コーイケルホンディエという犬種を知っていますか?カモ猟で活躍した歴史や特徴、飼育の基本などを紹介
コーイケルホンディエという難しい名前の犬種をご存知でしょうか?愛好家もたくさんいる人気な犬種ですが、普段生活していてもその犬種名を聞くことはなかなかありませんよね。コーイケルホンディエはオランダ原産の中型犬で、オランダの画家が何度も描いてきた犬種とも言われています。ここでは、そんな珍しいコーイケルホンディエという犬種の歴史と特徴などをご紹介します。
コーイケルホンディエの歴史
はじめに、コーイケルホンディエの歴史や特徴についてご紹介します。
コーイケルホンディエの歴史
16世紀、コーイケルホンディエはアヒル漁が得意な犬として重宝されており、ふさふさした尻尾で鳥をおびき寄せる役割を持っていました。犬種名の由来も「カモ猟の犬」という意味を持っており、猟犬として活躍していながらも、陽気な性格にコーイケルホンディエの人気は広がっていきました。しかし、戦争が始まり飼育頭数が徐々に減少していきました。
その後、愛好家の活躍により世界で25頭までに減ったコーイケルホンディエの保存・繁殖が行われました。1971年に原産国オランダで犬種登録され、イギリスに渡り、日本にもその名が広まってくようになりました。
日本で犬種登録が行われたのは1999年となりますが、今でもコーイケルホンディエは日本だけでなく世界的にも頭数が少ない、珍しい犬種です。原産国のオランダでは繁殖管理が行われていて、災害救助犬としても活躍していますが、現在ではあまりカモ猟での活躍は見られないようです。
コーイケルホンディエの特徴
コーイケルホンディエは世界的にも珍しい犬種のため、日本で見たことのある方のほうが少ないかもしれません。ここでは体型・体質、毛色・被毛・抜け毛、寿命・かかりやすい病気などコーイケルホンディエの特徴についてご紹介します。
体型、体質
コーイケルホンディエは体高35〜40cm、体重9〜11kgの中型犬です。垂れた耳と、丸い頭とはっきりとしたストップ(両目間にある、鼻骨と頭蓋骨の境めのくぼみ)を持っています。少しだけレトリバーの表情にも似ています。手足は長く細くスラッとした印象を受けます。
毛色、被毛、抜け毛
毛色はホワイトベースにオレンジもしくはレッドの模様があります。被毛はオーバーコートとアンダーコートを持つダブルコートで、抜け毛も多いですが、もともとの毛の長さが長すぎないため、そこまで難しくありません。定期的にブラッシングを行いましょう。
寿命、かかりやすい病気
コーイケルホンディエの平均寿命は12〜14歳前後で、中型犬の平均寿命と同じぐらいです。寿命はその犬が暮らす生活環境や食事内容、運動量などにより変わります。寿命を伸ばすためにはストレスの少ない生活が望ましいです。清潔な生活環境、栄養価の高い食事、適度な運動量などを心がけましょう。
かかりやすい病気は「遺伝性壊死脊髄障害」「血液疾患」「耳の病気」などが考えられますが、世界的にも飼育頭数が少ないため、まだ病気の症例が少なく、分からないことが多いようです。
遺伝性壊死脊髄障害は神経が麻痺する病気で歩行や元気・食欲などに何らかの変化が見られるようになります。どの神経を圧迫するかにより症状が異なりますので、定期的に動物病院で健康診断を行うと良いかもしれません。また遺伝性のため、血統書のチェックも欠かせません。
血液疾患は血液検査で診断することができますが、症状として見つけることが難しいです。血液疾患も健康診断で発覚することが多いため、定期的に健康診断を行うことをおすすめします。どんな病気にかかりやすいのかイマイチ分かっていない犬種なので、健康には一段と気をつける必要があります。
コーイケルホンディエは友好的な性格
猟犬として活躍していたため活発そうな印象を受けますが、実際はどんな性格の傾向があるのでしょうか。ここではコーイケルホンディエの性格についてご紹介します。
飼い主や他の犬にも友好的
飼い主や他の犬にも友好的で人懐っこい一面もあります。そのため、多頭飼育でもすぐに馴染み、仲良く過ごすことができます。子供などにも優しく接してくれるため、良い遊び相手になってくれます。
陽気で温厚な性格
陽気で温厚な性格をしています。活発で遊ぶことも大好きです。飼い主と一緒に遊ぶことを好みますので、ボール遊びなどおもちゃを使って一緒に遊んであげましょう。
コーイケルホンディエを育てるときのポイント
遊ぶことが好きで温厚なコーイケルホンディエですが、どんな育て方をしてあげるのが良いのでしょうか。ここではコーイケルホンディエの育て方についてご紹介します。
しつけ
賢く、物覚えも良いのでしつけはしやすい犬種です。座れ・待て・伏せなどの基本的なトレーニングは比較的簡単に覚えてくれます。ただ活発な犬なので、落ち着かせてから集中させることに時間がかかることもあります。犬が興奮しているときは落ち着いた声でトレーニングを行い、あまりにもひどい場合はトレーニングを中止し、落ち着くのを待ってから行いましょう。
ケア
ダブルコートを持つ犬種なので抜け毛が多いです。そのため2〜3日に1度はしっかりブラッシングをしてあげて毛並みを整えてあげましょう。毛が短いため、毛玉になりにくい被毛をしていますが、耳の下や内股、お尻周りは入念に毛を整えてあげましょう。
運動
もともと猟犬として活躍していたため多くの運動量を必要とします。1日2回、1回1時間以上の運動を取り入れましょう。ただ歩くだけでは飽きてしまうこともありますので、ドッグランで自由に走り回ることやアジリティやドッグスポーツなどに挑戦するのもいいでしょう。
環境
生活環境は抜け毛が多い為こまめに掃除を行いましょう。遊ぶことが好きでいろんな物に興味を示すため、いじられたら困るものや誤飲の可能性の高いものはしまうか処分してしまうことをおすすめします。中型犬なので、机の上においたものでも取ることができます。目を話すときや留守番のときは必ずサークルやケージに入れておきましょう。
活発なコーイケルホンディエとたくさん運動しよう
ここではそんなコーイケルホンディエについてご紹介しました。コーイケルホンディエはまだまだ珍しく目にしたこともない方が多い犬種ですが、人懐こく温厚で育てやすい性格をしています。しかし、猟犬さながらの運動量を必要とするため、犬に時間を割くことができる方でないと育てるのは難しいでしょう。しかし、遊ぶことが好きで物覚えも良いので、アジリティやドッグスポーツに向いています。一緒に運動を楽しみたい飼い主におすすめできる、魅力的な犬種です。
こちらの記事もチェック
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
希少犬に関する記事
犬の生態/気持ち
珍犬種の「キンタマーニドッグ」をご存じですか?歴史や特徴、性格など
日本人観光客もたくさん訪れる観光地バリ島に、今話題の犬がいることをご存じでしょうか。その名は「...
2022年11月14日
犬の生態/気持ち
オオカミに似てるノーザン・イヌイット・ドッグについて。歴史や特徴、性格など
ノーザン・イヌイット・ドッグは、限りなくオオカミに近い見た目をしています。「もしかしてウルフド...
2022年11月14日
犬の生態/気持ち
超小型犬プラシュスキー・クリサジークの歴史・性格・特徴は【犬種図鑑】
チワワほどの超小型犬であるプラシュスキー・クリサジークは、チェコ原産の希少犬です。日本ではなか...
2022年10月26日
犬の生態/気持ち
アメリカン・エスキモー・ドッグって知ってる?性格や特徴など詳しくご紹介!
アメリカン・エスキモー・ドッグは日本では珍しく、あまり馴染みがない犬種のひとつです。ぱっと見は...
2022年10月8日
犬の生態/気持ち
プチブラバンソンってご存知ですか?特徴や性格、子犬から成犬の飼い方まとめ!
プチブラバンソンは短毛タイプのブリュッセルグリフォンで顔はパグにそっくりです。マリーアントワネ...
2022年9月27日