【獣医師監修】犬が吠える10の理由|知っておきたい対策方法をまとめました
子犬の時期はあっという間で、生後7ヶ月の頃には自我が芽生え始め、ワンワン!と吠えることが増えていきます。愛犬が必要以上に吠えることに困っている飼い主さんは多いのではないでしょうか。ご近所トラブルにも発展しかねない、吠えるという行為ですが、犬がなぜ吠えるのかを知り、理由に合わせた対策をすることが重要です。
今回は犬がどんな時に吠えるのか、飼い主さんが知っておきたい犬が吠える理由や対策法などをご紹介していきます。
目次
犬はなぜ吠える?10の理由
犬が吠えるのはなぜなのでしょうか。原因はさまざまなものがありますが、どの理由が当てはまるのかを見極めることで、愛犬の無駄吠えが減るかもしれません。ここでは、よくある10の理由について説明します。
要求・欲求不満
飼い主さんに何か要求があって吠える場合がよくあります。「ごはんが食べたい」、「散歩に行きたい」、「ブラッシングがいや。さわらないで!」など、その要求はさまざまです。その要求が通ると、次も吠えて自分の要求を通そうとしてしまうので注意が必要です。
興奮・喜ぶ
飼い主さんが帰宅したことや、散歩に行ける喜びから興奮して吠えることがあります。喜んでいるからといって、吠えているときになでてしまうのはあまり良くありません。喜んで吠えている場合は落ち着くまで無視をしたり、一度その場を離れたりして吠え癖がつかないように気を付けると良いでしょう。
恐怖・嫌なこと
家族以外の知らない人が近づいてきたり、家に入ってきたりすると犬は恐怖を感じて吠えてしまうことがあります。人が入ってくるきっかけになる、インターホンの音に対しても「嫌なこと」が起こるという認識がついて、吠えることがあるかもしれません。
警戒・縄張り意識
犬はもともと警戒心や縄張り意識が強い生き物です。そのため家族を守ろうとする気持ちが強くなります。それが自分の役目だと思っているため、一生懸命パトロールをして家の中に変化が起こった時に、いち早く察知して吠えることで飼い主さんに知らせる役目をしているのです。
分離不安症
お留守番の長い犬によくみられます。飼い主さんがいない寂しさや、ケージの中から出られないことのストレスなどで、吠えることがあります。子犬のときの長い留守番の経験や、留守中の雷や地震などの恐怖の記憶などが原因であることが多いです。
病気やケガによるもの
病気やケガが原因となって吠えてしまう場合もあります。どのような病気やケガが疑われるのか紹介します。
認知症
老犬で認知症を発症している場合には、認知機能の低下によって、昼と夜の区別がつかなくなってしまうことがあります。うまく時間を認識できないために、昼だと感じているのに家族が近くにいないことや部屋が暗いことに混乱して、夜になると吠える場合があるのです。
身体の痛み
悲鳴のような「キャン!」という吠え方は、身体のどこかの痛みが原因のことが考えられます。突発的に何かにぶつかってしまったり、どこかに挟まってしまったりした場合は、飼い主さんも大体の原因を突き止めることができるでしょう。
しかし、悲鳴のような吠え方を頻繁にする場合や、ぶつけた様子などがなく、ただ歩いているときに吠えた場合には注意が必要です。
投薬
犬の薬にも、人間の薬と同じように副作用が起こるものもあります。投薬による副作用で不安感や倦怠感があり吠えている場合もあるので、処方されたとき、心配な点がある場合には、しっかりと動物病院で副作用についての説明を聞きましょう。
遠吠え・習性
犬のもともと持っている特性と言える遠吠えですが、現代の犬はパトカーなどのサイレンの音に反応したときや、近所の犬の遠吠えに応えているときに遠吠えします。そもそも犬は群れで生活していた動物なので、ひとりぼっちで過ごす時間が長いと吠えることが習慣づいてしまう場合もあります。
社会的促進(釣られて)
他の犬が吠えていることに釣られて吠えてしまう子もいます。それは、警戒心で吠え返していたり、自分の家まで聞こえる犬の声で鬱陶しいと感じたり状況はさまざまです。また、単にほかの犬の声に驚いて吠えてしまうという場合もあります。
寝言
愛犬の寝言を聞いたことはありますか?「ワンワン!」「クーン」と突然吠えるとびっくりしますが、寝ている場合は寝言なので安心しましょう。犬にも人間と同じく、レム睡眠というものがあります。このレム睡眠の状態のときに犬も夢を見ていることがあり、寝言で吠えたりいびきのような声を出したりします。
霊が見える?
空をボーっと見上げたり、何もないところに向かって吠えたりしているのを見ると「もしかして霊が見えているの?」とドキドキしてしまいますよね。犬はUV波が視覚化されていたり、電磁波の変化などに敏感だったりします。そういった人間では感じることができない変化に反応して何もないところに吠えることもあります。
愛犬が吠えるようになったら
まずは愛犬の日頃の様子を振り返ってみて下さい。飼い主さんと愛犬の気持ちのずれが原因となっていることもあるのです。もしくは病気の可能性もありますので、吠えることが気になる場合は、しっかりと愛犬の様子を観察してあげましょう。
去勢手術後に吠えるようになった
去勢手術をしたあとは、愛犬の気持ちが不安定になりがちです。全身麻酔を伴うので、もちろん飼い主さんにとっても不安な手術でしょう。愛犬が手術後の不安や、入院したことによって恐怖心を覚えて吠えたり鳴いたりしてしまう場合も少なくありません。
しかし、心配だからといって術後にべったりとくっついていたり、ずっと愛犬に構っていたりすると、分離不安ぎみになって今後の留守番が難しくなってしまうかもしれません。
夜に吠えるようになった
夜に愛犬が吠えていると飼い主さんも睡眠不足になり、ストレスが溜まりますよね。夜吠えるということは前述にもある通り、老犬の場合には認知症の可能性も少なくありません。
老犬以外の場合には、飼い主さんの姿が見えない寂しさや部屋の暗さ、またはケージの場所が変わったことなどにより、不安を覚えて夜に吠えてしまう可能性もあります。
尿毒症による痙攣(けいれん)の兆候
本来は腎臓から排泄されるべき老廃物や毒性の物質が、腎機能の低下により適切に排泄されないことで起こる病気を尿毒症と言います。それによって体が痙攣を起こすことがあるので注意が必要です。痙攣前の数時間犬が自分の体の異変に気付き、不安そうにしている、吠えるということもあります。
犬は吠えることを学習する
愛犬がよく吠える場合は、飼い主さんとしてどのように対応していけば良いのでしょうか。犬は賢く、学習していく動物です。そのため、恐怖心や警戒心で吠えてしまうことに対して、飼い主さんのしつけで吠えてはいけないことを学習させることができます。
成功体験を学習
もともと吠える習性である犬は、吠えることで自分を表現しているとも言えます。そのため要求吠えをしたことでおやつをもらえた、飼い主さんが遊んでくれた、というような成功体験を学習していってしまうのです。要求吠えや無駄吠えには反応しない、無視をする、ということを根気強くやっていくことがしつけには大切です。
吠え癖がついてしまう原因
吠え癖は、始めに恐怖心や警戒心で吠えたときの飼い主さんの対応に原因がある場合があります。
子犬の頃は「キャンキャン!」と可愛い声で吠えていたので、甘く叱ったり、大丈夫だよと優しく声をかけたりしてしまうことも多いですよね。それによって犬が、この場面で吠えたら飼い主さんが反応してくれるんだ!と勘違いをしてしまっているかもしれません。
吠え方の違いで愛犬の気持ちを読み取ろう
吠える声や間隔などによっても、なぜ吠えているのかがわかる場合もあります。吠え方の違いで、犬はどのような気持ちで吠えているのか汲み取ってあげられると良いでしょう。
声の高さ
子犬のように高い声で「キューン」と吠えている場合は、不安な気持ちの表れです。飼い主さんにかまってほしい、寂しいとき、何か要求があるときに高い声で鳴くことがあります。
声の大きさ
大きめの声で強めに吠えている場合は警戒している場合が多いです。吠えている対象は警戒する相手じゃないよ、ということを教えて安心させると良いでしょう。
吠える間隔
吠える間隔があまりにも短いと心配になりますよね。そういう場合はどこか痛みがあるということも考えられるので、よく身体の様子を見てあげましょう。
吠える速さ
速い間隔で連続して吠えている場合は、警戒や、サイレン、インターホンに反応したときが多いです。驚いて吠えてしまうときも、連続して吠えることがあるので、気持ちが落ち着くようにしてあげましょう。
犬種や性格によって吠えやすいということも
犬種によっては本能で吠えてしまう、吠えやすい子がいます。
小型犬・怖がり・神経質な性格
チワワやパピヨンなどの小型犬は警戒心が強く、ちょっとした物音にも敏感に反応しやすいとされています。
吠えることが仕事の牧羊犬
ボーダーコリー、シェットランドシープドッグ、シェパードなどの犬種は牧羊犬として活躍していました。牧羊犬は吠えることが仕事の犬なので、本能的に吠えることが多いです。
番犬として活躍していた犬種
ドーベルマンや柴犬は古くから護衛犬や家庭用の番犬として活躍していました。また、飼い主への忠誠心が強い秋田犬も番犬に向いている犬種です。
狩猟犬の本能として吠える犬種
ダックスフンドやジャックラッセルテリア、ビーグルなどは狩猟犬として活躍していた犬種のため、本能で吠えてしまう傾向にあります。
愛犬が吠える理由を知って対応しよう
大切な愛犬が吠えている理由について、当てはまるものを探して改善してあげられるようにすることが飼い主さんの役割です。吠え癖を直すことはなかなか難しく、根気のいるしつけになってきますが、まずは犬が吠える理由を理解することが大切でしょう。
飼い主さんと犬、双方にとってストレスなく生活するためにも、しつけがうまくできないときは1人で悩みすぎず、ドッグトレーナーや獣医師などの専門家に相談することも考えてみてくださいね。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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