昔、野猟を行っていたスパニエルは全て「フィールド・スパニエル」と呼ばれていました。しかし、1980年代には11kg以上の大きなスパニエル（フィールド・スパニエル）とそれ未満の小さなスパニエル（スモール・フィールド）が区別されるようになったのです。

その後は、フィールド・スパニエルの繁殖にサセックス・スパニエルが加わり、フィールド・スパニエルは徐々に短足になりました。

一時期フィールド・スパニエルは、ドッグショーで人気が高い犬種だったものの、猟犬にあまり向かない体型になったため、その後は人気が急落し悲しいことに絶滅寸前まで追いやられました。しかし、熱心な愛好家の努力により絶滅を逃れ、現在では徐々に頭数が増えています。

 フィールド・スパニエルは昔から猟犬として活躍してきました。そのため、ジャパンケンネルクラブはフィールド・スパニエルをポインターやセター以外の鳥猟犬の犬種グループに分類しています。

また、アメリカンケンネルクラブではポインター、セター、レトリバー、スパニエルなどの猟犬が含まれる「スポーティング」と呼ばれる犬種グループに分類されます。

 フィールド・スパニエルは非常に愛情深く、飼い主や家族と楽しい時間を一緒に過ごすのが大好きな犬種です。また、独立心が強く、自分で考えて行動するのが得意です。その反面、繊細な心の持ち主でもあるので、しっかりとコミュニケーションを取り、ストレスがたまらないように心がけましょう。 

 フィールド・スパニエルは知能が高く、物覚えが早いため、しつけに苦労することはありません。しかし、フィールド・スパニエルは繊細な性格をしているので、叱ると落ち込んでしまうことがあります。そのため、正しい行動を褒めながらどんどんと伸ばすしつけ方法がベストです。 

 フィールド・スパニエルの適正体重と運動量を知り、健康な生活を提供することは非常に大切です。適切な環境を整えることは、フィールド・スパニエルの身体や精神への負担を軽減し、健康寿命を伸ばすのにも繋がりますよ。 

 フィールド・スパニエルの平均寿命は12〜13年です。フィールド・スパニエルの平均寿命は中型犬にしては平均的で、たっぷり時間を一緒に過ごすことができます。 

 フィールド・スパニエルの適正体重は18～25kgと幅が広いのが特徴です。そのため、実際に身体を触りながら、適正体重を確認し、維持していくことが非常に大切です。 

 フィールド・スパニエルの生活には運動が欠かせません。少なくても朝晩に1時間の散歩を行うようにしましょう。また、週に数回はドッグランなどでフリー運動を取り入れ、しっかりとストレス発散させることが大切です。 

 フィールド・スパニエルは猟犬として活躍していたため、被毛が邪魔にならないことが重要視されてきました。フィールド・スパニエルの被毛の構造はシングルコートとなっており、被毛はややロングコートです。しかし、体に沿って生えているため、動きの邪魔になることはありません。

また、フィールド・スパニエルはレバーの毛色が最も一般的ですが、そのほかにもブラックやローンなどの様々な毛色があります。

 フィールド・スパニエルはブラッシングを週に2〜3回行うようにしましょう。ブラッシングを定期的に行うことで、死毛を取り除き、抜け毛が服や家具に付着するのを防ぐことができます。

また、頭や足回りの被毛を定期的にトリミングすることで、被毛が汚れるのを防ぐことができます。

 ここでは、フィールド・スパニエルについて解説していきました。

フィールド・スパニエルはスパニエルの中でも歴史が古い犬種ですが、現在でも数が少なく、見かけることがあまりありません。フィールド・スパニエルを迎える場合は性格やお手入れについてよく理解し、フィールド・スパニエルに最高の環境づくりを心がけてくださいね。

▼参考文献

（１）アメリカンケンネルクラブ

（２）ジャパンケンネルクラブ

（３）フィールド・スパニエル犬種標準

（４）the field spaniel society of america