ブサカワ犬!シャーペイってどんな犬種?特徴や性格、子犬期から飼うためのポイントなど
中国南部原産のシャーペイは、シワが刻まれたユニークな顔立ちから、ブサカワ犬として人気がありますが、世界的に飼育頭数が少ない希少犬種でもあります。祖先ははっきり分かっていませんが、古代犬の一種だと言われているシャーペイについて詳しくご紹介します。
目次
シャーペイってどんな犬種?
シャーペイの正式名称はチャイニーズシャーペイで、英語訳すると「サンドスキン」という意味があります。パグと雰囲気が似ていることから愛玩犬と思われがちですが、使役犬に分類されている犬種です。深いシワシワの顔が特徴的で、愛犬家で有名なデビッド・ベッカムファミリーの一員であることでも知られています。
シャーペイが犬種として正式登録されたのは最近
最近では、その風貌から世界的に人気の犬種となっていますが、シャーペイがAKCに正式登録されたのは1992年で、AKC134番目の品種となっていることはあまり知られていません。
シャーペイの起源
中国南部で飼われていた古代のシャーペイは、寒さに対応できる体質と防具のような厚い皮膚、そして独立心が強い性質から、優秀なイノシシの狩猟犬として活躍していました。また、人に媚びない性格で番犬としても重宝されていたのです。
シャーペイの標準体型と見た目の特徴
中国原産の古代のシャーペイに比べ、頭が大きく、カバのような形の口を持つ現代のシャーペイ。種の保存のために長期にわたり繰り返されてきた繁殖の過程で、シャーペイは現在のユニークな風貌へと変化を遂げてきました。
シャーペイの標準体型
原産地である中国でスタンダードとされるシャーペイは、四角いボディの中型犬で、メロンのような形の頭、バッファローのように太い首、貝殻型の小さな立ち耳、シワで覆われた顔、カバに似たマズル、根元が太く先細のハイセットの尻尾を持つこととされています。シャーペイの体高は63~69cm、メスでは44~51cm、体重は18kg~29kgが標準とされています。
被毛はザラザラでカラーバリエーションは様々
荒く短いザラザラした被毛がシャーペイの特徴です。あまり目立たない被毛ですが、毛の流れに沿って撫でるとビロードのような手触りで、逆方向に撫でると紙やすりのようにザラザラしています。シャーペイの被毛のカラーは、黒、クリーム、赤、アプリコットなどの各ソリッドカラーやレアカラーのイザベラなどバラエティに富んでいることが特徴です。気になるほどの抜け毛はありませんが、定期的なブラッシングが必要です。
シャーペイの特徴①:ザラザラしたサンドスキンと深いシワ
シャーペイの特徴は、その名前の由来でもあるサメ肌のようなザラザラした肌にあります。英語で「サンドスキン」と呼ばれるように、触ってみると紙やすりにも似た感触です。また、「中国の格闘犬」との異名を持つ古代のシャーペイの名残りである、噛まれてもダメージを受けない垂れ下がり深くシワの寄った肌も特徴の一つです。
シャーペイの特徴②:紫色の舌
シャーペイのもう一つの特徴は、紫色の舌です。シャーペイが独特の暗い紫色の舌を持つことから、同じような暗い青色の舌を持つチャウチャウが祖先ではないかと推測されているのです。この舌の色が、なぜ他の犬のようにピンクや赤い色の舌と異なっているのかは解明されていません。誕生から現代まで、詳細がわからないこともシャーペイの特徴だと言えます。
古代中国に誕生、絶命の危機もあったシャーペイの歴史
中国あるいはチベットが原産といわれているシャーペイは、約2000年前である漢王朝時代に誕生したと言われています。紫色をした舌を持つことから、チャウチャウが祖先ではないかと考えられていますが、詳しいことは解明されていません。シャーペイの歴史を紐解いていくと、絶滅の危機に瀕した悲しい歴史であることがわかります。
番犬から闘犬へ、より頑強な身体に改良され誕生した
中国広東省で農民に番犬として飼われていたシャーペイですが、ギャンブルの対象として闘犬として使われることも多く、より丈夫で強い犬へと選択繁殖されてきた歴史があります。その結果、噛まれてもダメージを受けないしわの多い皮膚と目への攻撃を避けるための、くぼんだ目を持つ風貌のシャーペイが誕生したのです。
大量虐殺により絶滅に危機へ
しかし、犬の飼育は食物の無駄使いであるとする中国政府によって、シャーペイを含む中国古来の犬は、誠に残念なことに大量虐殺されたと言われています。わずかに残ったシャーペイは、香港、台湾、マカオに渡り種の保存が行われましたが、絶滅の危機に瀕していました。1960年代に香港のブリーダーからアメリカへと渡ったシャーペイは、アメリカの愛好家によって繁殖され現在のシャーペイへと繋がったとされています。
シャーペイの性格
シャーペイは、どのように誕生したのか解明されていない部分が多い犬種ですが、猟犬、番犬、闘犬として活躍していたことは分かっています。そのため、警戒心が強く、戦いにも勝てる強い意志を持つ性質へと改良を重ねられてきた経緯があります。ここでは、シャーペイの性格について詳しくご紹介します。
飼い主に忠実な半面、知らない人や動物には攻撃的になることも
シャーペイは、穏やかな性格で人間と一緒にいることが大好きな犬種として知られていますが、過去に番犬であったことから、飼い主には忠実で、大好きな家族を守ろうとする性格です。また、家族と一緒に何かをしたり、のんびり過ごすことが大好きで、常に家族と行動を共にすることでシャーペイは安心します。しかし、その反面、警戒心が強く家族を守ろうとするあまりに知らない人や動物に対して攻撃的になることがあります。
独立心が強く、冷静で賢い
シャーペイの性格の特徴として、プライドが高く独立心が強い点が挙げられます。ブサカワな外見からは想像できない冷静さと賢さも持ち合わせているため、リーダーシップを取れない飼い主は信頼されません。そのため、毅然としたリーダーシップをとることはもちろん、シャーペイには子犬期のしつけと社会化が必須です。
シャーペイがかかりやすい病気
シャーペイの平均寿命は10~12歳程度と言われています。シャーペイは遺伝性疾患や皮膚病のリスクが大きい犬種なので、健康面に十分に気をつけてあげる必要があります。
シャーペイ特有の病気や遺伝性疾患
シャーペイは、まぶたが内側に入り込む眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)など目の病気、外耳炎(がいじえん)などの耳の病気といった独特の容姿から発症する病気や遺伝性疾患を抱えている場合があります。
また、シャーペイはシャーペイ熱と呼ばれる遺伝性の炎症疾患によって、最終的には腎不全を起こす可能性があるので、子犬を迎える時には必ずブリーダーに確認しましょう。
シワやひだによって皮膚病にかかりやすい
しわしわの特徴的な皮膚を持つシャーペイは、皮膚の病気にかかりやすい犬種です。シワやひだの部分が細菌感染症にかかりやすいため、シャンプーをしたり雨に濡れた場合には、シワやひだの中まで充分に乾かす必要があります。
シャーペイと暮らすポイント
独立心が強く、番犬としての気質も持ち合わせているシャーペイは、しつけがしにくい犬種と言われています。また、特に長時間の運動は必要としませんが、深いシワのある皮膚や特徴的な顔立ちから遺伝疾患も多く確認されている犬種です。飼い主に忠実なシャーペイですが、育て方にはポイントがあります。ここでは、シャーペイの育て方についてご紹介します。
子犬期から社会化としつけをしっかりとする
前述のように、シャーペイはしつけがしにくい犬種です。シャーペイのしつけのポイントは、子犬期の早い段階からリーダーシップを発揮してしっかりとしつけることがカギです。リーダーが誰であるかはっきりとシャーペイが理解できないと、攻撃的になったりコントロールができない犬に育つ可能性があります。またシャーペイには小さい頃から、たくさんの人に会わせて社会化させることも重要です。
熱中症に注意
シャーペイは短頭種であるため暑さには非常に弱く、熱中症には特に注意が必要です。
皮膚ケアは念入りに行う
シワシワで特徴ある外見のシャーペイは、特に皮膚のケアにも気をつけたい犬種です。真菌感染しやすいシワや皮膚のひだはシャンプー後にはよく乾かしてあげましょう。短毛であることから、週に1回程度のブラッシングを定期的に行います。
お留守番時間は長すぎないようにする
シャーペイは、自分のハウスや飼い主のそばで生活することを好むため、都会の集合住宅などでも一緒に暮らしていくことが可能です。また、家族思いの性格から、子供がいる家庭でも問題はありません。ただ、シャーペイは番犬として改良を重ねられた犬種であるため、見知らぬ人が苦手です。ときには攻撃する可能性もあるので注意が必要です。飼い主とのパートナーシップを重視する犬種であるため、お留守番が多い環境には不向きです。
運動量は多くないが、気分転換にお散歩や適度な運動は必要
シャーペイは、飼い主と一緒に何かをすることが大好きです。どちらかといえば外での運動よりも飼い主とのんびり室内で過ごしていたい犬種です。シャーペイの気分転換のためのお散歩や適度な運動で肥満防止をすることを心がけましょう。
シャーペイと暮らすには性質や特徴をよく理解しよう!
シャーペイの魅力は、独特の容姿と飼い主に忠実な性格と言えます。特に、ブサカワ好きな人にはたまらない可愛さがあります。しつけには十分に注意を払わなくてはなりませんが、きちんとしつけができればベストパートナーとなる犬種です。運動が必要な犬種と違い、シャーペイは室内でのんびり静かに暮らすことに向いている犬種です。シャーペイと幸せな時間を過ごすためにも、しつけ、ケアなど性質や特徴をよく理解することが大切です。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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