手作りドッグフードのメリット・デメリットは?犬に危険な食材も紹介
愛犬の健康のために、ドッグフードを手作りしている飼い主さんも多いです。
手作りのドッグフードは、市販のドッグフードよりも手間がかかります。しかし、愛犬の健康や好みに合わせた食事を作れることは、飼い主さんだけでなく、愛犬にとっても喜ばしいことでしょう。
この記事では、手作りドッグフードのメリット・デメリットや作るときの注意点について紹介します。
目次
手作りと市販のドッグフードの違い
ペットショップに行くとさまざまな種類のドッグフードが並んでいます。
どのドッグフードなら愛犬が美味しく食べてくれるのか、悩んだ経験のある方も多いのではないでしょうか?
またSNSや犬専門雑誌を見ると、ドッグフードを手作りしている人も多く見かけます。
愛犬に健康的で美味しい食事を楽しんでもらうためには、手作りのドッグフードと市販のドッグフードのどちらが良いのでしょうか?
まずは、手作りと市販それぞれのドッグフードについて特徴を紹介します。
手作りドッグフードの特徴
手作りドッグフードの特徴は、何よりも飼い主自身が食材を選べることです。
また、市販のドッグフードのようなドライフードとは違い、食材を茹でたり蒸したりすることが多いため、水分量が多くなります。
そのため、アレルギーがある犬や、あまり水分を取ろうとしない犬など、あなたの愛犬に合わせた食事を食べさせてあげられます。
手作りなので手間も時間もかかりますが、愛情をこめて手作りしたドッグフードを美味しそうに食べてくれたときの喜びは格別です。
市販のドッグフードの特徴
市販のドッグフードは犬に必要な栄養を考えられて作られているため、手間をかけずに栄養を摂取できることが特徴です。
適切な量をあげていれば、栄養が偏ることはありません。
また、ペットショップだけでなくインターネットでもたくさんの種類のドッグフードを購入できます。
そのため、愛犬の種類や年齢、健康状態に合わせたドッグフードを選ぶことが可能です。
手作りドッグフードのメリット
市販のドッグフードで十分に感じるかもしれませんが、手間のかかる手作りドッグフードには以下のようなメリットがあります。
愛犬の体調や年齢に合わせた食事を作れる
一番のメリットは、愛犬のその日の体調や年齢に合わせて、食事を細かく調整できる点です。
例えば「最近愛犬が太り気味…」という場合は、野菜を増やし、炭水化物やタンパク質の比率を減らすことで、カロリーを抑えた食事が作れます。
市販のドッグフードの場合は、ダイエット用のドッグフードに買い替えたり、食事そのものの量を減らしたりする必要が出てくるため、こまめに調整できるのは手作りドッグフード最大の魅力といえます。
また愛犬がアレルギーを持つ場合も、原材料が分かる食事を作れば安心して食べさせてあげられます。体重や体調によって食事の内容を変えるのは人間と同じですね。
新鮮で美味しいので食いつきがよい
作ってすぐ食べられるので、新鮮で美味しい食事ができることもメリットの1つです。
手作りドッグフードをあげる飼い主さんのなかには、市販のドッグフードの食いつきが悪くなったことをきっかけに、手作りドッグフードをあげはじめる方も多いです。
また、市販のドッグフードは食いつきをよくしたり、犬の毛並みを改善したりするために油でコーティングされています。
その油は空気に触れると酸化してしまうため、ドッグフードの袋を開いた時点から鮮度が落ちてしまいます。
手作りドッグフードは食事の都度新鮮なものを食べられるため、その心配はありません。
添加物が入っていないので健康的
添加物が入っていない点も手作りドッグフードの大きなメリットです。
添加物のなかには、犬に有害なものも含まれている可能性があります。
また、「無添加」と記載されている市販のドッグフードも増えていますが、保存料、着色料、人工添加物、香料のうち1種類でも使っていないものがあれば、「無添加ドッグフード」と呼べます。
そのため、市販のドッグフードが本当に無添加なのかどうかは、パッケージの裏側にある原材料表をすべて確認しないと分かりません。
その点、手作りドッグフードは飼い主がすべての原材料を把握できるため、健康的で安心といえます。
手作りドッグフードのデメリット
愛犬の食いつきも良く、健康にも良い手作りドッグフードは、メリットしかないようにも思えます。
しかし、デメリットもあります。
調理の手間がかかる
一番のデメリットは調理の手間がかかることです。
手作りドッグフードのレシピはインターネットで調べるといくつでも見つけられます。
しかし、人間の食事と同様に材料を切る、茹でる、蒸すといった工程が必要です。
また、ドッグフードは塩や醤油といった調味料が使えないため、飼い主の食事と別で作らないといけない点も負担となります。
長期保管がしにくい
手作りドッグフードは水分量が多く、保存料も入っていないため長期保存ができません。
そのため、食事の都度手作りする必要があります。
忙しいときでも1から作る必要があるため、飼い主のライフスタイルによっては手作りドッグフードをあげたくても難しい場合もあるでしょう。
冷凍保存が可能なレシピもあるため、忙しい飼い主は作り置きをして冷凍しておくと良いかもしれません。
ドッグフードを手作りするときの注意点
手作りドッグフードを作る際には、以下の3点に気をつけましょう。
- 味付けをしない
- カロリーオーバーに気をつける
- 栄養が偏らないようにする
味付けをしない
「調味料で味付けしてあげないと美味しくないんじゃないか…」と思う方もいるかもしれませんが、犬の食事は基本的に味付けは必要ありません。
犬は人間ほど味覚が鋭くないため、素材そのものの味で満足してくれるからです。
また、調味料で味付けすることのリスクの1つとして、糖分の過剰摂取があげられます。
「砂糖」で味付けをして糖分の過剰摂取が続くと、肥満や糖尿病のリスクが高くなります。
エネルギー源となる糖質はイモ類などで得られるため、わざわざ砂糖で味付けする必要はありません。
栄養は食材から摂取できるので、犬の味覚に不必要な調味料は無理に与えないようにしましょう。
カロリーオーバーに気をつける
愛犬が美味しそうに食べていると、思わずどんどん食べさせてあげたくなるかもしれません。
また、野菜より肉が好きな犬の方が多いため、肉を美味しそうに食べる姿を見ると、「明日はもっとお肉をあげよう!」と考えてしまう方もいるでしょう。
確かに肉は貴重なたんぱく源ですが、野菜に比べてカロリーが高く肥満に繋がる恐れがあるので、与えすぎは禁物です。
肥満は動脈硬化や高血圧、心臓病など愛犬の命に関わる病気の原因になるため、適切なカロリー内でドッグフードを作りましょう。
特に愛犬が肥満気味の場合は、肉や穀物の与えすぎに注意すべきです。
去勢をしている犬は、していない犬に比べて安静時の消費カロリーが少なくなっており、食欲も増えやすいので太りやすくなっています。
愛犬の状態に合わせたカロリーコントロールが必要です。
栄養が偏らないようにする
市販のドッグフードは栄養バランスが考えられていますが、手作りドッグフードは飼い主が考えないといけません。
1週間で食べる「肉・魚、野菜、穀物」の割合を「1:1:1」にすることで理想の栄養バランスに近づきます。
肉・魚はたんぱく質を豊富に含みます。
たんぱく質は体を構成する役割があり、肉食に近い雑食性の犬にはとても重要なエネルギー源です。
野菜はビタミンや食物繊維が多く含まれているため、皮膚を健康な状態に保ったり、便秘を解消させたりする役割があります。
また、肥満気味の犬にとってはローカロリーでかさましになる食材です。
穀物には炭水化物やたんぱく質、ミネラル、ビタミンなどが含まれているため、バランスの良い栄養源となります。
また、運動量が少なくなる高齢の犬は太りやすくなります。
そのため年齢に合わせて食材のバランスや量を考える必要があります。
手作りドッグフードにおすすめの食材
手作りドッグフードの食材は犬に必要な栄養素を満たすものを選びましょう。
おすすめの肉・魚、野菜、穀物の食材はこちらです。
<肉・魚のおすすめ食材>
- ・鶏肉
- ・豚肉
- ・鹿肉
- ・マグロ
- ・鮭
※いずれもきちんと火を通しましょう。骨がある場合はのどに刺さる可能性があるため、必ず骨を取り除きましょう。
<野菜のおすすめ食材>
- ・キャベツ
- ・トマト
- ・かぼちゃ
- ・にんじん
※加熱すると食べやすくなります。トマトは必ず熟れているものを選び、へたや茎、葉などは食べさせてはいけません。
<穀物のおすすめ食材>
- ・米
- ・さつまいも
※いずれもきちんと火を通しましょう。
以上がおすすめの食材です。
同じものをあげ続けたり、過剰に食べさせるとかえって体に良くない影響を与えることもあるため、バランスを必ず意識しましょう。
同じ食材でも「生ではダメだが、加熱すれば大丈夫」などの場合もあります。与える前に、調理が必要かどうか確認しましょう。
手作りドッグフードに使用してはいけない食材
手作りドッグフードをあげる場合は、犬に食べさせてはいけない食材を確認しておきましょう。
手作りドッグフードの中に犬が食べられない食材が入っていると、体調を崩したり、場合によっては死に至ることもあります。
絶対に食べさせてはいけないものは以下の通りです。
- チョコレート
- たまねぎ、ねぎ、にんにく
- ぶどう
- 生肉、生魚
- カフェイン
- アルコール
このほかにも食べさせてはいけないもの、食べ過ぎない方がよいものがあります。
手作りドッグフードを作る際には事前に調べてから食材を決めましょう。
まとめ
可愛い愛犬には美味しい食事で健康になってもらいたいですよね。
手作りドッグフード、市販のドッグフードどちらにもメリット・デメリットがあります。
必ずしも「手作りの方が飼い主の愛情が強い」というわけではありません。
どちらのドッグフードが合っているかは、愛犬の健康状態や飼い主のライフスタイルによってまったく異なるからです。
愛犬も飼い主も無理なく幸せに、健康に過ごせるドッグフードを選びましょう。
この記事のライター
nana
泳ぎも走りも得意な運動神経抜群のゴールデンレトリバーと暮らしています!今は愛犬とタンデムサーフィンの練習中。いつまでもアクティブに楽しく過ごせるような情報を発信していきます。
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