犬がやきもちをやく飼い主の行動とは?!嫉妬に対する対処法も紹介
犬も人間と同じようにやきもちをやくのはご存知でしょうか?
やきもちをやいた状態のまま放っておくと、犬はストレスで自傷行為等をする可能性もあるのです。
そこで今回は、犬がやきもちをやいてしまう飼い主の行動を紹介しつつ、その対処法についても詳しく解説します。
犬も人間のようにやきもちをやく
後住犬、後住猫などほかの生き物と遊んでいるときや、新聞や本を読んでいるときに、犬が邪魔をしてきた経験はありませんか?
実は人やほかの犬、赤ちゃんなど、飼い主の意識が自分以外のものに向いている場合、犬は「もっと私を見て! 」とやきもちをやくといわれているのです。
ですが、なかには「犬がやきもちをやくなんて本当かな? 」と思う人もいるでしょう。
ここでは、犬がやきもちをやくといわれる根拠となった研究を2つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
オーストリアの研究
1つ目に紹介するのは、オーストリアの研究チームが43匹の犬を使って行った実験です。
実験では、まずある犬に芸をさせて褒美を与え、その場面を別の犬に見せます。
次に、その場面を見ていた犬に同じように芸をさせ、今度は褒美を与えませんでした。
その結果、なんと褒美をもらえなかったほうの犬は芸をすることを拒むようになったのです。
具体的には、芸を指示しても、あくびをしたり飼い主から眼をそらしたりするようになりました。
一方、片方だけでなく両方の犬が褒美をもらえなかった場合、犬たちは芸を続ける傾向が見られています。
このことから、犬は人間と同じように、不平等を感じると嫉妬したり怒ったりする性質があることが分かりました。
そのため、嫉妬心を抱いた犬が飼い主に対してやきもちをやくことはあり得るでしょう。
カリフォルニア大学の研究
2つ目に紹介する研究は、カリフォルニア大学サンディエゴ校の心理学者、クリスティン・ハリス氏が行ったものです。
同氏の研究グループは、「犬の嫉妬感情」についての研究を実施しました。
犬36匹とそれぞれの飼い主を対象にしたこの実験の内容は、犬のおもちゃのぬいぐるみ、カボチャ型のバケツ、飛び出す絵本で飼い主が遊ぶというもの。
実験の結果、犬は目の前で飼い主が夢中になっている物に対して、以下のような反応を見せました。
- 犬のおもちゃのぬいぐるみと遊んでいた飼い主に対して、78%の犬が押したり触れたりした。
- カボチャ型のバケツと飼い主が遊んでいるときに、42%の犬が取り乱した。
- 飼い主が飛び出す絵本を読んでいるのを22%の犬が気にしていた。
これら以外にも、犬のぬいぐるみにかみつく、飼い主とおもちゃの間に割り込もうとするなどの嫉妬による行動が見られました。
したがって研究結果が示す通り、犬は人やほかの犬だけではなく、物にもやきもちをやくといえるでしょう。
犬にやきもちをやかせてしまう飼い主の行動
犬がやきもちをやいてしまうのは、飼い主の行動が大きく関係しているケースが多いです。
そこで今回は、犬にやきもちをやかせてしまう飼い主の行動例をいくつか紹介します。
「飼い犬の嫉妬の原因が分からない」という人は、これから紹介する行動をしていないか振り返ってみてください。
新しく増えた家族に関心を向ける
「結婚や出産で家族が増えた」「犬や猫を新たに迎え入れた」など、家族が増える機会もあるでしょう。
新しく増えた家族に関心を向けすぎると、犬は以前より自分が注目されていないと感じてしまうことがあります。
今まで自分が一番かわいがってもらっていたのに急に構われなくなると、人間でも寂しいですよね。
赤ちゃんや結婚相手、新入りの犬や猫など家族が増えるときは、愛犬と過ごす時間をしっかりとってあげましょう。
散歩の途中で友人や友人の飼い犬に関心を向ける
大好きな散歩の時間に友人や友人の飼い犬に関心を向けてしまうと、やきもちをやく犬もいます。
散歩中に飼い主の意識が他の犬や人に向いていると、飼い犬が「飼い主との大切な時間を邪魔された! 」と怒ってしまうことがあるのです。
嫉妬心から吠える、噛みつくなどの問題行動にも繋がりかねませんので、散歩時は注意しましょう。
スマホやゲームに夢中になる
「スマホで動画を見ている」「ゲームに夢中になる」など、犬が遊びたいときに飼い主が何かに夢中になっていると、遊んでいる物に対してやきもちをやくことがあります。
犬のやきもちは、人や犬、猫などの生き物が対象になることが多いです。
しかし、犬によっては新聞や雑誌、テレビなど、物に対してやきもちをやいてしまう子もいます。
犬は人間が思っているより飼い主が自分を見てくれているか気にしているので、愛犬の目の前でほかの物に夢中になりすぎないようにしましょう。
犬が嫉妬しているときのしぐさ
飼い犬が嫉妬しているときは、 何かしらのサインが出ているはずです。
そのサインを見逃さずきちんと対処してあげれば、愛犬はストレスの少ない生活が送れるでしょう。
ここからは飼い犬が嫉妬しているときに行うしぐさを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
甘える
後住犬と遊んでいたり、スマホを見ていたりして自分以外に関心が向いていると、犬はどうにかして気を引こうと飼い主に甘えます。
たとえば、飼い主の顔の周りをしきりに舐めてきたり、自分のおもちゃを持ってきて遊んでアピールをしてきたりするケースが多いでしょう。
このように飼い主に甘える行為が見られたときは、犬がやきもちをやいている可能性があります。
犬にとって甘える行為は、飼い主に対して「自分に注目して欲しい」という精一杯のアピールなのです。
落ち込む
愛犬が部屋の隅に隠れていたり他の部屋に移動したりするなど、ふさぎこんでいるときはありませんか?
こうした行動をとるときは、犬が構って貰えずやきもちをやき、落ち込んでいる可能性が高いです。
ほかにも、犬は落ち込んでストレスがたまっていると、以下のような行動をとる傾向があります。
- ふて寝をする
- ため息をつく
- 仮病を使う
- ご飯を食べない
- 体調が悪くなる
「たかがやきもち」と軽くとらえず、愛犬の体調に変化がないかしっかり確認しておきましょう。
トイレが上手にできなくなる
やきもちをやくと、トイレが上手にできなくなる犬もいます。
トイレを失敗した際に飼い主が反応してしまうと、犬が「構ってもらえた」と勘違いしてしまうことも。
その場合、やきもちをやいている犬が「トイレを失敗すれば構ってもらえる」と覚えてしまうケースがあります。
そうなると今後トイレを上手にできなくなることもあるため、この傾向が見られる場合は注意が必要です。
また、トイレを失敗する理由はやきもちではなく、病気の可能性もあります。
やきもちをやくようなきっかけがなくても、日頃から愛犬の様子をしっかり確認しておきましょう。
攻撃する
やきもちをやくと、犬はものを噛んで壊したり、嫉妬の対象となる相手に攻撃したりする恐れがあります。
飼い主の気を引くために甘えてみても上手くいかない場合、犬は攻撃行動をとるようになってしまうことも。
ものにあたるだけなら買い換える、修理をするといった方法で解決できます。
ですが、たとえば友人の犬や赤ちゃんなどに攻撃してしまうと、大怪我をはじめとする大問題につながりかねません。
飼い犬が嫉妬心から攻撃行動をとるほど追い込まれる前に、愛犬としっかりと向き合うことが大切です。
自傷行為をする
飼い犬が体の一部分を頻繁になめたり噛んだりする「自傷行為」を行っている場合、やきもちが原因となっていることもあります。
やきもちをやくことでストレスが上手く発散できていないと、舐める噛むなどの行動で自分の体を自分で傷つけてしまうのです。
手足をなめるだけの子もいますが、噛みすぎて血が出ていたり怪我をしていたりと明らかに異常が見られる場合は要注意。
手足にひどい噛み傷ができ、炎症を起こしてしまう可能性もあります。
愛犬からの必死のSOSを見逃さないように、普段からしっかり様子を観察しましょう。
犬がやきもちをやいたときの対処法
愛犬がやきもちをやいたときは放置せず、すぐに対処するのが大切です。
しかし、間違った対処法を実践してしまうと、かえって愛犬との信頼関係が崩れてしまう可能性もあります。
今回は犬がやきもちをやいている場合の正しい対処法を紹介するので、愛犬の様子がおかしいときはこちらを参考にしてみるとよいでしょう。
大声で叱らない
飼い犬がやきもちをやいて問題行動を起こした場合は、大声で叱ってはいけません。
たとえば、犬が粗相をしてしまったときは、犬に一切構わず無言で片付けましょう。
また、噛む、吠えるなどの問題行動を起こした場合も、これに反応せず愛犬を落ち着かせてあげることが大切です。
ただし問題行動がひどい場合は、静かに「ノー」「ダメ」といった短い言葉で犬に伝えましょう。
愛犬の問題行動に敏感に反応してしまうと、犬は「構ってもらえた」と勘違いしてしまうこともあります。
過度な反応をしないように注意しましょう。
ストレスを発散させてあげる
甘えてくる、落ち込んでいるなどの嫉妬行動が見られたときは、愛犬を存分に遊ばせて、ストレスを発散させてあげるのがおすすめです。
広いドッグランで走らせてあげたり、大好きなおもちゃで飽きるまで遊んであげたり、愛犬と過ごす時間をしっかり確保しましょう。
犬が「自分に向き合ってくれている」とわかれば、おのずと問題行動は少なくなります。
コミュニケーションを多くとる
自傷行為や吠える、噛むなどの問題行動に繋がる前に、日頃から犬とコミュニケーションをとってあげましょう。
大好きな飼い主とのコミュニケーションは、愛犬にとって大事な時間です。
言葉は交わせませんが、話しかける、撫でる、グルーミングをするなど、飼い主にできるコミュニケーションやスキンシップはたくさんあります。
しっかりとコミュニケーションをとりかわいがってあげれば、愛犬は満足してくれるはずです。
飼い主が他の物や生き物に夢中になりすぎない
後住犬や後住猫など、愛犬以外の生き物に夢中になりすぎないことも大切です。
飼い主が何かに夢中になっていると、「対象物に大好きな飼い主がとられてしまう」と犬は不安になってしまいます。
嫉妬行動が目立つようなら、不安を解消するために、何よりも愛犬を優先して構ってあげるようにしましょう。
飼い主が愛犬に向き合い愛情をしっかりそそげば不安は軽減され、嫉妬行動の頻度が減っていくはずです。
先住犬がやきもちをやいているときに大切なこと
犬や猫など、新しい家族を迎え入れると、つい先住犬のことは後まわしになりがちです。
急に構って貰えなくなると、先住犬は「飼い主が取られるかも」と不安な気持ちで一杯になります。
新しい家族を先住犬より優先してしまうと、「自分のほうが順位が上なのに」と先住犬は思うはず。
ずっと同じ状況が続くとその気持ちがだんだんと強くなっていき、嫉妬心が生まれてしまうのです。
そのため、先住犬がやきもちをやいてしまったときは、新しい家族に構いすぎないように注意しましょう。
たとえば、オヤツをあげる、遊んであげるなど、先住犬を優先的に世話してあげてください。
こうすることで先住犬は優先順位や立場が守られていることを実感し、不安が軽減されるはずです。
まとめ
犬も人間と同様にやきもちをやくことが分っているので、そのことを理解して接してあげましょう。
飼い犬が嫉妬している場合は、行動や体調などに何かしらのサインが出ているはずです。
愛犬のやきもちを解消するにはこうしたサインにいち早く気づき、自傷行為をはじめとする問題行動につながる前に正しく対処しましょう。
やきもちをやいている可能性が高ければ、何よりも愛犬を優先しなければなりません。
本記事を参考にコミュニケーションをたっぷりとって、飼い犬の不安や嫉妬を軽減してあげましょう。
この記事のライター
ぺん
愛犬が何を考えているのか、どうしてそんな行動をとったのかを犬目線で考え、常に寄り添うよう意識しています。 犬を理解する一助となれるような情報をお届けします。
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