【獣医師監修】犬が唸るのは触られるのが嫌だから?原因を理解して信頼関係を築こう
皆さんは愛犬が唸るときの気持ちについて、その理由を考えたことはありますか?
愛犬の身体を触った拍子に唸られると、「あれ、触られたくないのかな?」と気になりますよね。また、いつもは唸らない子であれば、「どこか痛いのかな?ストレスを感じているのかな?」と心配になってしまう方も多いはず。
犬が触って唸るのには、機嫌が悪いなど単純な理由以外にも、いくつかの理由があります。今回は、触ると唸る原因やその見極め方に加え、犬が唸った時の対処法についてご解説していきます。
犬を触ると唸るのはなぜ?
犬が唸るのは犬にとってはコミュニケーションの一環で、人間に自分の気持ちを伝えようとするためです。犬がなぜ唸るのかを知り、犬の気持ちをさらに理解してあげられるようにしましょう。触られたときに唸る犬の気持ちとして、考えられる感情を見ていきます。
1.警戒心や恐怖心
犬は警戒心や恐怖心を感じているときに、相手に「触らないで!」と伝えるために唸る場合があります。犬が警戒心や恐怖心を感じて唸っている場合は、触り続けることが犬にとってストレスになり、エスカレートすると人間の手を噛んだり逃げてしまったりする原因にもなるので注意が必要です。
2.独占欲
犬がおやつを食べたりおもちゃで遊んだりしている最中に触ると唸るのは、「これは僕のものだ!触らないで!」という独占欲が原因です。また、おやつやおもちゃだけではなく、お気に入りの布団やベッドに対して独占欲を感じて唸ってしまう犬も多いです。
3.甘えている
犬は甘えていたり気持ちいいときに、猫のようにグルルルルと唸ることがあります。お腹を撫でている時などに気持ち良さそうに目を細めて唸っているのであれば、「もっと撫でていてほしい」と甘えているのでしょう。
4.怪我や病気
犬を触ると唸るのは、怪我や病気が原因になっている場合もあります。触られて痛みを感じてしまうと犬は「触らないで」と飼い主さんやご家族に伝えるために唸り声をあげます。
5.興奮して遊んでいる
犬は興奮して遊んでいるとき触ると唸ることがあります。犬が遊んでいる最中に唸るのは、「楽しい!」という気持ちを表現しているのですが、そのまま興奮し続けると、本気噛みや無駄吠えに発展してしまう場合もあるので注意が必要です。
触ると唸るときの犬の心理を見分けよう
触ると犬が唸る。その理由を知っていても、見分けがつかなければ適切に対処することができません。ここでは、触ると唸る犬の感情・状態の見分け方についてご解説していきます。
犬が唸った時の状況を考えよう
触ったときに犬が唸った場合には、まず最初に「犬が唸った状況」を考えましょう。「唸る前に犬がしていたこと」や「過ごしていた場所」を考えることで、唸る原因が見分けやすくなります。犬が唸る原因が分かりやすい状況には、以下のようなものがあります。
- おやつを食べているときに触ると唸った→独占欲
- 動物病院で獣医さんが触ると唸った→警戒心や恐怖心
- 引っ張りっこをしている最中に触ると唸った→興奮して遊んでいる
- 怪我をした足を触ったときに唸った→怪我や病気の可能性
犬のボディーランゲージに注目しよう
犬が触ったときに唸る状況を考えても、犬が唸った原因が見分けられない場合は、犬のボディーランゲージに注目をしてみましょう。ボディーランゲージ(和訳:体言語)はその名の通り、犬が身体全体で相手とコミュニケーションをとるために使用する「言語」です。犬は、人間のように言葉で相手に自分の気持ちを伝えることができないので、身体全体でその気持ちを表現してくれますよ。
こんなボディーランゲージには要注意!
唸る他にも、このようなボディーランゲージを発見した場合は要注意です!
- 鼻にシワを寄せて歯を見せている
- 背中の毛を立たせている
- 動かずに固まっている
- 尻尾をお腹の下に巻いている
- 耳を後ろに寝かせている
犬がさまざまなボディランゲージを見せている場合は警戒心、恐怖心、独占欲などの気持ちが原因で唸っている場合が考えられます。また、はじめは静かに唸っているだけでも、触り続けているうちに後述のボディランゲージにエスカレートしていく場合も、犬が何らかのストレスを感じているサインなので注意しましょう。
遊びやリラックスしているときのボディーランゲージ
遊んでいる犬は、プレイバウ(頭を低く下げた状態でお尻をあげる)をしたり、軽い足取りで歩いたり、全体的に陽気で楽しそうな動き方をします。また、遊んでいる犬は、少し大袈裟な大きな声で唸る場合もあるのが特徴的です。
また、犬がリラックスをしている際には身体の力が抜けており、目を細めている場合が多く見られます。
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犬が唸るときの対処法は?
犬が触ると唸る場合には、適切に対処することが大切です。唸る行為を叱ってしまう方法もあるのですが、この方法だと唸る行為をやめさせられたとしても、恐怖や独占欲などの原因には対処できていないので、犬が感じているストレスを軽減させることはできません。ここでは、犬が唸った際の適切な対処法をご解説していきます。
信頼関係を強化しよう
警戒心や恐怖心が原因で犬が唸るのであれば、まず犬と人間の信頼関係をしっかりと強化することが大切です。恐怖心が原因で唸る犬は「人間は怖くない」ということを理解することで時間と共に唸らなくなります。そのために、人間は犬を傷つけたり嫌な気持ちにさせることは避け、犬が心地よく生活できる環境づくりをすることが大切です。
身体を触られるのに少しずつ慣らそう
犬が身体を触られるのに慣れていなくてボディチェックなどを嫌がるのであれば、信頼関係を強化した後に、身体に触られるのに少しずつ慣れるようにしてあげるようにしましょう。
まずは、短時間だけ犬の身体を優しく撫でてあげながらおやつを適量与えます。その次の日にも、犬の身体を優しく撫でながらおやつを与えるのですが、前日よりは撫でてあげる範囲を少しずつ広くしていくようにしましょう。このように、犬におやつを与えながら触る範囲を少しずつ増やしていくことで、犬が感じる警戒心や恐怖心を少しずつ解消してあげることができます。
遊んでいるときに唸るのはNG?それともOK?
遊んでいる最中に触って犬が唸るのは、犬にとって遊びなので特に対処する必要はありません。しかし、犬が遊んでいる最中に、あまりにも興奮して甘噛みや本気噛み、無駄吠えなどの他の問題行動に発展するようであれば、唸っている段階で遊ぶのをストップし、犬が落ち着いてから遊びを再開するようにしましょう。
愛犬が唸る理由を見分けて対応しよう
ここでは、犬を触ると唸る原因、見分け方、対処法などについてご解説していきました。犬が唸るのは嫌な気持ちを感じている時だけと思われがちですが、興奮して遊んでいたり、甘えているときにも唸ることがあるので、しっかりと見分けることが大切です。また、犬が唸る場合はそれを叱らず、まずは犬との信頼関係を見直すようにしましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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