愛犬に手作りご飯を作る時のポイントは?気になる栄養素バランスや簡単スープレシピをご紹介
毎日の犬のご飯、何をあげていますか? 大切な愛犬のために、安心安全なご飯をあげたいと思うのが親心というものですよね。
そこで注目したいのが愛犬のための手作りご飯です。ドッグフードに対して不安を持つ飼い主さんの間では、ちょっとした犬の手作りご飯ブームに。 今回は、犬の手作りご飯のメリットとデメリットから栄養バランス、手作りご飯のポイントから簡単に作れるスープレシピまでをご紹介します。
目次
犬の手作りご飯のメリットとは?
先日、日本でも人気のオーガニックプレミアムフードを食べている犬が拡張型心筋症を発症するリスクが高まることがアメリカの食品医薬品局(FDA)より発表されました。このようなデータが公表されると、やはり手作りご飯の方が安心なのかも、と考えてしまいませんか?
新鮮な材料で飼い主さんが調理する犬の手作りご飯には、どんなメリットがあるのでしょうか?
1.ライフステージや体調に合わせて作ることができる
犬の手作りご飯の大きなメリットは、その時々の犬の年齢や体調を見ながらメニューを変えられるところです。
少し太ってきたから、肉から魚に変えてみよう、今日は気温が高いからカラダの熱をとる食材を追加しよう、最近硬いものを嫌がるから柔らかく煮てあげようなど、日々の体調や年齢、その日の天候に合わせて作ることができることが犬の手作りご飯の魅力です。
2.余計な脂肪分や添加物を取らずに済む
ドッグフードの中には、食いつきをよくするために脂肪分を多めに添加している商品があります。 ドッグフードが肥満の原因と言われるのには、脂肪分の取りすぎが考えられるのです。
また、良い香りをつけるための添加物や保存料などの化学成分も含まれていることがあり、そのことがアレルギーの原因となったりしています。 犬の手作りご飯なら、そういった愛犬の健康に良くない成分を添加する必要がないため、結果としてダイエットにもつながるのです。
3.食いつきや排便の状態を知りやすい
ドッグフードジプシーという言葉をご存知ですか? どんなドッグフードをあげればいいのか、食べてくれるのか悩んでいるうちにさまざまなドッグフードを次から次へと与えてしまい、最終的には何をあげればいいのかわからなくなっている飼い主のことをこう呼びます。
飼い主として最も大きな悩みは、愛犬がご飯を食べてくれないことです。犬の手作りご飯のメリットは、食いつきやウンチの状態を見ながらその子がどんな食材を好むのか、カラダに合っているのかを判断できるところにあります。
4.新鮮かつ栄養価の高い安全な食材を選べる
どんなにプレミアムフードと訴求していても、ドッグフードはいつどこでどのような材料で作られたのか分からないという不安があります。その点、犬の手作りご飯は飼い主の目で安心だと思える食材を選ぶことができ、作ってすぐにあげられることが安心につながります。
また、旬の食材や生肉などドッグフードからは得られない生きている酵素を与えられるところは大きなメリットと言えます。
犬の手作りご飯にもデメリットはある
上記のようにメリットも多くある犬の手作りご飯ですが、デメリットもあることを知っておくことも大切です。
1.カロリー計算が難しい
ドッグフードは100gあたりのカロリー表示がされていますが、犬の手作りご飯の場合はカロリーがどのぐらいあるのか、計算してみないとわかりません。また、毎食その計算をするのは、とても面倒で工数がかかりますよね。
せっかく、ダイエットのために手作りご飯を始めても、カロリーが高すぎるなんていうことも起こりかねません。だいたいのカロリーを把握できるようになるまでは、カロリー計算が犬の手作りご飯を作る上でのデメリットとなる可能性があります。
2.犬に必要な栄養に関して最低限の知識と勉強が必要
犬の手作りご飯は、人間の残り物ではなく犬のために調理をする食事のことを言います。 そのためには、犬に与えてはいけない食材、犬が必要としている栄養素などに関して知識が必要となります。 犬の手作りご飯に詳しい獣医師に相談する、文献を読むなど、飼い主として勉強しなくてはいけないことがたくさんあるのも事実です。
また、その知識の元となる情報を精査することも必要となるため、勉強嫌いの人にとって犬の手作りご飯を作ることはデメリットとなると言えます。
犬の手作りご飯は「栄養バランス」が大切
犬が必要としている栄養素は多岐にわたります。その上、必要な栄養素は多すぎても少なすぎても健康によくありません。 犬にはそれぞれ体調や年齢、食の好みなど個体差があるため、どの子にもマッチする完璧なレシピはないことを念頭に置いておくことが大切です。
犬に必要な動物性タンパク質はたっぷりあげましょう
犬は雑食ですが、栄養源として豊富な動物性タンパク質を必要としています。獣医師によっては、動物性タンパク質8:野菜類2を推奨する人や動物性タンパク質6:穀類2:野菜類2を推奨する人など、考え方は人それぞれです。
どちらにしても動物性タンパク質をメインとした栄養バランスを推奨している事は間違いありません。動物性タンパク質をどの程度の割合にするかは、ライフステージ、運動量、犬種によっても異なるので、毛艶、ウンチの状態、体重などを見ながら調整していくことが求められます。
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カルシウムとリンの摂取バランスに要注意
犬に必要な栄養素の中にカルシウムとリンがあります。 犬のカラダを形成していく上で欠かせない栄養素であるカルシウムとリンは、摂取バランスが崩れることによりカルシウム欠乏や過剰摂取による骨の発育異常が起こる場合があります。
犬の手作りご飯を食べている犬に増えてきている病気の一つにクル病があります。 これは、カルシウム、リン、ビタミンDのバランスが崩れることによって、成長期の犬の骨に異常が現れる病気です。犬の手作りご飯で、同じ食材ばかりを与えていると摂取バランスが崩れる可能性があるため、さまざまな食材をバランスよく与えることが大切です。
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ビタミンの過不足にも注意
脂溶性ビタミンであるビタミンDとビタミンAの摂取バランスにも気をつける必要があります。つい最近、あるドッグフードにビタミンDが過剰に添加されていたことから、腎不全を起こす恐れがあるとして回収されるという騒動がありました。
ビタミンDは、骨を作るために犬にとっては必要不可欠な栄養素ですが、過剰摂取することによる健康被害があることも知識として持っておくことが必要です。
また、ビタミンAも過剰症に注意が必要な栄養素です。ビタミンAは、植物性食品に含まれるβカロチンまたは動物性食品に多く含まれるレチノールを摂取することにより犬の体内で変換される栄養素。緑黄色野菜に多く含まれているβカロチンは、プロビタミンAと呼ばれる物質に変換されますが、大量に摂取しない限り犬の健康に影響は及ぼしません。
気をつけたいのは、レバーに多く含まれているレチノール。レバーは犬が大好きな食材でもありまた栄養素も高いことから、食事以外におやつからも摂取する機会が多い食材です。レチノールを過剰に摂取すると、肝臓や腎臓機能低下、赤血球の減少など犬の健康に害を及ぼすことがあるため注意が必要です。
犬の手作りご飯に味付けは必要?
結論から言うと、犬の手作りご飯に味付けの必要はありません。私たち人間は、味付けに慣れてしまっていますが、犬は、素材の味で十分に味覚を満足させることができます。また、味付けによって健康に害を及ぼすこともあるため、犬の手作りご飯には味付けをしないようにしましょう。
昆布だしやかつおだしで美味しく
犬に必要な栄養素の一つにマグネシウムがあります。必須ミネラルであるマグネシウムは、犬の体内でのエネルギー代謝全般に関わる大切な栄養素です。塩で味付けをする必要はありませんが、昆布だしやかつおだしには天然のマグネシウムが含まれています。野菜を煮るときに、昆布ダシや鰹だしを使用することで犬にとって有効な栄養が含まれたご飯を作ることができます。また、美味しい香りや味とともに、天然のミネラルも適度に摂取できるので手作りご飯にはおすすめです。
犬の手作りご飯作りのポイント
犬の手作りご飯は、こだわって作ろうとすればするほどハードルが高くなります。人間の夕食を作るときのついでに、と考えることがストレスがたまらないポイント。ここでは長続きするポイントをご紹介します。
まとめて作って冷蔵または冷凍保存する
犬の手作りご飯を毎食作るのは大変という場合は、1週間分まとめて作り、小分けして冷蔵または冷凍する事がおすすめです。週に1回、犬の手作りご飯作りの日を設けて、食材の買い出しやメニューを考えるのも楽しみの一つ。可愛い我が子の笑顔を思い浮かべながら、楽しく作ることが長続きのポイントです。
無農薬・有機栽培の野菜がおすすめ
肉類と同じように、残留している化学物質がある野菜は犬の手作りご飯では避けたい食材です。
農薬をたっぷり使って育てられた野菜は、アレルギーなど犬の健康に害を及ぼす可能性もあります。なるべく、無農薬の野菜で作ってあげることがポイントです。
人の意見に惑わされない
人間のお弁当と同じように、犬の手作りご飯は十人十色。 その日の体調や年齢、好みに合わせて作る事が大切です。
「ささみと野菜を煮たものがいい」と聞いたからといって、無理して同じものを作る必要はありません。あまり人の意見ばかり聞いていると難しさや間違った知識に惑わされてしまいます。続けることを目標に、肩の力を抜いてまずは気楽に作れるトッピングから始めましょう。
ささみやレバーの使いすぎに注意
低カロリーのささみや犬が好むレバーは、犬の手作りご飯メニューとして人気の食材ですが、どちらも化学物質が残留しやすい部位です。残留物質から犬がアレルギーを起こす可能性も否定できないため、多用することは避けたほうが無難です。また、レバーにはビタミンAが多く含まれているため、過剰に摂取すると中毒症状を起こすことがあります。 安全な食材を選ぶ目を持つことに加え適量を知っておくことも犬の手作りご飯を作る上でのポイントと言えます。
犬の手作りご飯|まずはスープレシピから挑戦!
犬の手作りご飯を作らなくてはと考えてしまうとストレスがかかりますが、まずはトッピングメニューから始めることがおすすめです。また、人間の食事を作る時に、一緒に作れるメニューを考えれば手間いらずですね。
犬の手作りご飯作りで注意したいのは、一つの食材ばかりを続けないこと。また、野菜類は旬の野菜をはじめいろいろな種類を加えることがポイントです。ここでは、ドッグフードにトッピングにすれば同時に水分も豊富に摂取できるスープ系のレシピを2種類ご紹介します。
レシピ1.タウリン豊富な魚介のブイヤベース
<材料>
しじみ、ジャガイモ、セロリ、トマトなど好みの野菜、タラ・鮭・イワシ・サバなどの魚、オリーブオイル
<作り方>
①しじみで出汁をとる。
②タラや鮭などの魚、ジャガイモ、セロリを適当な大きさに切り、オリーブオイルで炒める。
③しじみ出汁を加えコトコト煮て完成!
●最後にカットしたトマトを加えさっと火を通しましょう。
タウリンは犬に必要な栄養素ですが、手作りご飯では不足しがちです。簡単ブイヤベースでは、タウリンが豊富に含まれているしじみをたっぷり使うことがポイント。しじみの出汁をとったら、貝は取り除いてください。
レシピ2.水分も補給できる栄養たっぷり簡単ポトフ
<材料>
鶏ガラ1羽、ニンジン、大根、カブ、ブロッコリーなど好みの野菜、鶏肉など好みの肉
<作り方>
①たっぷりの水で鶏ガラスープを取る
②ニンジン、ダイコン、カブ、ブロッコリーなどの野菜と肉を柔らかく煮たら完成!
ポトフに入れる動物性タンパク質は、鶏肉、豚肉、牛肉などの肉類がおすすめです。栄養がたっぷり含まれたスープも一緒にあげましょう。鶏ガラスープには、ミネラル、アミノ酸、グルコサミン、コンドロイチン、コラーゲンが豊富に含まれています。鶏ガラスープを取る時には、なるべく抗生剤や成長ホルモンなどを使用していない無薬鷄の鶏ガラを使用しましょう。
愛犬の手作りご飯は無理せず楽しく作りましょう
愛犬に手作りでご飯を作ってあげたいと思っても、材料を揃えて、調理すると考えるとハードルが高くなってしまいます。飼い主が自ら管理できる手作りご飯を続けるポイントは、肩肘張らず、多少手抜きでもOKと割り切ることです。続けていくうちに、食材に関する知識が増え、とても楽しくなります。ぜひ、トッピングから手作りご飯を始めてみてください。
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この記事のライター
ずーこ
動物全般が大好きで現在は猫を飼ってます!犬もだいすきなのでpetanでは犬に関する様々な情報を発信していきたいと思います!!
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