【獣医師監修】犬に市販の下痢止めは使える?判断基準や注意点を解説します
愛犬が下痢をした際に、下痢止めや人間用の整腸剤などを使用したことはありますか?愛犬が何度も下痢を繰り返していると少しでも止めてあげたくなりますよね。今回は、犬が下痢になった時に下痢止めを使用する場合の注意点や気を付ける点などについて解説していきます。
犬が下痢をする原因とは
犬が下痢をする原因はさまざまです。環境の変化などによるストレス、食餌の変更、異物を食べてしまった、寄生虫感染、細菌感染、ウイルス感染、腫瘍など下痢を引き起こす要因は数多く存在します。犬が急に下痢をしても元気や食欲がある場合は、下痢止めの内服薬や乳酸菌製剤を与えることで改善が見られることもあります。
一方で、原因として感染症などの疑いがある場合は、下痢止めの内服薬を使うことで病原菌が排泄されず体内に残ってしまうこととなり治療が長引くことがあります。その場合は下痢止めの内服薬を使っても完全にはよくならず、抗生物質や駆虫薬など下痢の原因に応じた投薬治療が必要となってきます。
下痢止めの内服薬にはどんな効果があるの?
下痢止めの内服薬はどのような効果があって使用されるのでしょうか?一般的な下痢止めの内服薬には、下痢をした時に体内で起こっている腸の炎症を抑えたり粘膜を保護したりする作用があります。軽度の下痢であれば、このような効果により治癒が望める場合も多くあります。
下痢止めを使用するかどうかの判断基準は?
下痢止めの内服薬を使用するかどうかは、病院で獣医師が犬の全身状態を検査し、総合的に診断がついてからが良いでしょう。愛犬の下痢を発見した時に家で出来ることは、半日~1日の絶食です。それでも改善が見られない場合は、動物病院に連れて行きましょう。
動物病院では一般的な身体検査や糞便検査などが行われます。寄生虫が原因の場合、糞便検査で見つかることが多いです。寄生虫が原因の場合は根本的な原因である寄生虫に効く駆虫薬が投与されます。
寄生虫が検出されずに元気もあり軽度の下痢の場合は、下痢止めの内服薬と乳酸菌などの整腸剤が処方されることが多いです。それでも良くならない場合や重度の下痢の場合は血液検査や画像検査など詳しい検査が必要となり、必要に応じて抗生物質なども用いられます。
市販の下痢止めの薬を使用しても良いの?
犬の下痢止めはインターネットでも購入できます。しかし犬が下痢をした時に市販の下痢止めの薬を使用することはあまりおすすめできません。先述のように、安易に下痢止めの薬を使ってしまうと、原因によっては症状が悪化してしまう可能性もあるからです。
基本的に動物病院できちんと検査をしたうえで、下痢止めの薬を使って良いのかを判断するのが安心でしょう。
ただし、その子が「何らかのストレスでよく下痢をしてしまう体質である」など下痢の原因が明らかな場合は、一度かかりつけの動物病院に市販薬を使ってもよいか、またはもしものときの常備薬として整腸剤などを処方してもらえるかを相談してみるといいでしょう。
下痢止めとしてビオフェルミンを与えても問題ない?
犬が下痢をした時に人間用のビオフェルミンを与えても大丈夫なのでしょうか?答えとしては特に副作用もなく問題はありません。しかし人間用の整腸剤ですので、犬用の整腸剤とは含まれている成分の割合が異なります。すべての下痢に効果があるわけではありませんが、少し軟便になったという時に飼い主さんの判断で与えても問題はありません。
しかし先述の通り、整腸剤を与えるだけでは治らない原因の下痢もたくさん存在します。ビオフェルミンを与えたから大丈夫というのではなく、与えたあともよく様子を見て、下痢の状態が変わらないもしくはひどくなるようなら早めに動物病院の受診をお勧めします。
普段から愛犬の様子をよく観察しておくことが大切
今回は犬が下痢をした時の下痢止めの内服薬の使用について解説してきました。愛犬が下痢をしたからといって、下痢止めの内服薬は安易に使わないようにしましょう。
どのような病気にも当てはまりますが、一番大切なことは普段の愛犬の状態を知っておくことです。少しストレスがかかると下痢をしやすい、散歩中に拾い食いする癖があるなどの傾向を知っておくことで、何かあった時の判断が早くできます。
愛犬にストレスがかかる場面を知っておくと、飼い主さんも対処がしやすいと思います。家族の一員である愛犬の体調を毎日チェックして、健康に過ごせるように気を配っていきましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!