牧羊犬／牧畜犬の歴史は古く、紀元前4,300年頃のトルキスタンや古代エジプトの地層から牧羊犬とみられる犬の骨が発見されています。

青銅器時代になると人々は牧畜を始め、羊の毛・皮・肉は重要な生産物になります。そして、羊をまとめていた牧羊犬の需要も高まります。羊飼いが笛や手で犬たちに送る合図に従い、羊の群れを誘導したり、オオカミなどの補食動物から羊を守りました。

牧羊犬はその後、中東からヨーロッパなどに広がり、ヨーロッパ各地で交配された結果様々な犬種が生み出されました。牧羊犬は、羊飼いが笛や手で犬たちに送る合図に従い、羊をまとめていました。

牧羊犬／牧畜犬の身体的特徴や性格についてご紹介します。

牧羊犬/牧畜犬は、羊飼いの合図に従い仕事をこなすだけでなく、群れから外れ迷子になった羊を見つけて群れに戻すことのできる賢い犬種です。そして、広大な敷地を駆け回ることのできる、非常に優れた運動能力があります。

飼い主さんとコミュニケーションを取りながら身体を動かすアジリティーやフリスビーなどのドッグスポーツでは、十分に能力を発揮するでしょう。

犬種にもよりますが、牧畜犬/牧畜犬に分類される犬は明るく、好奇心旺盛で遊ぶことが大好きです。人とコミュニケーションを取ることが大好きなので、きちんとしつけることで良きパートナーになってくれるでしょう。

ただし、牧場で外敵や泥棒から羊を守っていた犬種であるため、警戒心が強く神経質な一面もあります。

牧羊犬／牧畜犬グループは、こんな家庭におすすめです。

広大な敷地内を走り回っていた牧羊犬は、運動量が必要です。運動不足になるとストレスを溜め込んでしまい、問題行動に繋がることもあるので、日々のお散歩は欠かせません。飼い主さんが時間があるときは、ドッグランなどで思い切り走らせてあげましょう。

 牧羊犬／牧畜犬は、家畜を守るためによく吠えたり、ときには咬みつく仕事をしていたこともあり、場合によっては攻撃的な行動に出ることがあります。しつけに失敗すると、賢いがゆえに様々な問題を引き起こしてしまう可能性があります。牧羊犬／牧畜犬を迎え入れたら、その日からしつけを始めましょう。 

一般社団法人「ジャパンケンネルクラブ」において牧羊犬／牧畜犬のグループに登録されている犬の種類は30種類です。その中から、代表的な犬種を5犬種ご紹介します。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは牛や羊、ポニーなど大型の家畜を保護・誘導していた牧畜犬です。好奇心旺盛で明るく社交的な性格であり、きちんとしつけることで誰からも愛される犬になるでしょう。

さらさらの被毛と凛々しい顔立ちが印象的なボーダーコリーは、頭がよく活発な牧羊犬です。名前のボーダーは「国境」という意味で、イングランドとスコットランドの国境周辺が原産であるため、この名前がついたとされています。

まるで大きなぬいぐるみのような姿が特徴的なオールド・イングリッシュ・シープドッグは、人懐こく飼い主さんの求めていることをよく理解できる賢い犬です。愛嬌のある姿から多くの映画やCMでも起用され、世界で高い人気を誇ります。

シェルティーの愛称で親しまれているシェットランド・シープドッグは、知的で愛情深い牧羊犬です。コリーを小柄にしたような上品で優雅な姿で人々を魅了します。

オーストラリアン・シェパードは、牧畜と護衛の強い本能をもつ賢い作業犬です。一日中働き通せるほど体力があるので、十分な運動量が必要です。

牧羊犬／牧畜犬の歴史は古くから人間の良きパートナーとして活躍してきた歴史のある犬です。賢く運動量が必要な犬であるため、家庭に迎え入れるときには犬種特性についてよく理解しておきましょう。