ミニチュアピンシャーに似ている犬種は?画像で見た目を比較・チェック
ミニピンの愛称で親しまれているミニチュアピンシャーは、小さなカラダと活発な性質から世界中で愛されている犬種です。実は、そんなミニチュアピンシャーと間違えてしまいそうなほど、そっくりな犬種が世界には数多くいることをご存知ですか?この記事では、ブラック&タンのカラーと小さなカラダが特徴のミニチュアピンシャーとよく似ている犬種をご紹介します。
まずは知っておきたいミニチュアピンシャーのこと
ドイツ原産のミニチュアピンシャーは、ヨーロッパでは「キングオブトイ」と呼ばれているほど人気のある小型犬です。正確な犬種誕生は不明ですが、18世紀にはネズミ狩り、番犬として農場で活躍していたドイツでは、ツベルク(超小型)・ピンシャー(テリア)とも呼ばれていた犬種です。詳細は未解明ですが、ダックスフンド、イタリアン・グレーハウンド、ジャーマンピンシャーが基礎犬となって作出されたとされています。
ミニチュアピンシャーの最大の特徴は歩き方
足の長さが特徴のミニチュアピンシャーは、ハクニー歩様と呼ばれる独特の歩き方をします。ハクニー歩様とは、馬車を引くハクニーという品種の馬と同じように前足を高く上げ、速歩で歩くことを指します。これは、FCIに登録されている全犬種の中で、ミニチュアピンシャーとイタリアングレイハウンドだけが見せる独特の歩様で、他の犬種では正常ではない歩き方不正歩様と言われます。また、馬のように前足を織り込んでフセの体勢をとるのもミニチュアピンシャーの特徴です。
小型犬ながら大胆不適な性質
元来、ネズミ駆除の使役犬として活躍していたミニチュアピンシャーは、警戒心が強く小さな物音や動きに対して敏感に反応します。飼い主には忠実ですが、見知らぬ人や動物には、小さなカラダとは思えない大きな声で吠えかかることもあります。怖いもの知らずの性格であるため、自分より大きな体の動物にも毅然と向かっていこうとするため、子犬期に社会性を身につけること、しっかりとしたしつけをすることが大切です。
ミニチュアピンシャーに見た目が似ている3犬種とは
独特の歩様やエネルギッシュな気質を持ち、日本でも人気の高いミニチュアピンシャーですが、世界には外観がそっくりな犬種が数多くいます。特に、イギリス原産のトイマンチェスターテリアとは非常によく似ていることで知られています。ここでは、ミニチュアピンシャーとそっくりな3犬種に加え、よく似ている1犬種をご紹介します。
- チェコ原産のプラシュスキー・クリサジーク
- イギリス原産のトイマンチェスターテリア
- ドイツ原産のジャーマンピンシャー
1.チェコ原産のプラシュスキー・クリサジーク
チェコ共和国原産のプラシュスキー・クリサジークは、世界で5500頭、日本には110頭が飼育されているFCI未公認犬種のレア犬種です。チワワと並ぶ超小型犬のプラシュスキー・クリサジークは、チェコ最古の犬でその誕生の詳細は不明ですが、プラハラッター(プラハの小さなネズミ捕り)とも呼ばれ、ネズミ捕りの犬として活躍したと言われています。
また、小さく機敏で従順な性格から、王族の愛玩犬として大切にされていましたが、貴族の衰退とともに一時は絶滅状態となりました。熱心な愛好家によって繁殖が行われ、1990年にはチェコの首都プラハにプラシュスキー・クリサジーククラブが設立され、現在に至っています。
ミニチュアピンシャーとの見分け方
ミニチュアピンシャーとの最大の違いは、その大きさです。ミニチュアピンシャーは、体高25~32cm、体重3.6~4.5kgであるのに対し、プラシュスキー・クリサジークは、体高21~23cm・体重2~2.5kgとミニチュアピンシャーを一回り以上小さくした体型が特徴です。また、よく観察すると首の付け根から尻尾にかけての背中のラインが、ミニチュアピンシャーは尻尾に向かって下がっているのに対し、プラシュスキー・クリサジークは水平であることが分かります。
2.イギリス原産のトイマンチェスターテリア
ミニチュアピンシャーと最も似ていると言えるのが、このトイマンチェスターテリアです。別名をイングリッシュ・ブラック&タン・トイテリアといいます。1800年代、うさぎ狩りとネズミ退治のどちらにも適した犬種を作出するためにウイペットとブラック&タンテリアを基礎犬としてスタンダードのマンチェスターテリアがイギリスで誕生しました。
やがて、より小型な犬が望まれ、誕生したのがこのトイマンチェスターテリアです。狩猟犬としての本能と警戒心の強さはミニチュアピンシャーとよく似ています。
ミニチュアピンシャーとの見分け方
トイマンチェスターテリアの標準体型は、体高25~32cm、体重5.4kg以下と体高25~32cm、体重3.6~4.5kgのミニチュアピンシャーとサイズもほぼ同じです。毛色もブラック&タン、レッド、チョコレートと見分けがつきにくいのですが、よく観察すると目の上に丸い模様のタンのマーキングがあります。また、耳の形で見分けることもできます。
ミニチュアピンシャーの場合は、生後すぐに断耳されるか、垂れ耳に矯正されることが多く、立ち耳の個体は少ないのが特徴です。これに対し、トイマンチェスターテリアは、先の尖った立ち耳が特徴で、断耳されることはありません。ただし、最近では動物愛護の観点から、断耳されていないミニチュアピンシャーもいるため、耳だけでこの両犬種を見極めることが難しくなっています。
3.ドイツ原産のジャーマンピンシャー
ドイツでもっとも古い犬種のジャーマンピンシャーは、ミニチュアピンシャーをはじめドーベルマンなどピンシャー種の基礎犬となった犬種です。このジャーマンピンシャーの祖先犬は、ラフ・コーテッド・ピンシャーでスタンダードシュナウザーと同じであるため、ミニチュアピンシャーやドーベルマンよりもシュナウザーに近い性質を持っていると言われています。狩猟犬として活躍していたため、警戒心が強く活発で運動量の多いことが特徴です。
ミニチュアピンシャーとの見分け方
中型犬であるジャーマンピンシャーとミニチュアピンシャーの見分け方のポイントはそのサイズです。小型犬のミニチュアピンシャーに比べ、体高43~50cm、体重は11~18kgと一回り以上大きいことが特徴です。
この他にも似ている犬種がいる!
ご紹介した3犬種以外にも、ミニチュアピンシャーと見た目がそっくりな犬種がいます。それが、ロシア原産のロシアントイテリアのスムースヘアードで、日本では見かけない犬種です。20世紀の初め、ロシアでも人気のあったトイマンチェスターテリアを基礎犬として作出されたのがこのロシアントイテリアです。
チワワより頭の小さなロシアントイテリアは世界で最も小さい品種の1つで、耳の飾り毛が優雅でパピヨンに似ているロングヘアードと短毛のスムースヘアードの2タイプがあります。体高20~28cm、3kg以下の体重と極小サイズであることがミニチュアピンシャーとの見分け方です。
ミニチュアピンシャーに似ている犬種がいる理由
ミニチュアピンシャーとそのそっくりな犬種たちの特徴はブラック&タンの被毛カラーと体型です。被毛カラーと体型が似ていることを遡って調べてみると、祖先犬や基礎犬が同じであることが分かります。その犬種に詳しくないと、見分け方を説明されてもパッと見ては区別がつかないほどそっくりな個体もいます。特に、最近では断耳・断尾されていないミニチュアピンシャーも増えているため、見た目だけでは判別が難しくなっています。もし、街でブラック&タンの小型犬を見かけたら、どの犬種なのかぜひ飼い主さんに尋ねてみてくださいね。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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