【犬種図鑑】マスティフってどんな犬?代表的な8種類の出身地・体格・特徴をご紹介
筋肉が引き締まった力強い体格で、圧倒的な存在感を放つマスティフは、さまざまな国で品種改良がされたことから、たくさんの種類が存在します。
そんな中から、今回は代表的な8種類のマスティフの出身地・体格・特徴をご紹介します。
目次
マスティフグループの共通点とは?
一般的に「マスティフ」というと、イングリッシュマスティフのことを指します。しかし、単にその犬種だけでなく、それぞれの国で品種改良が行われたことからさまざまなマスティフ種が存在し、それらを「マスティフグループ」と表現します。
それぞれのマスティス種は、主に番犬や闘犬として用いられていました。そのため、かつては攻撃性が強い性質でしたが、多くの国で闘犬が禁止されるようになってからは、家庭犬として育てやすいよう選択交配をして、落ち着きのある穏やかな性質へと変化しています。
また、筋肉がよく発達したがっしりとした体格もマスティス種の共通の特徴です。
- チベタンマスティフ
- ボルドーマスティフ
- イングリッシュマスティフ
- ブルマスティフ
- ナポリタンマスティフ
- アフガンマスティフ
- ベルジアンマスティフ
- ジャパニーズマスティフ(土佐闘犬)
1.チベタンマスティフ
はじめに、チベタンマスティフからご紹介します。
起源・出身地
チベタンマスティフは、チベット出身の犬種です。明確な起源はわかっていませんが、紀元前1000年には存在していたと言われています。主に遊牧民の生活を守る番犬や、チベット僧院の護衛犬として活躍していたとされています。
体格
- 標準体高:オス66cm以上/メス61cm以上
体重の犬種標準は設けられていませんが、オスは45~70kg、メスが35~55kgくらいで、大型犬の中でも特に大きい方です。骨太でがっしりとしており、見るからに重力感のある体格をしています。
特徴
チベタンマスティフといえば、ライオンのようなたてがみが生えているのが大きな特徴です。愛嬌のある表情をしていますが、そんな見た目とは裏腹に防衛本能が強いため、見知らぬ相手には強い警戒心を抱きます。
2.ボルドーマスティフ
日本ではマイナー犬種のボルドーマスティフ。どのような犬種なのか見ていきましょう。
起源・出身地
フランスのボルドー地方出身のボルドーマスティフは、フランス原産の犬種の中でも最も古い歴史を持つ犬種です。明確な起源はわかっていませんが、14世紀頃には存在していたと考えられています。
体格
- 標準体高:オス60~68cm/メス58~66cm
- 標準体重:オス50kg以上/メス45kg以上
狩猟犬や闘犬として用いられていたことから、筋肉質でがっしりとした体格をしています。また、胸部が幅広、かつ深いのも特徴です。
特徴
顔にシワが刻まれたるんでおり、困ったような表情をしているのも特徴の1つです。見た目は怖そうですが、飼い主に愛情深く穏やかな性格なので、落ち着いて過ごすことができます。
3.イングリッシュマスティフ
次に、イングリッシュマスティフについて見ていきましょう。
起源・出身地
イングリッシュマスティフは、その名の通りイギリス出身の犬種です。祖先犬であるチベタンマスティフがイギリスに渡り、イギリスで品種改良されて誕生しました。頑健で攻撃性を持ち合わせていたことから、軍用犬や闘犬などに用いられていましたが、攻撃性を抑えた品種改良が行われ、現在は以前よりも温和な性格になっています。
体格
- 標準体高70cm前後
- 標準体重70kg程度
全犬種の中でも最大級の大きさを誇ります。バランスの取れたスクエア型の体型で、堂々としており力強さが感じられます。
特徴
物静かで優しく温和な性格です。また、飼い主に対しては忠実なうえ、賢さも兼ね備えているので、しつけがしっかりとできれば、よきパートナーになってくれることでしょう。
4.ブルマスティフ
次に、ブルマスティフについてご紹介します。
起源・出身地
イギリス出身のブルマスティフは、ブルドッグとイングリッシュマスティフを交配させて誕生した犬種です。犬種標準として認められてたのは1920年代で、主に狩猟地への侵入者を撃退する番犬として活躍していました。
体格
- 標準体高:オス63~68cm/メス61~66cm
- 標準体重:オス50~59kg/メス41~50kg
顔はブルドッグ似ですが、体はマスティフ種ならではの筋肉がよく引き締まり、力強い体型をしています。
特徴
飼い主に忠実で温和ですが、番犬気質が強いことから知らない人には警戒心が強い傾向にあります。そのため、子犬のうちから社会性を身につけさせ、さまざまな刺激に慣らしておくことが大切です。
5.ナポリタンマスティフ
ナポリタンマスティフは、イタリアンマスティフとも呼ばれている犬種です。
起源・出身地
ナポリタンマスティフは、イタリア原産の犬です。古代ローマ時代に軍用犬や闘犬として用いられていたモロサスタイプの犬が祖先犬とも言われていますが、さまざまな起源説があり明確にはわかっていません。
体格
- 標準体高:オス65~75cm/メス60~68cm
- 標準体重:オス60~70kg/メス50~60kg
重量感のある大きな体はもちろんですが、全身の皮膚がたるんでいるのも大きな特徴です。かつて闘犬とした活躍していたことから、噛みつかれた際のダメージ軽減するために、このような皮膚の性質をしています。
特徴
強面で近寄りがたい印象ですが、飼い主に忠実で献身的に接してくれる優しい性格の持ち主です。しかし、自立心が強くマイペースなので、初心者がしつけをするのは難しいと言えるでしょう。
6.アフガンマスティフ
アフガンマスティフは絶滅の危機にいる、非常に希少な犬種です。
起源・出身地
アフガンマスティフは犬種名からわかる通り、アフガニスタン出身の犬で、セントラルアジアシェパードドッグと近縁ではないかと言われています。現在、アフガニスタンの政治的な情勢の影響などにより頭数が減り、絶滅の危機にさらされています。
体格
- 平均体重:オス60~70kg台/メス40~50kg台
オスの平均体重は60~70kg台ですが、80kg超の個体も存在します。一方、メスの平均体重は40~50kg台で、オスとメスとで著しい体重差が見られます。
特徴
警備犬や闘犬として用いられていることから、勇敢な性格です。また、防衛本能が強い面も持ち合わせています。
7.ベルジアンマスティフ
ベルジアンマスティフは、ベルギー出身の犬種です。具体的な起源などは現在もわかっていませんが、荷物を運搬する犬として活躍していました。日本ではほとんど見る機会がない希少な犬種です。
8.ジャパニーズマスティフ(土佐闘犬)
ジャパニーズマスティフは、土佐闘犬の別名です。
起源・出身地
日本出身のジャパニーズマスティフは、1870年代から1920年代にかけて、ブルドッグやイングリッシュマスティフ、ジャーマンポインター、グレートデーン、セントバーナードなどとの交配改良が順次行われて誕生した犬種です。
体格
- 標準体高:60cm以上
標準体高は、60cm以上とされています。体重の幅は広く、30kg程度の個体から90kgもの個体まで存在します。
特徴
しっかりとしつけをして信頼関係が築ければ、飼い主に対してはおとなしくて従順です。しかし、闘犬気質が強く、知らない相手には警戒心や闘争心をむき出しにすることから、誰でも簡単に飼える犬ではありません。また、地域によっては飼育の際、自治体の届出が必要な場合もあります。
マスティフは犬のトレーニング経験豊富な上級者向きの犬!
家庭犬として飼いやすいように改良されてきているマスティフ種ですが、もともと闘犬や番犬として用いられていたので、何かの拍子にその気質が強く出てしまうことも少なくありません。マスティフは体がとて大きく力も強いので、しつけができていないと手に負えなくなってしまいます。そのため、犬のトレーニング経験豊富な上級者向きの犬と言えるでしょう。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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