犬のグルーミングとトリミングの違いをご存知ですか?グルーミングの種類やおすすめグッズをご紹介
「グルーミング」という言葉をご存じですか?犬を育てている方であれば、一度は耳にしたことがあると思います。グルーミングは一言で表すと「お手入れ」を意味していて、どんな犬種・年齢の犬にも必要です。
では、具体的にグルーミングとはどのようなことをするのでしょうか?
今回は「グルーミング」の目的から「トリミング」との違い、グルーミングの種類や揃えておきたいグッズをご紹介します。
グルーミングとトリミングの違いや目的
まずは、犬のグルーミングとは何を行うのか、そしてトリミングとの違いについて解説します。
グルーミングの目的
グルーミングは犬と飼い主さんが一緒に生活する上で、必要最低限の身体のお手入れを意味します。
元々グルーミングとは、動物が体を清潔に保つために体を舐めて毛づくろいをすることを指す言葉ですが、犬が毛づくろいをすることはありません。
そのため、飼い主さんが愛犬に快適かつ健康的に過ごしてもらうためにお手入れをしてあげなければいけないのです。また、グルーミングは飼い主さんとスキンシップを取る上での大切な時間でもあります。
トリミングとの違い
グルーミングと似た言葉に「トリミング」がありますが、これはグルーミングによるお手入れに「被毛のカット」を含む場合を指します。つまり、トリミングはグルーミングの一部とも言えるでしょう。
犬のグルーミングの種類や頻度
一言でグルーミングと言っても種類やメニューは様々で、飼い主さんが自宅で行うものもあれば、トリミングサロンや動物病院などでプロに任せる場合もあります。グルーミングの種類やメニュー、さらにどのくらいの頻度で行えばいいのか解説していきます。
爪切り
犬の爪は長く伸びてしまうと歩行困難になったり、爪の根元から折れて出血してしまう危険性があります。特に「狼爪(ろうそう)」と呼ばれる、主に前肢の内側の高い位置に付いている爪は、散歩で自然に削られることがないので、人工的に爪切りで切除してあげる必要があります。
また、爪は伸びすぎると肉球に刺さってしまうことがあり、爪を切った際に刺さっていた肉球から抜くと出血することがあるので、動物病院で爪切りの処置をしてもらいましょう。
爪切りの頻度は、2週間から1ヶ月に一度です。爪の伸びるスピードは体質や散歩頻度などのライフスタイルによっても異なります。特に成長期の子犬は爪が伸びやすいので、最低でも月に2回ほど爪切りを行うのがおすすめです。
シャンプー
シャンプーは、基本的に月1回から2回を目安に行います。
シャンプー前にはブラッシングで余分な抜け毛と汚れを除去しておき、ぬるま湯で湿らせてから犬用のシャンプー剤をよく泡立てて指の腹を使って洗います。シャンプー後はタオルドライをして、ドライヤーを使い火傷に気をつけながら乾かしましょう。
また、皮膚病の犬はシャンプーの間隔を短くしたり、専用の薬用シャンプーを使うこともあります。薬用シャンプーを使用する場合は獣医師の指導が必要になりますので、必ず相談した上で使いましょう。
ブラッシング
ブラッシングの主な目的は、抜け毛を抜いたり被毛の汚れを落として清潔に保つことですが、マッサージ効果や血行を促す効果も期待できます。
スキンシップを取りながら行うことで、身体に付いたマダニに気付いたり、腫瘍の早期発見に繋がることもあります。
ブラッシングの頻度は、犬種や毛質、換毛期などの季節によって異なるため一概に言えませんが、スキンシップも兼ねて毎日の習慣にするといいでしょう。
耳そうじ
耳そうじは、2週間から1ヶ月に一度行う必要があります。トイ・プードルなど耳毛が伸びる犬種は、耳掃除のほかに通気性をよくするために耳毛を抜いたり、耳の穴にささる毛をカットすることもあります。
足裏の毛のカット
足裏の毛のカットは、バリカンやハサミを使って、1ヶ月に一度の頻度で行います。
肉球の間から伸びてくる毛をカットすることで汚れが付着しにくくなります。また、フローリングなど滑りやすい床材では、毛が伸びていると滑って足腰を痛めてしまう危険があるため、定期的なカットが必要です。
肛門腺絞り(こうもんせんしぼり)
肛門腺は、犬の肛門付近にある強い臭いの分泌物です。
大型犬は排泄時に一緒に出せることも多いのですが、中型犬・小型犬は自力で出せないことが多いため、月に一度の頻度で絞ってあげる必要があります。
肛門腺が溜まり排泄ができないと、細菌が繁殖し炎症を起こしてしまいます。最悪の場合は、肛門腺の溜まる袋が破裂し、肛門の脇に穴が開いてしまうことも。そのため、肛門腺が溜まりやすい犬は、人工的に肛門腺絞りをしてあげる必要があるのです。
自宅でのシャンプーのついでに肛門腺絞りを行う方もいますが、絞りづらい犬も多く、力加減を間違えると強い痛みを与えてしまうことがあります。動物病院などで絞り方の指導を受けられるので、自宅で初めて行う場合は相談してみましょう。
犬のグルーミングで必要なアイテム
犬のお手入れ用のアイテムは種類も豊富で、数多く販売されています。ここでは、日常的に家庭で行うグルーミングアイテムをご紹介します。
爪切り
犬用の爪切りには様々なタイプがあります。動物病院やトリミングサロンで一般的に使われているものはギロチンタイプで、弱い力でもスパッと切れます。
持ち方を間違えると深爪になることがあるので、爪切りの真っ直な面に親指を当て、動く方を残りの4本指で握るようにしましょう。
一回で切るよりも、角を取るように数回に分けて切ると爪の先が丸くなり、飼い主さんに爪が当たっても痛くなりにくいのでおすすめです。伸びすぎて丸まってしまった爪には使えないため、ニッパータイプの爪切りを使用しましょう。
また、爪切りのバチンという音や衝撃が苦手という犬や、切りすぎてしまうのが怖い方におすすめなのが電動タイプの爪やすりです。少しずつ爪を削っていくので、深爪になりにくいです。
衝撃が少なく、モーター音が静かなものを選べば、爪切りが苦手な犬でもすんなりと爪切りをさせてくれることが多いようです。
ブラシ
抜け毛を除去したり被毛のもつれを解くには、スリッカーブラシが便利です。特にアンダーコートのある犬では効率的に下毛を除去することができますが、スリッカーブラシはピンの先が鋭く正しく使用しないと擦過傷を起こしてしまうことがあります。
長毛の犬にはピンブラシの使用もおすすめです。抜け毛やフケ、ほこりの除去のほか、マッサージ効果も期待できます。
また、ブラッシングをする時にはコームの併用がおすすめです。ブラッシング後にコームをかけることで、毛玉やもつれの有無を確認することができます。毛玉は強く引っ張らないように注意しましょう。
ほかにも短毛種用のラバーブラシや獣毛ブラシ、抜け毛をごっそり取り除く抜け毛ブラシなどもあるため、毛質や用途によって愛犬にぴったりのブラシを選びましょう。
グルーミングスプレー
グルーミングスプレーは必需品ではありませんが、使用することでブラシが通りやすくなり、もつれやすい長毛種のブラッシングが楽に行えるようになります。
さらにブラッシング前に被毛にスプレーすることで静電気や切れ毛の予防にもなり、美しい被毛を保つのに役立ちます。
バリカン
バリカンは足の裏の毛を刈るのに便利です。ミリ数が選べるアタッチメントが付属されているものも多く、ボディの毛も簡単に切り揃えることができます。
コンパクトサイズのバリカンも販売されているので、足先が小さな小型犬などはコンパクトサイズを選ぶと小回りが効いて、操作が楽です。
グルーミングが必要な犬種とは
プードルやシュナウザーは被毛のカットが必要な種類であり、トリミング犬種とも呼ばれます。
しかし、前述したように必要最低限のお手入れを指すグルーミングは、すべての犬が対象になります。カットが必要な犬種を除くと、ダックスフンドやチワワ、シェットランドシープドッグ、レトリバーなど、ありとあらゆる犬種が対象として挙げられます。
また、パピーからシニア犬まで年齢関係なくグルーミングが必要になり、グルーミングをする必要が無い犬は「いない」と考えていいでしょう。
グルーミングを正しく行って犬の健康をろう
犬の健康を守り、生活の質を維持するためにもグルーミングは必要不可欠なものです。自宅で定期的にお手入れしてあげることが大切ですが、犬が嫌がったり手入れに不安がある場合にはトリミングサロンや動物病院を活用し、犬を清潔に保ってあげましょう。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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