ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアって知ってる?性格や特徴など飼い方の基本情報まとめ!
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアという犬種を知っていますか?真っ白でコロンとした体型と可愛らしい見た目で、愛玩犬のイメージが強いですが、意外と活発で運動能力が高い犬種なんです。ここではウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(通称ウェスティ)の歴史から犬種の成り立ちを紐解き、身体的特徴や育て方のポイント等をご紹介していきます。
目次
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの誕生のルーツ
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは「ウェスティ(Westie)」という愛称で親しまれるイギリス・スコットランド原産の小型犬です。英語でWest Highland White Terrierと書き、その名の通り「ウェストハイランド地方」で猟犬として誕生したテリア犬の一種となります。海外でも人気の高い犬種ですが、JKC(ジャパンケネルクラブ)のデータによると日本での登録数は毎年30位前後と安定した人気があります。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアはテリアの中では比較的有名な犬種で、黒のスコティッシュテリアと共にスコッチウィスキーの銘柄「ブラック・アンド・ホワイト(英語版)」のラベルのキャラクターとしても採用されています。
狩猟の悲劇から真っ白な被毛へ
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、ポルタロックという小さな町で誕生したと言われています。
当時ポルタロックの領主を務めていたエドワード・ドナルド・マルコム大佐が、狩猟の最中に自身の茶色いテリアをキツネと間違えて撃ってしまったという何とも胸の痛くなる悲劇から、この不運な事故を二度と起こさないように、と当時は虚弱だとされていたホワイト色の被毛を持つテリア種を生まれ変わらせる計画を打ち出しました。19世紀頃のお話です。
その白いテリアが現在のウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの元となっています。
ウェスティの先祖は白色のテリアたち
大佐の視力の悪さ・悪天候という不運が重なった結果の悲劇ではありましたが、二度とこのよう不運な事故を起こさないために、マルコム大佐は、スコティッシュテリアやケアンテリアから時々生まれるホワイト色の被毛を持つ個体を選別し、交配を重ねました。
ようやく現在のウェスティの重要な血統と考えられる白いテリアが誕生し、土地の名前から当時は「ポルタロック・テリア」と名付けられていました。そして、白い被毛のコは虚弱という迷信を覆して勇敢で丈夫な犬種として有名になり、同犬種は大人気となっていきました。
ローズニーズ・テリアも語っておかねばならない
「ポルタロック・テリア」が誕生した頃、当時これに似た白いテリアが他にも繁殖されており、それが『ローズニーズ・テリア』という犬種です。スコットランド有数の名族出身のアーガイル公ジョージ・キャンベル氏が白い被毛のスコティッシュテリアを計画的にブリーディングしており、1899年のドッグショーでは「ローズニース」の犬種名で参加するほどになっていました。
しかしながら別々なルーツを辿ってきたかに思われる、この犬種「ポルタロック・テリア」『ローズニーズ・テリア』は非常に外見が似ていたため、この2つ犬種をまとめて“ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア”と呼ぶことが決められ、1908年アメリカのケネルクラブで犬種として認定され、今日に至ります。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアにはどんな特徴がある?
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは狩猟犬として活躍していたため、それ相応の身体付きをしています。また、真っ白で少しゴワゴワとした硬めの被毛にも狩猟犬としての理由があります。それでは、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの特徴をご紹介していきます。
被毛や抜け毛について
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの毛色はホワイトに限りますが、やや黄みがかった色の個体もいます。被毛は長毛のダブルコートで、上毛は約5cmの剛毛、下毛は柔らかく短い毛が密集しています。 この上毛の剛毛は狩猟の際にケガをしないためだと言われています。
ダブルコートなので換毛期は多くの毛が抜けます。ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは通常時もある程度の抜け毛はあるので、こまめなブラッシングを心掛ける必要があります。
体型や体質
スタンダードの規定に体重の基準はありませんが、およそ7〜10kgが平均的な体重となります。 体高は28cmが標準体型です。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのチャームポイントは三角の立ち耳にピンと立った尻尾。 脚は一般的なテリア種よりは長めですが、体高に比べて体長がやや長いスクエア型をしています。 ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのマズルはやや長めに見えますが、短い顎にシザーズバイトの噛み合わせがスタンダードです。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの平均寿命や気をつけたい病気
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの平均寿命はおよそ12〜16歳です。健康上の欠点があまりない傾向ですが、皮膚疾患(ひふしっかん)にかかりやすいとも言われています。
アレルギー性皮膚炎
アレルギー性皮膚炎は主にノミや食事で発症し、症状は激しい痒みが出ます。 運動が大好きな犬種なので、外で遊んでいる最中にノミが付いてしまうこともあると思いますが、 ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの被毛は下毛が密集しているので、毛の中に入ってしまうと簡単には見つけられません。暖かくなってきたらノミ・ダニ駆除の駆虫薬は忘れないようにしましょう。
また、ドッグフードの成分が合わずにアレルギーを発症することもあります。病院でのアレルギー検査では原因を特定できない事が多いようなので、別のドッグフードに切り替えるなどの対策も必要です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の遺伝関係を調べた様々な文献や報告の全てにウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアが登場する事から、遺伝的なアトピー性皮膚炎の好発犬種とされています。
この病気は家の中でダニやホコリを吸引することで発症し、激しい痒みを伴うのが特徴です。 アトピー体質を投薬無しでコントロールする事は非常に難しく、痒がる犬をそのままにしておくと掻きむしった皮膚から二次感染を起こす可能性があります。
季節の変わり目は痒みが出やすいので特に注意が必要です。ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアに投薬していても症状が改善されない場合は薬が合っていない可能性があるのでセカンドオピニオンも検討しましょう。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは大人しい?
他のテリアに比べると穏やかな性格をしているウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア。 可愛らしい見た目からは優しい雰囲気を感じますが、実際のところはどうでしょうか?
勇敢で自尊心も強い
テリアの中ではマイルドな性格とは言え、狩猟犬として活躍出来るだけの勇敢な一面も持っています。 ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは普段は穏やかな性格をしていても、敵対心を持った犬に対しては攻撃性が出る事もあるので注意しましょう。
また、自尊心も強く、頼りない飼い主に対しては強気に振る舞うことも。 ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの自尊心は飼い主さん次第で抑えることが出来ます。 飼い主さんがしっかりとリーダーシップを取っていきましょう。
友好的でいたずら好きな性格
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアはとっても活発で友好的な犬種です。 飼い主さんと心が繋がる事を好むので、スキンシップの時間はたくさん取ってあげましょう。 ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは元々いたずら好きですが、遊びや運動の時間が足りないと更にいたずらに磨きがかかってしまいます。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアを上手に育てるコツ
活発でテリア気質なウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアはどのように育てたら良いのでしょうか? 飼育環境やしつけ方法など、知っておくべき4つのポイントをご紹介します。
1.しつけ
自尊心が強い犬種なので、しつけはしっかりと行いましょう。 注意をする時やコマンドを教える時はき然とした態度で接する事が重要です。 可愛らしい見た目に流されて甘やかしてしまうと、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアはすぐに自分が上位だと思ってしまいます。
また、家族がそれぞれバラバラなしつけ方をするとウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは混乱してしまいます。家族全員が一貫して同じしつけをするように心がけてください。
2.ケア
週に2~3度のブラッシングは必須になります。カールがなく被毛は硬めなので、毛の状態が良ければ大きなゴミは簡単に取り除けるでしょう。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは皮膚炎にかかりやすい犬種なので、日々のケアで皮膚の状態をチェックする事も忘れずに。 また、体の一部を執拗に掻いたり舐めたりしていないか日々気を配ってあげてください。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは真っ白な被毛が特徴です。 食事の際に口周りが汚れたり、散歩の際に足元が汚れたりすると被毛が赤茶色く変色してしまいます。口周りは特に毛が長いので、汚れたらこまめに拭いてあげましょう。
3.運動
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは抱っこされるだけで満足するような犬種ではありません。 1回30分の散歩が1日2回は必要となるでしょう。スタミナがあるので、のんびりした散歩のみではストレスを溜めてしまいます。
ドッグランでのびのび走らせるのも良いですが、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの性格を考えると飼い主さんも一緒に楽しめる運動が向いているでしょう。運動神経は抜群で学習能力も高いので、大抵のドッグスポーツはこなすことが出来ます。
4.環境
室内飼いが基本の犬種です。ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは飼い主さんとの繋がりを求める犬種なので、ケージやクレートは常に家族のいるリビングに設置してあげると良いでしょう。
また、家族以外の人に対して警戒心を出すことがあります。 普段は部屋で放し飼いをする場合でも、警戒心が出た時にウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアが落ち着けるような居場所を作っておいてあげてください。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアと楽しい暮らしを!
基本的には明るく友好的なウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアですが、テリア特有の気の強さが顔を覗かせる事もあります。テリアの気質を活かした飼育をすることでお互いがストレスなく幸せに付き合っていくことが出来るでしょう。ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの運動神経は十分に発揮させてあげたいもの。まだ挑戦したことがない方はドッグスポーツを一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか?
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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