犬の引っ張り癖を治したい!引っ張る心理や治し方のヒントを解説
散歩のたびにリードを強く引っ張られてしまい悩んでいませんか?子どもやご年配の方は特に怪我や事故に繋がりかねないので困ってしまいますよね。この「引っ張り癖」を治すためには、犬が引っ張る理由と対処法を正しく理解する必要があります。
そこで今回は、引っ張り癖のある犬の心理や、改善のヒントをご紹介します。
なぜ?犬が引っ張ってしまう心理4つ
散歩のたびに飼い主を強く引っ張る犬は、いったい何を考えているのでしょうか。引っ張り癖の改善のためにも、まずは引っ張る犬の4つの心理を理解しましょう。
「何か飛んでいる!捕まえたい!」好奇心旺盛な犬
風に舞う落ち葉や目の前を通り過ぎた猫など、動くもの全てを追いかけたくなるほどほど好奇心旺盛なのかもしれません。
好奇心からの引っ張りは、特に子犬に多く見られますが、成犬になっても引っ張り癖が続くことがあります。
「怖いから早く家に帰りたい!」不安や恐怖心の強い犬
外の世界や知らない場所に対して不安や恐怖心を感じているのかもしれません。
散歩嫌いの犬や、車や他の犬が怖い犬は、早く安全な場所に移動したいために引っ張りが強い傾向にあります。
「近すぎる!」パーソナルスペースが欲しい犬
飼い主と適度な距離を取りたいと考え、リードを引っ張っているのかもしれません。これは「パーソナルスペース」をキープしたいと考える、犬の本能的な心理です。
周囲への配慮や安全のためにリードを短く持つことが、犬の引っ張り癖につながっている可能性があります。
「早く目的地に着きたい!」興奮しやすい犬
散歩が嬉しくて、「大好きなお友達がいる目的地の公園に早くつきたい」と興奮しているのかもしれません。
興奮している犬は、走り出そうとする勢いで強く引っ張ることが多くあります。
愛犬の心理を見極めるポイント
前述の通り、犬が強く引っ張る理由には個体差があるため、愛犬の心理を見極めることが大切です。
そこで役立つのが、犬の発する「カーミングシグナル」です。
カーミングシグナルとは
カーミングシグナルとは、犬が言葉を話す代わりに、体や表情で感情を伝えるボディランゲージの1つです。他の犬や飼い主に向けることもあれば、自分自身を落ち着かせるために使うこともあります。
犬が引っ張っているときは、表情や耳、尻尾の状態をよく観察し、カーミングシグナルを読み取ってあげましょう。
好奇心を表すカーミングシグナル
好奇心でいっぱいの犬は、興奮時と似たようなカーミングシグナルを見せます。
好奇心から動くものを追っている犬は、対象物のある方向に集中しています。犬種によっては、前足を上げて動くもののいた方向を凝視している場合もあるので、チェックしてみてください。
- 尻尾:左右に大きく振っている
- 表情:対象物の方を向きじっと見つめる
- 耳:音がする方向に耳を立て集中している
不安や恐怖心を感じている時のカーミングシグナル
不安や恐怖を感じている犬は、さまざまなカーミングシグナルを発して飼い主に伝えようとします。
このほか、家から出たとき、車が多い通りに近づいたときなどには、体をブルブルと震わせることもあります。
- 尻尾:股の間に巻き込んでいる
- 表情:あくびをする、口を舐める
- 耳:付け根のあたりから倒す
何かを要求している時のカーミングシグナル
ストレスを感じている犬は、次のようなカーミングシグナルを見せます。
上記に当てはまっていたら、短いリードでの散歩にストレスを感じてパーソナルスペースを求めているのかもしれません。
- 尻尾:下向きにしてゆっくり振っていることがある
- 表情:上目遣いで何度も飼い主の顔を見たり、あくびをするなど
- 耳:耳を倒している
興奮を表すカーミングシグナル
犬が興奮状態に陥ると、次のようなカーミングシグナルを見せます。
たとえば散歩中には、嬉しいときだけではなく、他の犬に興味を持っているときにも興奮状態になることがあります。
興奮がエスカレートすると、散歩中に飛びついてくることもあります。
- 尻尾:高く上げて小刻みに振っている
- 表情:顔はまっすぐ前を向き目を見開いて、口が少し開いている
- 耳:前方や対象物の方向へ向けて集中している
引っ張り癖の治し方のヒント
一度引っ張り癖がついてしまった犬が、すぐに引っ張らなくなる特効薬のような方法はありません。気長に根気強く、引っ張ってはいけないことを教えていく覚悟を持って接しましょう。
ここでは、引っ張り癖を改善する手助けとなるヒントを2つお伝えします。参考にしてみてくださいね。
ヒント1:引っ張り防止のハーネスを使用する
引っ張り癖を直す有効な方法に、引っ張り防止専用に作られたハーネスを利用する方法があります。
ハーネスの形状には数タイプありますが、どのタイプも物理的に犬が引っ張れなくなる設計です。どんな訓練よりも効果があったという方も多いので、いろいろ試して愛犬にピッタリのハーネスを探してみてくださいね。
筆者の愛犬の体験談
筆者が飼っていたゴールデンレトリバーは「ヒッパリーノ」と呼ばれるほど引っ張り癖の強いコでした。引っ張ったら立ち止まる、反対方向を向いて歩き出すなどの基本的なトレーニングや、ご褒美方式には効果がありませんでした。
そんな彼の引っ張る原因は「動くものを追いかけたい」こと。風の強い日のお散歩は、風に舞う葉っぱを追いかけて右へ左へ振り回される日々が続きましたが、年齢とともに興味が薄れてきたのか、やがて引っ張らなくなりました。
ヒント2:ご褒美は与えるタイミングが大切
上手に横について歩けたときにご褒美をあげる方法は、かえって逆効果になる可能性があります。犬はとても賢い動物なので、ご褒美のために横について歩き、もらったらまた引っ張る、という繰り返しになってしまうことがあるからです。
これを防ぐためにも、愛犬の様子を見ながらご褒美を与えるタイミングを見極める必要があります。徐々にご褒美を減らして、最終的にはご褒美なしでも引っ張らなくなることを目標にしましょう。
犬の引っ張り癖には根気よく向き合おう
リードを引っ張る理由は犬によって異なります。大切なのは、なぜ引っ張っているのかを見極めること、根気よく「引っ張ってはいけない」ことを教えることです。運よく引っ張らなくなる犬もいれば、引っ張り続ける犬もいます。
引っ張り癖の矯正は難しいものですが、年齢を重ねるとやがて引っ張りがなくなることもあります。愛犬に合う方法を見つけて、優雅なお散歩ができる日を目指してくださいね。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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