ジャーマンピンシャーってどんな犬種?歴史や性格、特徴、育て方など
ドーベルマンを小型にしたような見た目のジャーマンピンシャー。日本ではあまり馴染みのない犬種ですが、起源となったドイツでは古くから親しまれています。 ピンと立った耳と筋肉質な身体つきが特徴のジャーマンピンシャーについてご説明します。
ジャーマンピンシャーってどんな犬種?
あまり馴染みのないジャーマンピンシャーのことを知っている人は少ないかもしれません。ジャーマンピンシャーの歴史や特徴を知ることで、さらにこの犬種について興味を持ってもらえるでしょう。
ジャーマンピンシャーの歴史
ジャーマンピンシャーの起源ははっきりしていません。しかし、ドイツで1880年頃には犬種として認定されていました。意外なことにジャーマンピンシャーの祖先をたどると、スタンダードシュナウザーにたどり着きます。スタンダードシュナウザーの中で短毛のタイプがジャーマンピンシャーとして歴史を積み重ねてきました。
見た目はドーベルマンやミニチュアピンシャーに似ていますが、実はスタンダードシュナウザーが犬種としてのはじまりだったのです。第一次、第二次世界大戦の影響で、一度絶滅の危機に直面したことがあります。1匹のジャーマンピンシャーのメスと、大きめのミニチュアピンシャー4匹を交配させることで、絶滅を防ぐことができました。
ジャーマンピンシャーの特徴
ジャーマンピンシャーの特徴でもあるピンと立った耳は断耳しており、本来は垂れ耳になっています。しっぽも断尾されていることが多いです。もともとは狩猟犬のため、ジャーマンピンシャーと一緒の時間を過ごす際には、物を追ったりする遊び方をするとよいでしょう。
被毛について
短毛であるため、寒さに弱いです。そのため、寒い時期には服を着せて散歩に行くことをおすすめします。被毛は短いですが、毛並みはつややかで、スムースコートです。毛色はブラックアンドタンがスタンダードです。
体型や体質
筋肉質で強靭な肉体を持っており、あごの力は強いです。あごの力が強い犬種は、子犬のころに噛み癖をつけてしまうと、成犬になって苦労することがありますが、ジャーマンピンシャーの場合は成犬になるにつれて噛み癖は少なくなるといわれています。ですが、なるべく子犬のころからの噛み癖はつけないようにしておくとよいでしょう。
・体高:約45~50cm
・体重:約14~20kg
寿命、かかりやすい病気
先述したように、ジャーマンピンシャーは、絶滅の危機の際に近親交配をして繁栄していった犬種です。そのため、遺伝性の病気に気を付けておいたほうがよいでしょう。具体的には、股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)や白内障(はくないしょう)、アトピー性皮膚炎などです。病気によっては重症化してしまうものもあるため、早期発見・早期治療ができるように定期的な健康診断をおすすめします。平均寿命は13歳前後です。
ジャーマンピンシャーの性格
ジャーマンピンシャーの性格をご説明します。ジャーマンピンシャーを飼うことを検討しているのであれば、しっかりと性格を理解しておくことが、家族として信頼関係を築いていくうえで重要になります。
物怖じせず堂々とした性格
ジャーマンピンシャーはとても勇敢で正義感の強い性格をしています。家族に対して愛情深い反面、知らない人に対しては攻撃的になってしまうことがあります。番犬としての適性はあるでしょう。警戒心が強い面は、子犬のころから様々な人や犬と接することで、少しは解消されるでしょう。
賢さと忍耐力もある
ジャーマンピンシャーは賢さと忍耐力も兼ねそろえた犬種です。賢いということは、飼い主の言っていること、やってほしいことを理解してくれるということになります。逆にいえば、何もしないと自らをボスと考え、手のつけられない犬になってしまう可能性もあるということです。そのため、服従訓練をしっかりとし、忍耐力を身につけさせることで、よいパートナーとなってくれるでしょう。
ジャーマンピンシャーの育て方
ジャーマンピンシャーの特徴や性格を理解いただいたうえで、次は育て方についてご説明します。はじめて犬を飼う人でも問題はない犬種なのか、しっかりとジャーマンピンシャーの育て方を理解しましょう。
環境
ジャーマンピンシャーは先述したように、もともとは狩猟犬です。そのため、ほかの小型犬、猫、小動物と生活をすることは避けたほうがよいでしょう。狩猟本能が目覚め、ほかの動物を追いかけたり怪我をさせたり、最悪の場合は死なせてしまう可能性も考えられます。また、警戒心が強く攻撃的な一面もあるため、優しく扱うことができない年齢の子どもがいる家庭も飼うことはおすすめできません。
しつけ
警戒心が強く忍耐強いのであれば、多少厳しめのしつけが望ましいでしょう。ジャーマンピンシャーは甘やかされて育つと、自分がボスと勘違いし、家族に対しても攻撃的になる可能性があります。そのため、服従訓練をしっかりと行い、最低限の「座れ」、「伏せ」、「待て」はできるようにしておきましょう。しつけについて自信のない人は、近所のドッグトレーナーに教わることもおすすめです。
運動
ジャーマンピンシャーは運動量が豊富な犬種です。そのため、毎日の散歩は朝晩2回、計2時間程度確保することが望ましいです。毎日そこまでの散歩時間を確保できない人は、週に1~2回、ドッグランなどで思い切り走らせ、ストレス解消をさせてあげましょう。一緒にボール遊びなどをしてあげると、身体も動かしますし飼い主とのコミュニケーションも図ることができます。
ケア
ジャーマンピンシャーの被毛は短毛であり、抜け毛は少ないほうです。ただし、皮膚炎などが発症しないためにも、日ごろのケアが必要です。短毛のためラバーブラシを使用することで、皮膚を傷めることが少なくなります。優しくマッサージをするように、定期的にブラッシングをしてあげることも、飼い主とのコミュニケーションになるでしょう。また、ジャーマンピンシャーのような短毛の犬種は、頻繁にシャンプーをすると皮膚が乾燥してしまう可能性があります。そのため、濡れた清潔なタオルで身体を拭いてあげることで、被毛のケアとしては十分でしょう。
ジャーマンピンシャーにたっぷりの愛情を
ジャーマンピンシャーは、はじめて犬を飼うという人は、最初は苦戦するかもしれません。しかし、しっかりと愛情をかけて育て、飼い主としての優しさ、厳しさを教えることで、必ずやよいパートナーとなってくれるでしょう。ペットショップではあまり見かけない犬種であるため、気になった人はジャーマンピンシャーのブリーダーを探してみてはいかがでしょうか。
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。