犬は炭酸泉に入れるの?炭酸泉の特徴や入れる場所を紹介!
ドイツで発祥し、古くからヨーロッパで親しまれている炭酸泉は、お湯の中に炭酸ガスが溶け込んでいるお風呂のことを指します。最近では一般的な入浴施設などにも設置されているので、入ったことがある方も多いと思います。体が温まるなどの理由から、多くの人から愛用されている炭酸泉ですが、犬たちにも効果が期待できると注目を集めています。そこで、この記事では犬にとって炭酸泉が有効と言われる理由や特徴、犬が炭酸泉に入れる場所についてご紹介します。
炭酸泉の特徴って?
炭酸泉には、天然炭酸泉と人工炭酸泉があります。日本で一般に炭酸泉と呼ばれているのは、温泉法上では二酸化炭素泉に分類されているもので、お湯1リットルに対して二酸化炭素が1,000mg(1,000ppm)以上含まれているものと定義されています。
日本には天然の炭酸泉は数えるほどしかありませんが、ヨーロッパでは、高濃度の炭酸泉が多く湧き出ています。ドイツでは、古くから「心臓の湯」とも呼ばれ入浴療法が行われています。また、糖尿病や高血圧、アトピー性皮膚炎などの改善が医療機関に認められ、治療の一環として健康保険が適用されています。
炭酸泉の特徴は「泡の湯」
炭酸泉は言葉どおり炭酸がお湯の中に溶け込んでいるお風呂のことで、ソーダの湯やラムネの湯と呼ばれることもあります。炭酸泉は、Ph4.5〜5.5の弱酸性のお湯で、比較的ぬるい温度に設定されていることが特徴です。炭酸泉に入ると、体に炭酸の泡がつきますが、これは皮膚から炭酸ガスを取り込んでいる現象です。
期待できる炭酸泉の効能
温泉法上で認められている人への効能は、切り傷、末梢循環障害、冷え性、自律神経不安定症で、飲むことで胃腸機能低下の改善が期待できるとされています。では、犬への効能としては何が期待できるのでしょうか?
犬にも期待できる4つの効能
日本には、天然の炭酸泉がほとんど存在しないため、炭酸ガスをお湯に溶け込ませる特別な装置を使用して人工的に炭酸泉が作られています。犬が入れる炭酸泉もこの人工炭酸泉です。
犬独特の臭いを軽減
皮膚の状態が弱酸性に近づくことで、独特の犬の臭いを発生させる雑菌の繁殖が抑えられ、独特の臭いが和らぐ可能性があります。
皮膚を弱酸性に傾ける
一般に犬の皮膚はアルカリ性であると言われていますが、ある研究によると犬の皮膚のpHは5.5〜9.1と非常に幅広いことがわかっています。また、犬種や性別、年齢によっても大きく異なることも解明されてきていますが、現在でも研究途中で確定的なデータはありません。しかし、膿皮症やマラセチア、アトピー性皮膚炎などの皮膚病は、皮膚の状態がアルカリ側にあると菌が繁殖しやすくなることがわかっています。
炭酸泉は、Ph4.5〜5.5程度の弱酸性のため、炭酸泉に入ることで皮膚のPhも弱酸性に近づくと言われています。そのため、皮膚病の犬は菌が繁殖しにくくなる炭酸泉の入浴が推奨されているのです。
血行促進
炭酸泉には、血行促進効果があることが人の医学では証明されています。炭酸泉は、毛細血管を広げ血行を促進する効能があります。ぬるめの炭酸泉にゆっくりと浸かることで、全身の血行が良くなり新陳代謝が活発化、免疫力の向上も期待できます。
ツヤツヤの被毛に!
弱酸性の炭酸泉は、細かい泡で毛穴の汚れを取り除き、毛根を健康な状態にする効果が期待できます。毛根が健康になることで、被毛にツヤやハリが出て、サラフワの美しい毛並みが期待できます。
犬が入れる炭酸泉はどこ?
人だけではなく、犬にとっても効能が期待できる炭酸泉。皮膚や被毛の引き締め効果やアルカリの除去能力にも優れている炭酸泉ですが、どこへ行けば犬を入れることができるのでしょうか?
トリミングサロンでは人気のメニュー
最近では、シャンプー剤にアレルギーのある犬や皮膚疾患のある犬のために、炭酸泉を取り入れているトリミングサロンも多く人気メニューとなっています。トリミングサロンでは、炭酸泉のお風呂だけではなく、炭酸泉シャワーやシャンプーとのセットなど、オプションとして炭酸泉をプラスしているサロンも多くあります。
おすすめは動物病院
犬にもさまざまな入浴効果が期待できることから、炭酸泉に注目し治療やリハビリの一環として取り入れる動物病院が増えてきているようです。また、シャンプーやトリミングを行っている動物病院の中には、炭酸泉を設置している病院もあるので、近くの動物病院をぜひ調べてみてください。
犬を炭酸泉に入れる場合に注意すること
犬にとっても嬉しい効果が期待できる炭酸泉ですが、注意が必要な場合もあります。少しでも気になる症状がある場合は、まずは獣医師に相談してから炭酸泉に入れるようにしましょう。
体温上昇によるのぼせに注意
炭酸泉は炭酸濃度を維持するために温度設定が低いことが特徴です。犬が入浴する場合は、5〜10分ほどの時間が目安とされていますが、心臓疾患のある犬やシニアの場合は、炭酸泉の体温め効果が逆効果となってしまう場合もあります。特に、自宅で入浴剤を使用して炭酸泉を作る場合は入浴時間に注意しましょう。
皮膚トラブルのある場合
炭酸泉は血行が良くなることが特徴の一つ。そのため、かゆみのある皮膚疾患を持っている犬の場合、さらにかゆみがひどくなることもあるため注意が必要です。
炭酸泉にはリラクゼーション効果も
低い温度での温浴はゆっくり体を温めることで、副交感神経を刺激し興奮を鎮める効果が期待できます。ストレスを感じているコやイライラしているコには、炭酸泉でリラックスさせてあげたいもの。また、体を温め血行を促進することで、関節痛やヘルニアの痛みを緩和する効果も期待できるので、愛犬の体が冷えているなと感じたらぜひ炭酸泉に浸かってみてはいかがでしょうか?
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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