戌の日をご存知ですか?意外と知られていない戌の日について詳しくご説明します
犬好きの方のあいだでは11月1日がワン・ワン・ワンの日(犬の日)ということは有名かもしれませんが、全く別の戌の日(いぬのひ)をご存知でしょうか。
戌の日とは、妊婦さんの安産祈願をする日のことです、何故それを戌の日というのか、犬との関連はあるのか、その日にどんなことをするのかなど、意外と知られていない戌の日についてご紹介いたします。
戌の日とは?
戌の日の「戌」は十二支の戌(いぬ)を示しています。妊娠した女性がお産が軽くすむように、暦で決められた戌の日に腹帯(岩田帯)を巻き安産を願う、古くからの習わしがあるのです。
戌の日は安産祈願の日
今でこそ出産は設備の完備した病院で産むことができますが、誰もが家で子供を産んでいた昔は、自分の力ではどうにもできない大きなリスクを背負って出産と向き合っていました。 少しでも安産であるように、何事もなく無事出産できるようにという思いが、戌の日に神仏に安産を願うということにつながったのでしょう。
戌の日と犬の関係性は?
犬は比較的お産が軽く、一度に多くの子犬を産むことから、犬(戌)の安産にあやかって 暦の戌の日を安産祈願の日と定めたのがこの習わしの由来です。
戌の日に安産祈願のためにすることとは
戌の日の安産祈願では、いつどこで何をすればいいのか良くわからないという人も多いのではないでしょうか。 ここでは神社での安産祈願について調べてみました。
帯祝い
「帯祝い」とは妊娠5ヶ月目の安定期に入ったころの戌の日に、安産祈願をした腹帯を初めて巻くお祝いの日のことで、日本に古くから伝わる行事です。
安産を祈って「岩田帯」と呼ばれる腹帯を妊婦に贈ったり、神社で祈祷した「岩田帯」を貰ったりします。 岩田帯はさらしでできており、戌の日から身に着けると安産になるといわれており、安産祈願の他にも母体の冷えを防いだり、保湿したりする役目もあります。
神社での安産祈願
安産祈願をするには戌の日であればいつでもかまいませんが、妊娠5ヵ月目の戌の日には神社で安産祈願をしてもらい、お祓いと祈祷済みの腹帯を受け取ります。
腹帯は自分で用意したものを持参して祈祷してもらうものや、神社で用意されたものを使うことが決められているなど神社によって違ってきます 事前に安産祈願をしてもらう神社に聞いて確かめておくといいいでしょう。
戌の日の計算方法
日本の暦にはそれぞれ十二支が当てはめられており、戌の日は12日に1度めぐってきます。
暦と言えば六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)が良く知られていますが、安産祈願は六曜とは関係がなく、祈願の日が仏滅であってもかまいません。 ただ、戌の日と大安が重なっている日に安産祈願を行う人が多いといわれています。
2022年の【戌の日】カレンダー
- 1月の戌の日 9日(日)・21日(金)
- 2月の戌の日 2日(水)・14日(月) ・26日(土)
- 3月の戌の日 10日(木)・22日(火)
- 4月の戌の日 3日(日)・15日(金) ・27日(水)
- 5月の戌の日 9日(月)・21日(土)
- 6月の戌の日 2日(木) ・14日(火)・26日(日)
- 7月の戌の日 8日(金) ・20日(水)
- 8月の戌の日 1日(月)・13日(土)・25日(木)
- 9月の戌の日 6日(火)・18日(日)・30日(金)
- 10月の戌の日 12日(水)・24日(月)
- 11月の戌の日 5日(土)・17日(木)・29日(火)
- 12月の戌の日 11日(日)・23日(金)
2022年の大安の戌の日は?
- 4月3日(日)
- 4月15日(金)
- 4月27日(水)
六曜を気にされる方は、参考にしてみてください。
戌の日に神社で安産祈願するときの決まりについて
神社で安全祈願をしてもらうときに決まりなどはあるのでしょうか。
初穂料の相場は?
神社に安産祈願の祈祷をお願いする時に納める祈祷料のことを初穂料といいます。 社務所で祈祷の受付を行う際に手渡しますが、紅白の蝶結びの水引きのし袋を使って、上段に初穂料と書きます。
初穂料の額は神社によって違いますが、相場は3,000円~10,000円程度のところが多いようです。
安産祈願に行くときの服装は?
特に服装の決まりなどはありませんが、妊婦はお腹まわりが大きくなってくる頃なので、シンプルでゆったりとした服装で出かけましょう。 男女ともにあまり派手なものやカジュアルすぎるものは避けて、できるだけきちんとした服装にしましょう。
誰と一緒に行くのがいい?
誰と参拝しなければならないという決まりはありません。夫婦二人でも、どちらかの両親と一緒でもかまいませんし、両家の両親共に一緒に喜びたいという家族もおられることでしょう。 喜び事なのでみんなと話し合って決めるのもいいですね。
戌の日とは、犬好きにはちょっとうれしい日本の伝統行事
犬の安産に由来した戌の日の安産祈願ですが、日本古来の風習として今でも根強く残っています。 何でもネットで済ませてしまう現代人でも、安産を願う気持ちは今も昔も変わりはないようです。
妊婦さんにとってはあまり機能性の良いものではない腹帯ですが、毎年多くの妊婦さんが戌の日に神社にお参りに来られています。 誰の助けも借りず一人産み育てるたくましい犬の姿に習った戌の日の安産祈願は、犬好きにはちょっと誇らしく思える行事でもあります。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!