【獣医師監修】老犬が痙攣を起こした場合の対処法について|原因と発作が起きたときにやるべきこと
愛犬が突然体を硬直させて痙攣を起こすような場面に居合わせたら、ほとんどの飼い主さんは驚いて、どうしたらいいのか分からなくなってしまうと思います。老犬の痙攣とは一体どのようなものなのかを事前に知っておくことで、いざという時にもパニックにならずに落ち着いて行動をすることができるはずです。
ここでは、老犬の痙攣について紹介します。
老犬が痙攣を起こす原因
老犬が痙攣を起こすのにはさまざまな原因がありますが、運動をした後などに筋肉が小刻みに震えるような痙攣や、寝ている時にピクピクと足を動かすような動きは筋肉疲労からきているものですので、心配をする必要はほとんどありません。
ただし、次のような病気が原因で起こる痙攣の場合には、最悪の場合、命に危険が及ぶ場合もありますので、早めに動物病院を受診するようにしてください。
腎不全
腎臓の機能障害により、毒素が尿として排出されずに体内に溜まり、それがきっかけで痙攣を起こすことがあります(尿毒症による痙攣)。
急性腎不全によるものは、そのまま放置するとすぐに危険な状態に陥ってしまうこともありますので、早急な処置が必要です。
脳腫瘍
脳に腫瘍ができることで、神経症状のひとつとして発作や痙攣を引き起こします。
中毒症状
何かしらの異物を誤飲した際に、異物に含まれる毒素の影響で、身体に痙攣が起こります。急性的な症状として起こる場合もあります。
てんかん
犬の痙攣の原因で多いのがてんかんです。てんかんが原因による痙攣は、予兆がないことが多く、痙攣の頻度、程度にもさまざまな違いがあります。
老犬が痙攣を起こした場合の対処法
老犬が痙攣を起こした際には、まず飼い主さんは落ち着いて対処できるようにしてください。飼い主さんがパニックになって大騒ぎをしても、痙攣はおさまりませんので、まずは冷静になりましょう。
体には触れないようにする
痙攣を起こしている老犬が、周囲の家具や壁などにぶつかって怪我をしないように、周囲の安全を確保してください。周りにぶつかりそうなものがあったら犬の身体から離して、高い場所にいるときに痙攣が起こったのであれば、低い位置にそっと犬を移動させましょう。
この時に、つい老犬を抱き上げてしまいそうになりますが、痙攣の途中で体に触れてしまうとさらに痙攣を悪化させてしまうことがありますので、老犬の体には必要なとき以外は極力触れないようにしてください。
動画を撮影しておく
もしも飼い主さんの気持ちに余裕があれば、老犬が痙攣をしている動画を撮影し、その時間を測っておくようにしてください。あとから痙攣の様子で気づいたことなどを日記につけておくと良いでしょう。
痙攣を起こしていた時間を明確にするとともに、動画を撮影しておくことで、動物病院で診察を受ける際に、診断や治療を行うのに役立つことがあります。
痙攣した場合に起こりうることを事前に知っておきましょう
老犬の痙攣は、多くの場合は突然発症します。ただ、老犬の様子をよく確認していると、痙攣を起こす前には、急にソワソワしたりと少し挙動不審な動きをすることがあります。しかし、これが痙攣の前触れだとはなかなか気が付きにくいものです。
痙攣を起こす時間は、てんかんが原因であった場合には長いと1時間程度続く場合もあります。また、一旦おさまったように見えても、繰り返し起こることがあります。
痙攣の発作はさまざま
老犬が痙攣を起こした時には、全身が硬直状態となって痙攣する場合や、体の一部分だけが小刻みに震える場合など様子もさまざまです。さらに、痙攣の最中にはよだれが流れ出たり、失禁したりすることもあります。
痙攣した際にはこれらの症状が起こり得るということを事前に認識しておくだけでも、実際に痙攣を目の当たりにした時に慌てず行動できる可能性が高まります。
突然の痙攣にも慌てずに対処するために
老犬の痙攣は、ある日突然起こります。今まで健康でほとんど病気をしなかった子だったとしても、同じように痙攣が起こる可能性があります。いつも元気に散歩で走り回っていても、犬の体は年齢と共に当然衰えていて、心臓の機能なども知らず知らずのうちに低下しています。元気だからといって激しい運動を続けたりといった無理をさせてしまうと、心臓が悲鳴をあげて痙攣を引き起こしてしまうかもしれません。老犬になったら、成犬の頃と同じような運動は避け、途中で休憩を挟むようにしてあげてくださいね。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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