キャリアチェンジ犬とは?ボランティアなどについてご紹介
キャリアチェンジ犬、という言葉を聞いたことはありますか?ここでは、犬を迎えたいと考えている方にキャリアチェンジ犬をその選択肢の一つとして考えていただけるよう、キャリアチェンジ犬のすべてをご紹介していきます。
目次
キャリアチェンジ犬とは?
盲導犬や介助犬になるように育成されていた犬に身体的問題があったり、訓練を受けたものの適性がないと考えられた犬は「キャリアチェンジ犬」として育てられます。盲導犬や介助犬を目指すための訓練を受け、実際に盲導犬や介助犬になるのは2〜3割程度で、大部分の犬は役目をチェンジしたキャリアチェンジ犬として一般家庭に引き取られていきます。主に次のような協会などから引き取ることができます。
日本盲導犬協会
目の見えない人や目の見えにくい人が、自分で行きたい場所へ行きたいときに行くことができるよう、安全で快適な盲導犬との歩行を提供する協会です。
日本聴導犬協会
耳が聞こえない人や耳の聞こえにくい人に必要な情報を伝えてくれる、聴導犬との生活を提供する協会です。
日本アニマルセラピー協会
高齢者施設や病院、障害者施設、幼稚園・小学校への訪問、犬の躾・訓練、各種資格認定など、犬と共に心の癒しに関連する活動を行っている協会です。
日本介助犬協会
手や足に障害がある人の日常生活動作を手助けする介助犬との生活を提供する協会です。
キャリアチェンジ犬の主な進路先は?
キャリアチェンジ後の主な進路には、以下のような例があります。
- 一般家庭へ譲渡されペットとして生きる
- 啓発活動の場などで活躍する盲導犬PR犬となる
- 介助犬・聴導犬として活躍する
- セラピードッグとして活躍する
盲導犬になれなかった犬はキャリアチェンジ後、それぞれの性質にあった環境のもとで暮らすことになります。新たに活躍できる場所や、幸せになるための進路が用意されています。
盲導犬になれなかった=問題がある犬?
ここで勘違いをしてほしくないことは、盲導犬になれなかったから何か問題がある犬なんじゃないかと思われる方がいらっしゃいますが、そうではありません。
キャリアチェンジ犬になる理由は様々ですが、ただ盲導犬の仕事には向いていなかったというだけで家庭犬として大きな問題があるような犬ではありません。
キャリアチェンジ犬を迎え入れるための条件とは
キャリアチェンジ犬を家庭に迎え、生涯責任をもって大切に飼育する人を「キャリアチェンジ犬飼育ボランティア」と言います。飼育ボランティアと認定される条件は協会により異なりますが、主に次のような基本条件があります。
室内飼育
子犬の頃から室内飼育で管理されている子ばかりなので、室外飼育になると疎外感から問題行動を起こしてしまう可能性があります。
留守が少ない
キャリアチェンジ犬は人間のそばにいることが大好きです。安心して過ごせるよう、家族が留守にすることが少ない家庭がボランティアに向いています。
健康管理できる
日常的な食餌や運動の管理、ワクチンやフィラリア症予防、グルーミングなど、適切に犬の健康管理ができる家庭が条件です。
その他
犬が15才くらいまで生きることを考え、飼育者の年齢が65才以下であることが条件になります。また、飼い主さんが事情により飼育できなくなった場合を考え、単身世帯でないことも条件です。そのほか、家族全員が飼育ボランティアに賛同していることや、愛情をもって生涯を共にできることなどが条件になります。
キャリアチェンジ犬を迎え入れるときの譲渡の流れ
キャリアチェンジ犬の譲渡の流れは各協会により異なるので、譲渡を受けたい協会に問い合わせてみると良いでしょう。ここでは、日本盲導犬協会の譲渡の流れをご紹介します。
- 待機者登録とその登録申込書
- 犬の紹介
- トライアル、譲渡
①待機者登録とその登録申込書
キャリアチェンジ犬飼育ボランティア登録申込書を作成して、訓練センターに郵送することによって仮登録します。協会が詳細確認をした後、問題がなければ待機者として本登録となります。
②犬の紹介
待機者に本登録の後、犬の紹介まで数ヶ所~数年の待機期間があります。犬とのマッチングは、迎え入れる側の家庭の希望と、犬と家族との相性が考慮されます。キャリアチェンジ犬の紹介を受けてから、訓練センターにおいて実際にキャリアチェンジ犬との面会となります。そして飼育に関するアドバイスを受け、そのまま犬を連れて帰るか、後日迎えに行きます。
③トライアル、譲渡
約2週間程度、犬との実際の生活をトライアルします。そこで問題がなければ、引き渡し(譲渡契約)になります。譲渡後も年一回程度、状況確認などのアンケートがあります。
会員費や寄付金が必要
キャリアチェンジ犬を完全無料で譲ってもらえると思っている人もいるのですが、譲渡時に寄付金が必要になる場合があることを覚えておきましょう。
犬がそこまで成長するためには、育成費用(フードやトイレ代)、健康管理、去勢避妊手術、医療費など多くの費用がかかっています。寄付という形で盲導犬の育成を応援してくださるご家庭に譲渡するということになります。
協会によって、譲渡時に一括で寄付の場合などもありますが、賛助会員として月額(もしくは一口以上分の)費用が必要になることもあります。犬を譲ってもらうのにある程度費用がかかることは頭に置いておきましょう。
キャリアチェンジ犬と幸せな生活を
キャリアチェンジ犬は、盲導犬や介助犬には向いていない、と判断された犬です。その理由は活発すぎたり、警戒吠えしてしまうといったものなので、家庭犬として迎えるには何ら問題ありません。犬の入手先に迷っている人は、キャリアチェンジ犬を家族に迎え入れることも検討してみてはいかがでしょうか。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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