ハバニーズはどんな犬種?性格や毛の特徴、育て方・寿命を解説【犬種図鑑】
日本ではあまり馴染みのないハバニーズですが、アメリカやヨーロッパでは人気があり、多くの愛犬家を魅了しています。ハバニーズと絆を深めて暮らすために、この記事ではハバニーズの特徴や育て方など、飼い主が知っておきたいことをご紹介します。
ハバニーズってどんな犬種?
ハバニーズは日本では見かける機会が少なく、まだ珍しい犬種です。まずはどんな犬なのかを知るために、ハバニーズの特徴や歴史からご紹介します。
ハバニーズの特徴
ハバニーズは、ビションフリーゼやマルチーズなど、「ビショングループ」に属する犬種です。目がクリッとし飾り毛がついた垂れ耳で、愛嬌たっぷりの顔立ちをしています。また、ふわふわでウェーブがかった美しい被毛も、ハバニーズの特徴の大きな特徴です。
そのほか、体型や体質、被毛やかかりやすい病気など、具体的な特徴について見ていきましょう。
体型や体質
ハバニーズの体重は3~6kg程度、体高は21~29cm程度です。平均体重は他の小型犬とさほど差はありませんが、足が短いことから体高は低めです。ハバニーズは体型上、体を横に揺らしながらヨチヨチと愛らしい歩き方をしますが、丈夫な骨格をしています。
また、暑さ・寒さには弱い体質です。ふわふわとしたボーリュームのある被毛に覆われているものの、体温調整の役割を果たす下毛がほとんどないためです。
被毛について
ハバニーズの主な毛色としては、以下が挙げられます。
- クリーム
- ブラウン
- ホワイト
- ブラック
- ゴールド(ゴールドがかった輝きを持つ黄褐色)
単色だけではなく、上記の色が組み合わさり2色である場合も少なくありません。また、タンマーキングが入っている場合もあります。
毛量が多く密集して生えていますが、抜け毛は少ない方です。艶やかで柔らかくウェーブがかった被毛は、ハバニーズの魅力を引き立てているといえるでしょう。
なお、毛色は成犬になるにつれて変わることもあります。どのように変化するのか予測するのは難しいですが、親犬の情報を確認すれば大体の毛色の予測が立てられます。
ハバニーズの歴史
ハバニーズの祖先は、地中海西部に暮らしていたビションタイプの犬といわれています。16世紀前半、スペイン領のテネリフェ島から貿易船で商人がキューバに輸入し、キューバで改良されました。
当時のハバニーズは現在のハバニーズの前身ですが、キューバで繁殖されて広まったため、原産国はキューバとされています。市場で売買されていなかったハバニーズは、庶民が手に入れることはできず、上流階級の人たちの愛玩犬として可愛がられていました。
18世紀中頃になるとヨーロッパに輸入され、貴族や芸術家など富裕層の人たちから愛され大切に育てられていました。
そして、長い年月に渡り多くの人たちを魅了してきたハバニーズですが、20世紀になると戦争や革命などの影響により、一時期は絶滅寸前になります。しかし、生き残った数匹がアメリカに持ち込まれ、マルチーズやプードルなどと交配・改良されて現在のハバニーズの容姿となり、血統が引き継がれています。
純粋犬種の登録、および優良犬の普及活動をしている愛犬団体「JKC(ジャパンケネルクラブ)」への登録頭数は少ないですが、近年多くの注目を集めています。
ハバニーズの寿命とかかりやすい病気
ハバニーズの寿命は13~15年程度です。ただし、飼育環境や個体差による影響も大きいので、あくまでも目安程度にしておくのがよいでしょう。ハバニーズは、以下の病気にかかりやすいので注意が必要です。
膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)
膝蓋骨脱臼は、膝のお皿の骨が本来あるべき位置からずれてしまう病気です。高い所から降りるなど、膝に大きな負担がかかることで起こります。よって、部屋に絨毯やラグマットなどを敷くと膝への衝撃が軽減し、膝蓋骨の脱臼を予防できます。
外耳道炎(がいじどうえん)
外耳道炎はその名の通り、外耳道に炎症が起こる症状です。ハバニーズは垂れ耳なので耳の通気性が悪く、耳の中にブドウ球菌などの細菌が繁殖することがあります。湿度も気温も高い夏場は特に耳の中が蒸れやすいので、こまめに確認しましょう。
流涙症(りゅうるいしょう)
流涙症は、涙管が詰まり涙が溢れる病気です。目の周辺の毛が刺激となり発症することが多いうえ、再発しやすいので注意しましょう。目の周辺の毛が目に入らないようカットすることで防げます。
ハバニーズの育て方
ハバニーズが健康に暮らせるよう、適切な育て方を把握しておきましょう。
環境
ハバニーズは暑さ・寒さに弱い体質であるため、夏場や冬場は室内温度を調節し過ごしやすい環境にする必要があります。
部屋の広さにもよりますが、夏場におけるエアコンの温度設定は、27~28度で様子を見るのがよいでしょう。ハバニーズが舌を出してハアハアと呼吸している場合は、暑いと感じているので調節が必要です。冬場はエアコンをはじめとした暖房器具で、室内を20度以上になるようにして暖かく保ちます。
また、ハバニーズは運動が好きなのでボールやループ、コングなどのおもちゃを用意して、いつでも遊べる環境を作ることも大切です。
しつけ
ハバニーズのしつけは、子犬の頃からしっかりと行うことが非常に重要です。ハバニーズに限りませんが、犬には新しい物事や環境を積極的に吸収できる時期(社会化期)があります。社会化期は生後4ヶ月頃までをいい、この時期に家族以外の人や他の犬に積極的に触れ合うようにすることで、社交性が身についていきます。
加えて、臆病になりすぎない性格にするために、複数の散歩ルートを作って子犬のうちから、さまざまな環境に慣れさせることも大切です。
また、粗相や無駄吠え、甘噛みなども早い段階から直させる必要があります。ハバニーズがやってはいけないことをしたら、その場で「ダメ」と叱り、指示通りにできたら大袈裟なくらいに褒めることがしつけの基本です。そうすることで「飼い主に従ったらよいことがある」と覚え、指示に従うようになっていきます。
運動
1日30分程度散歩に連れて行くようにしましょう。ハバニーズはそれほど運動量を多く必要とはしませんが、外の匂いや音に触れることは犬にとって気分転換にもなります。
また、ハバニーズは運動が大好きなことから、時々ドッグランで思いっきり走らせたり、アジリティで遊ばせたりするのもおすすめです。
ケアのしかた
長くて毛量が多いハバニーズの被毛は絡まりやすく、毎日のブラッシングが欠かせません。耳や脇下、内股や尻尾は毛玉ができやすいので、こまめに確認しましょう。毛玉ができてしまった場合は、まずピンブラシで優しく毛玉をほぐし、その後コームでとかせばきれいに整います。
また、耳掃除も必須です。ブラッシングのように頻繁にやる必要はなく、耳の中が臭いと感じたら行います。綿棒で耳掃除をすると耳の中を傷つける恐れがあるので、専用のクリーナーを使用するようにしましょう。
そのほか、ハバニーズの顔に涙やけができてしまったときは、濡らしたコットンやガーゼできれいに拭き取り清潔に保ちましょう。涙やけとは、何らかの理由で溢れ出た涙により、目から鼻に向かって毛が茶色っぽく変色する状態のことです。涙やけをそのままにしていると細菌が繁殖し、皮膚の炎症や目の病気を引き起こす恐れがあります。
ハバニーズの性格
ここでは、ハバニーズの性格について見ていきます。飼い主との信頼関係を築くうえで、性格の特徴を理解しておくことは非常に大切です。
温厚でマイペース
ハバニーズは温厚でマイペースな性格です。人に対してだけでなく犬に対しても友好的なので、初めて会う相手でも落ち着いて接することができます。そのため、犬を初めて飼う人や小さなお子さんがいる家庭などに向いています。
寂しがりやな一面も
愛嬌があり朗らかな性格でありながら、寂しがりやの一面もあります。もともと犬は群れの中で暮らす生き物なので、犬にとっての「群れ」である家族の姿が見当たらない状況になると、寂しがることも珍しくありません。
特にハバニーズの場合は、もともと人懐っこい性格なこともあり飼い主のそばにいたがります。しかし、子犬の頃から留守番のトレーニングをしていけば、飼い主と離れることにも慣れ、極端に寂しがるようなことは少なくなります。
ハバニーズと過ごす幸せな時間
温厚な性格で人懐っこいハバニーズは、犬を飼うのが初めての人に特におすすめです。毛色の種類も豊富なので、お気に入りの1匹が見つかるでしょう。ハバニーズの特徴や育て方を理解し信頼関係を築いて、幸せな生活を送ってください。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!