き物なので、愛犬が夜になっても寝ないという状況は少し心配になってしまいますよね。ここでは、飼い主さんが自宅でできる対策についてご紹介します。
太陽の光を浴びる習慣をつける
朝起きて太陽の光を浴びると体内時計がリセットされ、セロトニンとメラトニンのホルモンのバランスが整い、夜に眠くなるというサイクルが生まれます。夜にしっかりと眠れるようにするには、朝日を浴び、日中はなるべく起きている時間を作ることが大切です。
可能であれば朝にお散歩に行くようにしましょう。1回あたり10分程度で長距離でなくても構いません。仕事などの都合でなかなか朝は時間がとれないという場合は、直射日光である必要はないので、愛犬の寝床を朝日が当たる場所に移すのも効果的です。
寝る前にトイレを済ましておく・ごはんを遅めにする
老犬になると膀胱に尿を溜めておけなくなったり排泄する際に使う筋力が低下するので、トイレの回数が増えることがあり、夜中にトイレに行きたくなって目が覚めてしまうことがあります。寝る前にトイレに連れて行き排泄する習慣をつけると朝まで眠れるようになるかもしれません。
また、トイレが遠くて飼い主さんを呼ぶために起きていることもあります。愛犬がシニア期に入ったらトイレの位置を近づけたり、いくつか用意してあげるとよいでしょう。夜間だけおむつをするのも選択肢の1つですが、汚れたままだと皮膚が荒れてしまったり脱げてしまうこともあるので、短時間の着用で済む場面で使用する、すぐに替えられるときに履かせるなどの対策は必要です。
お腹が空いて眠れなくなってしまうのであれば、食事の時間を遅めに設定してみてください。空腹の時間が長く続くと嘔吐してしまうこともあるので、1回あたりの量を減らして回数を増やしてみるのも手です。ただし、習慣になってしまうと要求吠えに繋がることもあるため、毎日同じ時間にあげないようにするなど注意しなければいけない点もあります。
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お散歩に行くようにする
若い時はお散歩が大好きだった子も、高齢になると体力が落ちて疲れやすくなることや筋力が落ちて今までのようなスピードで歩けなくなるため、歩くのが億劫になりお散歩に行きたがらなくなってしまうケースは多いです。しかし、自分の足で歩く習慣がなくなると筋力の低下に拍車をかけてしまうだけでなく肥満の原因にもなってしまいます。
適度な疲れは心地よい眠気を誘うので、足を怪我している、病気で歩くのが難しいなどの理由がなければ、なるべく自分の足で歩く機会を作ってあげるようにしましょう。
歩き続けることを嫌がる場合は、合間合間で犬用カートを活用したり抱っこしてあげるのもおすすめです。
老犬のお散歩は筋力の低下をゆるやかにする目的だけでなく、気分転換や運動不足解消のほか、聴覚・嗅覚などが刺激されることで脳が活性化し認知症の予防策としても期待されています。「お散歩に行きたがらないし、ぐっすり寝てて起きてこないからしなくてもいいや」と思ってしまうかもしれませんが、愛犬が健康的なシニアライフを送れるようにするためにも、なるべくお散歩の機会を設けるようにしてください。
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寝床の環境を見直す
シニアになると寝ている時間が増えますが、筋力が落ちることで寝返りを打ちづらくなり身体の痛みや疲労感でぐっすり眠れなくなってしまうこともあるため、これまでの寝床の環境を見直してあげましょう。長時間同じ体勢で寝ていると「床ずれ」の心配があるので、身体にかかる圧を分散してくれる体圧分散マットが採用されているペットベッドに変えるのがおすすめです。ただし、体圧分散性に優れたベッドだからといって何もしなくていいわけではないので、定期的に体勢を変えてあげる必要はあります。
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また、室温にも気をつけましょう。犬は体温調節が苦手ですが、高齢になると体温調節機能が低下し、暑さや寒さといった気温や湿度の影響を受けやすくなります。愛犬の寝床に冷暖房が直風にならないように注意し、犬が暑さや寒さを感じた時に自分で調整できるよう逃げ場を作っておいてあげるのがおすすめです。
部屋の暗さや音にも気を配ってあげるとなおよいですね。わたしたちにとっては些細なものでも、愛犬にとっては眠りの妨げとなるものはたくさんあります。元気も食欲もあるけど夜になっても寝ないというときは、愛犬の寝床の環境に問題はないか見直してみてください。
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コミュニケーションを意識する
先述した通り老犬は不安を感じやすくなりますが、飼い主さんが声をかけたり撫でてあげるだけで安心して眠れるようになるケースもあります。飼い主さんが近くにいないと鳴く、離れると起きてしまうという場合には寝室を同じにするだけでも落ち着いて眠ってくれるようになるかもしれません。優しく声をかけたり、スキンシップをとって安心させてあげてください。
いろいろ試したけど寝ない・・というときは
老犬が寝ない理由は寝床の環境や生活習慣などの問題以外にも、認知症や脳腫瘍などの病気が原因となっていることもあります。老化による不安感や要求などからくるものであれば今回ご紹介した方法で解決することもありますが、年齢のせいだと思っていたら実は認知症や脳腫瘍などの病気が隠れていた、というケースも珍しくなく、その場合は動物病院に行かなければ改善しません。
特に認知症の場合、歳によるものなど見逃されてしまうこともありますが、初期の段階で治療介入することで症状の進行を遅らせることができるので、早期に気づくことが重要になります。老犬に限らず犬が寝ないという場合には何らかの原因や理由があることがほとんどなので、愛犬の様子がおかしいなと感じた時点で動物病院を受診するのがベターです。
夜寝ないだけでなく徘徊や夜鳴きを伴う場合や病気が原因で眠れなくなっている場合など、状況に応じて睡眠薬が処方されるケースもありますが、睡眠薬は効き目に個体差がかなりあり、その子に合った用量を決定するまでに時間がかかるので、やはり早めにかかりつけ医に相談することが愛犬のためにも飼い主さんのためにもなります。
愛犬の様子が普段と違うということに気づくことができるのは飼い主さんだけなので、気がかりなことがあれば小さなことでも聞いてみるとよいでしょう。
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愛犬の様子を観察して対応しよう
老犬が寝ない場合に考えられる理由や原因はさまざまで対処法もそれぞれ異なります。そのため、まずはいったい何が原因なのか突き止めることが大切です。
睡眠不足は元気がなくなったり食欲不振になるだけでなく、ちょっとしたことでイライラしてすぐに噛んだり吠えたりといった行動が見られるようになるなど、心身に悪影響を及ぼすため、できるだけ早く解決してあげたいものです。
愛犬が寝ないと飼い主さんも気がかりでぐっすり眠ることができなくなってしまうので、早い段階でかかりつけ医に相談するようにしましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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