犬にくるみを与えても平気?食べる量と注意点について解説
人間が食べても大丈夫な食材でも、犬にあげるのは「NG」という食べ物も少なくありません。良かれと思ってあげたもので犬の体調を悪くしてしまうことだけは避けたいところです。今回は犬に「くるみ」を食べさせても大丈夫かどうかを解説します。
目次
愛犬に食べさせる前に知りたい「くるみ」の栄養素
愛犬に食べ物を食べさせるときに注目したいのは「栄養素」でしょう。犬にくるみを食べさせる前に、どんな栄養素がくるみに含まれているのか確認しておきましょう。
くるみ100gあたりの含有量(※1)
・エネルギー:674kcal
・タンパク質:14.6g
・脂質:68.8g
・炭水化物:11.7g
・食物繊維:7.5g
・ビタミンB1:0.26㎎
・ビタミンB2:0.15㎎
・ナイアシン:1㎎
・ナトリウム:4㎎
・カリウム:540㎎
・カルシウム:85㎎
・マグネシウム
・リン:280㎎
・鉄:2.6㎎
・銅
・亜鉛:2.6㎎
脂質の含有量が多く、それに伴ってカロリー量が多いことがわかります。ビタミン・ミネラルはバランスよく含まれており、食物繊維も豊富です。犬にとってもくるみは悪くない存在であるように見えますが、やはり脂質が多く想像以上にカロリーが高いため注意が必要です。
ミネラル(※2)
くるみに含まれている主なミネラルはマグネシウムと銅です。マグネシウムは骨の形成に欠かせないミネラルの一つであるだけではなく、体内の代謝を助ける働きをします。銅は血液中のヘモグロビンを生成するのに使われる栄養素で、健康を維持するのに欠かせません。
食物繊維(※2)
食物繊維は整腸作用があることで注目を集めている栄養素です。食物繊維は日本人に不足している栄養素であるため、積極的に摂取することが促されている栄養素ですが、食べすぎるとミネラルの吸収を妨げたり下痢を引き起こしたりしてしまうこともあるので注意が必要です。
脂質(※2)
脂質はエネルギーとなる大切な栄養素の一つです。くるみは脂質の中でもオメガ3脂肪酸が豊富に含まれていることで知られており、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす作用があります。しかし、脂質は摂取しすぎると肥満の原因にもなるので注意が必要です。
おやつのカロリーの目安
「ペットフード公正取引協議会」によると、犬のおやつの適正カロリーはエネルギー必要量の20%以内とされています。 参考値としては、体重5kgの成犬だと1日の摂取カロリーが400kcal前後とされていますので、その20%の80kcal程度がおやつの上限量です。
そのため、くるみ1粒50kcalだと考えると、2粒食べた時点で間食(おやつ)としてはカロリーオーバーとなります。
犬はくるみを食べても大丈夫?
結論から申しあげますと「犬がくるみを食べても大丈夫?」については「少量であれば問題ない可能性が高い」ということになります。基本的にくるみは犬にとって有毒な食べ物ではないのですが、食べ過ぎてしまうと何らかの症状が出たり、健康を損なう可能性があるので注意が必要です。
もし、飼い主が食べ残したくるみを飼い犬が間違って食べてしまっても、少量であれば問題ないと思いますが、体調不良などの異常が見られたら、念のために動物病院で診てもらうことをおすすめします。
誰かに「うちの犬、くるみを食べても大丈夫?」と聞かれたら「あげすぎないように」とアドバイスしてあげると良いでしょう。「どれくらいなら、くるみを食べても大丈夫?」と聞かれたら「1粒が目安、それ以上は危険かも?」とアドバイスしてあげてください。
犬にくるみを食べさせるための調理法と注意点
愛犬にくるみを食べさせる際には、調理法と注意点がいくつかあります。
食べさせ過ぎない
くるみには脂質と食物繊維が多く含まれており、犬が食べ過ぎると消化不良を起こしてしまう可能性があります。犬にくるみを与える場合は、1粒を目安に食べさせることをおすすめします。特に小型犬の場合は数粒で1日のカロリー量の目安を超える可能性が高いので注意してください。
味をつけない
市販されているくるみ製品の中には塩味など味のついているものがあります。これを犬に食べさせると塩分過多などになる可能性がありますので、味のついていないくるみを与えましょう。市販品をそのまま与えたい場合は、添加物がないもの、塩味など味付けのされていない生くるみか、素焼きのくるみを選んでください。
できるだけ細かくする
犬は食べ物をあまり噛まずに飲み込む習性があるのですが、大きなくるみをそのまま飲み込んでしまうと喉に引っかかってしまう可能性があります。できるだけ細かく砕いたものを与えてください。
犬がくるみを食べたときに出る可能性がある症状
少量のくるみであれば犬が食べても健康を害する可能性は低いのですが、食べ過ぎるといくつかの症状を発症する可能性があります。
アレルギー症状
ほかにも犬によっては「アレルギー症状」を引き起こす可能性があります。少量のくるみでも犬に症状・異常が見られた場合にはアレルギーを疑い、それ以上はくるみを与えず、早目に動物病院で診てもらってください。
肥満
前述の通り、くるみは100gあたり674kcalと、かなり高カロリーな食べ物です。カロリーだけが肥満の原因ではないとはいえ、日常的にくるみを犬に大量に与え続けると肥満の原因になる可能性は十分に考えられます。
嘔吐・下痢
前述の通りくるみには脂質と食物繊維が多く含まれており、犬がくるみを食べすぎると消化不良を原因として嘔吐や下痢の症状をもたらす可能性があります。嘔吐や下痢が続くようであれば動物病院で診てもらいましょう。また、食物繊維の影響により「便秘」の症状を引き起こす可能性もあります。
犬がくるみを食べたときの対処法はある?
犬がくるみを食べても特別な対処法は不要です。基本的にほとんどの犬にとってくるみは無害であり、食べ過ぎや味付けなどに注意すれば日常的に与えても問題は無いでしょう。
ただし、全く対処法を考えないことも問題です。犬の行動範囲内にくるみがあると飼い主の隙を見て食べてしまう可能性があるので、犬の届かないところにくるみを保管し、勝手に食べられないようにする対処法の確立は必要です。
犬にくるみを与えるときは量に注意
人間にとっても同じことが言えますが、犬がくるみを食べすぎると問題があります。とはいえ、少量のくるみであれば豊富な栄養が犬の健康にもプラスに作用することは十分に考えられます。犬がくるみを食べ過ぎないように、飼い主が与え過ぎないことと、勝手に食べられないような工夫を忘れないようにしましょう。
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。