【獣医師監修】犬が来客に吠える理由を知ろう|犬種ごとの違いや正しい対応についても解説します
犬は来客があると吠えるようなイメージがありますよね。警戒している場合もあれば、構って欲しくて吠えている犬もいるので理由はさまざまですが、吠える犬と吠えない犬の違いについて考えた事はありますか?犬種・性別の違い、相手との関係性、体調の変化など、吠えるという行動はあなたの犬の性質・健康状態を知る上でのバロメーターとしても機能します。
今回は、犬が吠える理由と、正しい対応について詳しく解説していきましょう。
犬種や性別による吠えやすさの違いについて
まず、吠える犬と吠えない犬の差としてよく耳にするのは犬種の違いです。その内容としては、来客に無駄吠えをする犬は気性の荒い犬種が多く、騒音トラブルを気にする場合は気性が穏やかな犬種を選んだ方が良い、というものです。
それ以外にも性別や環境の違いなども考えられるため、「これが理由で吠える」とは一概には言えるものではありません。ここでは、「吠えやすい」と考えられる理由についてひとつずつ順番に説明していきます。
性別による違い
気性が荒い犬種かどうかは関係なく、犬は性別によっても吠えやすさの違いは表れます。一般的にはオスの方が縄張り意識の強さから来客に吠える事が多く、メスの方が大人しくマイペースな傾向にあるという説はあります。
環境による違い
元々の性格とは別に子犬の時期の環境によっても影響を受けます。幼い頃から外の空気や匂い、さまざまな音を体感させていれば、他の物に恐怖心や警戒心を抱きにくい社交的な性格に育つでしょう。来客に吠える原因には警戒心の強さも考えられるので、1歳頃までに社会性を身に付けさせる事も対策として重要になります。
気性の荒い犬種
無駄吠えが多く気性の荒い犬種として有名な犬には、ダックスフンドやコーギー、ポメラニアン、テリア種などが挙げられます。元々が狩猟犬で元来狩りの際に吠えて知らせることが役割だったことだったり気が強い一面がある事が原因ですが、賢い犬も多く子犬の頃からしっかりしつければ無駄吠えを抑える事は十分可能です。
気性が穏やかな犬種
比較的気性が穏やかで飼いやすい犬種としてはゴールデンレトリバー、パグ、シーズー、ブルドッグなどが挙げられますが、吠えない理由としてはその温厚でフレンドリーな性格や、鼻ぺちゃの犬種は声が響きにくく吠えにくいという特徴が挙げられます。ただし、吠えにくいからと言ってしつけなければ来客への無駄吠えに繋がる場合もあるので、どの犬種を飼うにしても吠えるかどうかは飼い主さんの行動次第であること、そして個体差はあるのでその子の性格次第と言えるでしょう。
犬が特定の家族に吠える原因
来客があった時、チャイムが鳴った時に犬が吠えるのは、最初に軽く説明した通り知らない人や音に対する警戒心・好奇心が原因であると考えられます。しかし、もし吠える対象が家族だった場合はどうすればいいのでしょうか。
犬によっては、特定の家族に吠える、噛みつく、といった行動を取るケースも見られます。ここでは「犬が家族に吠える理由」と「吠えられないための対策」について紹介していきましょう。
家族なのに吠えられる理由は?
第一に、犬にとっての家族とは群れの事です。群れの中で飼い主さんが自分より上の地位だったとしても、他の家族も同じだとは限りません。
特定の家族に吠えるという事は、犬が相手を「自分よりも立場が下の存在」だと考えているのかもしれません。主な原因としては、大きな声で怒鳴るなど「苦手意識を持たれている」事や、しつけで叩いたり怒ったりするなど「嫌な事をされた記憶がある」、普段から顔を合わせない、家を空けているなど「家族と思われていない」事が考えられます。
吠えられないための対策
特定の家族に吠えないよう改善するためには、犬との信頼関係を築く事が大切です。もし苦手意識を持たれているのなら、犬にとって好ましく感じる「高めの明るいトーンで声をかける」よう心掛けるほか、しつけで怒ったりせず「常に笑顔を意識し優しい態度で接する」、「一緒に遊んだり散歩に行く」事で家族として認識してもらうよう行動を変えていきましょう。
犬に吠えられない為には群れの中での地位を上げて、「来客」ではなく「家族」になる事を目標にするのが一番の対策になります。
犬が突然吠えなくなった場合の理由は?
犬が吠える場合、基本的にはその原因を考えてしつけなどの対応を行っていく必要がありますが、もし突然吠えなくなった場合はどのように考えるべきでしょうか。来客があれば必ず吠えていた犬が反応を示さない時、それが良い傾向なのか悪い傾向なのかはよく観察してみなければ分かりません。
それでは最後に、「突然犬が吠えなくなった場合」の原因と対応について紹介していきましょう。
無駄吠えの原因が解消された
まず考えるべきなのは、ここ最近犬の環境に何かしら変化はなかったかという点です。もし、いつもよりも遊んだ・運動していた、寝床が変わったなどの変化があれば、それはストレスが解消された事が理由かもしれません。
運動不足や落ち着かない環境は犬にストレスを与え、無駄吠えの原因となります。それらが解消・軽減された事で来客に吠えなくなったのなら、今後も継続していけば吠える回数を減らしていく事も可能でしょう。
体調が悪い
もし吠えなくなった以外にも様子がおかしいようであれば、体調を崩している可能性も考えられます。普段と比べて食欲や排泄に異常はないか、息は荒くないか、ふらふらしていないかなどチェックし、少しでも元気がない、痛がっているような様子があればすぐに動物病院に連れて行きましょう。
場合によっては気管支や呼吸器の病気が原因の可能性もあるので、日頃から犬の様子をよく観察しておく事が大切です。
老化が始まっている
犬の年齢によっては、シニア期に入ったために老化で耳が遠くなっている事も原因として考えられます。来客以外の場面でも、音が聞こえづらい様子がないかを観察してみましょう。
シニア期に入ると性格の変化もあるため、成犬期よりも外に対する興味が薄くなっている可能性もあるでしょう。
もし老化であれば食事や運動などの調整が必要になってくるので、吠えなくなった事も体調変化のサインかもしれないという事を意識しておく必要があります。
愛犬が吠えている理由を理解しよう
犬が来客に吠える場合はしつけが必要ですが、何故犬が吠えているのかを理解していなければ根本的な解決は難しいものです。犬種や性別、警戒心や好奇心以外にも、飼い主さんや家族の行動が原因で吠えている可能性も否定できません。
そして急に吠えなくなったからといって安心せず、体調が変化していないか日頃から気を配る事も飼い主さんの大切な役割です。無駄吠えだと一括りに考えたりせず、犬は吠える動物であると知った上で犬と向き合っていく姿勢を大切にしてあげてくださいね。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!