【獣医師監修】犬が拒否反応を示すのはわがままではない?理由を知って愛犬の気持ちを汲み取ろう
愛犬が拒否反応を示す行動をとるとき、単にわがままをいっている、飼い主さんを試しているだけと感じることはありませんか?
犬が何かを嫌がるのは、決して飼い主さんを困らせようとしている訳ではありません。犬にとって嫌な理由がちゃんとあるのです。犬はその理由を飼い主さんに理解してほしいだけ。もしも愛犬が何かを嫌がっているようなら、様子をよく観察することが大切です。
ここでは、犬が嫌がること、そして嫌がる理由を、さまざまなシーン別にご紹介します。愛犬の「嫌なこと」を減らして、人間と犬、お互いにとってストレスのない生活を目指してみましょう。
犬が「嫌がる」理由は何だろう
犬はいつでも飼い主さんの言う通りにはなりません。時には嫌がることもあるでしょう。では、犬が嫌がることにはどんなことがあるのでしょうか?
理由1.散歩を嫌がる
散歩が好きな犬はたくさんいます。しかし中には苦手な犬も。散歩が苦手な犬には、どんな理由があるのでしょうか?
散歩の途中、苦手なことがある
散歩の途中に「犬にとって嫌なこと」がある場合があります。たとえば、苦手な犬に出会う、大きな音がする場所を通るなどです。散歩中の様子をよく観察してみてみましょう。
嫌がる原因がわかったら、従来の散歩コースを変えたり、散歩の時間帯をずらすことで回避できます。
リードが苦手
リードに慣れていない犬は、リードを装着したとたん、固まってしまうことがあります。嫌がる犬に無理やり散歩をさせるよりは、リードに慣れさせることから始めましょう。
初めは、リードを装着できただけで愛犬を思い切り褒めてあげましょう。次は、リードを装着する時間を徐々にのばしていきましょう。もちろん上手にできたらたくさん褒めてあげてください。
ここまでできたらあともう一息です。次は室内で、リードを持って愛犬と並んで歩く練習を開始するタイミングです。この練習もはじめのうちは1~2分くらいの短い時間で行います。うまくできたら徐々に時間をのばしていきましょう。
また、リードや胴輪のタイプによって、好き嫌いがあるかもしれません。色んなタイプのものを試してみましょう。
歩くこと自体がつらい
まずは、足裏や肉球に外傷がないか、異物などが付着していないかをチェックしてみましょう。表面上明らかなものが見つからなくても、実は関節などを痛めているのかもしれません。散歩以外でも歩くのを嫌がるようなら、歩くたびに痛みを感じている可能性もあります。無理に散歩に連れていくのは避け、早めに動物病院を受診しましょう。
理由2.ごはんを嫌がる
愛犬がごはんをおいしそうに食べてくれるととてもうれしくなりますよね。しかし突然、ごはんを食べなくなってしまったら…飼い主さんはとても心配になるでしょう。愛犬がご飯をたべない・嫌がる理由には、例えばこんなことがあります。
身体の違和感
食べたい仕草をするのになかなか食べないという時は、食べる姿勢を維持することがつらい可能性があります。関節にトラブルがある、シニア期で筋肉量が減少しているときなどです。
こんなときは、食器の下に台を置き、高さを調整してあげましょう。台の高さの目安は、犬の前足の付け根の高さくらいです。また立っているのが辛そうなら、愛犬の口元まで食器を近づけてあげてください。 他にも歯周病や口内炎などの原因で、口の中に痛みや違和感を感じている場合も、食べるのを嫌がることがあります。
原因がはっきりしない場合は、動物病院を受診して口の中や関節などを診てもらうようにしましょう。
好みの味ではない
いつものフードから違うフードに切り替えたとき、ご飯を食べなくなってしまう犬がいます。フードの切り替えは、いきなりではなく徐々に行っていくことが基本です。 切り替えは、1週間くらいかけて慎重に行います。切り替え初日は、今までのフードを8割新しいフード2割、2日目は今までのフードを6割、新しいフードを4割といった感じです。こうして、徐々に新しいフードの割合を多くしていくのがポイントです。
切り替え時は、皮膚や便の様子をよくチェックしておきましょう。
お腹が空いていない
ごはんの量が多い、おやつを食べすぎているときは、主食となるごはんを食べないことがあります。まずは愛犬の体重あたりのごはんの量が適正であるかを確認してみましょう。
1日に愛犬が何をどれだけ食べているか、一覧にして書き出してみましょう。書き出すことで、実はおやつをあげすぎていることに気づくことがあります。
理由3.シャンプーを嫌がる
水が苦手な犬は、シャンプーされるのも大の苦手です。「シャンプー」という言葉を聞くだけで、どこかに隠れてしまう犬もいます。無理にシャンプーすることは、愛犬のシャンプー嫌いが加速してしまうことにも繋がり、大きなストレスとなってしまいます。苦手な子には、まずは水(お湯)に慣らすことから始めましょう。
初めのうちは、足先を軽く洗うだけにします。上手にできたら思い切り褒めてあげましょう。そして徐々に慣らしていきます。どうしても自宅でシャンプーができないときは、無理しないでトリミングサロンにお願いするのも手です。
愛犬の気持ちを理解してあげよう
犬が嫌がる場合には、単なるわがままを言っている場合と、ちゃんとした理由がある場合があります。単なるわがままであれば、譲歩することはありません。しかし理由がある場合は、その苦手な原因を取り除いてあげることが必要です。
原因を理解せず、無理に嫌なことを強いることは、犬にとって大きなストレスに繋がります。また飼い主さんとの信頼関係にもヒビが入ってしまうことも。しつけ上、愛犬に我慢をしてもらわなければならない場合もありますが、原因不明で嫌がる行動が続く場合は、病院を受診して身体の状態をしっかりと診てもらってください。 いち早く嫌がる原因を見つけるためにも、日頃から愛犬をよく観察してあげましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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