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【獣医師監修】犬の斜視は治療の必要はあるのか?発症の原因と考えられる病気

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犬の斜視(視線が異なる方向を向く症状)は決して珍しい症状ではなく、必ず治療が必要というわけではありませんが、愛犬の目線がおかしく、どこを見ているか分からないとなんだか心配になりますよね。原因としては遺伝的なものや骨格、病気などが挙げられます。今回は犬の斜視について具体的に解説していきます。

【獣医師監修】犬の斜視は治療の必要はあるのか?発症の原因と考えられる病気
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目次

  1. 犬の斜視の原因|先天性と後天性の違い
  2. 斜視を伴う病気と主な症状
  3. 斜視に対する治療の必要性
  4. まずは動物病院を受診しましょう

犬の斜視の原因|先天性と後天性の違い

犬 上を向く
Simon Robben Pexels

犬の斜視の原因は大きく先天性と後天性に分けられます。

先天性の斜視は遺伝、犬種などが関係しており、早い時期から視線のズレを確認することができます。後天性の斜視は何かしらの病気に伴って現れることが多く、重篤な病気のサインである可能性も否定は出来ません。

まずは犬の斜視について主な症状と、先天性と後天性の違いについて詳しく見ていきましょう。

犬の斜視の症状

斜視とは、前を見ているはずなのに、両目の焦点が合わず別の方向を向いている状態です。症状は片目だけに現れることもあり、黒目部分が意図せずに内側、外側、上下、斜めを向いてしまいます。

斜視と間違われやすい状態として、犬の目頭部分にある白い膜(瞬膜)が他の犬に比べて突出する面積が多く目立つことがあります。この場合、普段と変わりがない状態であれば問題はありませんが、病気が原因の可能性もあるので、気になる症状があれば病院で診察を受けるようにしましょう。

先天性斜視

先天性斜視の原因は遺伝的な問題や骨格が関わっています。目が大きく、突出しているタイプのパグ、ブルドッグ、ペキニーズ、狆などの犬種に比較的多く、チワワやポメラニアン、トイプードルなどの小型犬でもよく見られます。

先天性は早い時期から斜視が現れるので、子犬を引き取る時に目に違和感があって気付くケースもあるようです。

後天性斜視

後天性斜視では、元々目に異常はなかったものの、成長してからある日突然斜視が現れます。斜視を伴う病気もあるので、目の様子がおかしいと感じたらすぐに病院で診察してもらいましょう。

病気の中には子犬の時期から発症するものもあります。斜視は病気の原因ではありませんが、先天性・後天性のどちらも重篤な病気のサインの可能性があるので、普段から行動に変化がないか注意深く観察しましょう。

斜視を伴う病気と主な症状

元気のない犬
Nikeah Schell Pexels

それでは、斜視が伴う病気には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

筋肉の炎症なども原因として考えられますが、重篤な病気であった場合は精密検査が必要な場合もあります。ここでは主要な3つの病名と原因、症状について紹介していきましょう。

【1】脳腫瘍

脳腫瘍は高齢犬によく見られる病気です。犬種としてはゴールデンレトリバー、ボストンテリア、パグ、ブルドッグなどは比較的発症しやすいと言われています。

脳腫瘍は脳にできる癌であり原因は様々ですが、遺伝的なものやたばこの煙が原因で発症することも考えられます。

症状は斜視の他にも痙攣・てんかん、同じ場所をぐるぐる回る、食欲がなくなる、性格が変わるなどがあり、認知症のような症状も見られるようです。

【2】前庭疾患

前庭疾患は、体の平衡感覚を保つ前庭器官という部位が腫瘍や炎症などによって侵される病気で、高齢犬によく見られます。

斜視だけでなく、頭が左右に傾く、眼球が揺れる、同じ場所をぐるぐる回るなどの症状が特徴的です。発症しやすい犬種はいませんが、比較的耳の炎症が起きやすい犬種に多いと言われています。

【3】水頭症

水頭症は、頭蓋骨の内側に脳脊髄液が過剰に溜まって脳を圧迫することで発症する病気です。

先天性の場合が多く、チワワ、ポメラニアン、パグ、トイプードルなどの小型犬でよく見られるようです。後天性は稀ですが、外傷や脳腫瘍により脳脊髄液の循環路に異常が起こり流出が阻害されると発症することがあります。

症状には痙攣、てんかん、ぼーっとする、目が見えにくくなるなどがあります。斜視、頭部がドーム状に膨らむ、身体が小さく成長が遅いなどの、見た目から分かる特徴もあるので、気が付いたらすぐに精密検査を受けるようにしましょう。

斜視に対する治療の必要性

寝ている犬
Lucas Andrade Pexels

ここまでは病気の症状としての斜視について説明してきましたが、遺伝性の斜視の多くは視線のズレだけが問題とされます。

病気であれば適切な治療が必要ですが斜視だけの場合は治療が必要ないケースが多く、状態によって対応が変わってきます。

最後に、犬の斜視に対する治療と手術の必要性について説明していきましょう。

斜視に対する治療

基本的に遺伝性の場合、斜視は治療の対象外とされることが多いでしょう。犬の日常生活に支障がないようであれば様子を見るように指示されるので、無理に治そうとする必要はありません。

手術すれば治療出来るかもしれませんが、必ずしもそれが良い結果をもたらすとは限らないのです。

手術の必要性

犬の斜視の手術は目の動きを調節する筋肉の一部を切って視線のズレを治します。ですが、この処置によって視力に異常が出てしまう場合も多いので、リスクを伴います。

あくまで、手術は日常生活に支障がある場合の手段なので、まっすぐ歩けてふらつくこともなければ、必要ないと考えることも多いです。必要であるかどうかは、獣医師の判断を仰ぐと良いでしょう。

まずは動物病院を受診しましょう

犬 ミニチュアダックスフンド
chelsea777 Unsplash

犬の斜視の多くは基本的に治療が必要なく、日常生活に支障がなければ様子を見ていい場合もあります。

しかし症状によっては、病気のサインとして現れている場合もあります。目の様子がおかしいと感じたら自分では判断をせず、まずは病院を受診することが重要です。

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choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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