コンパニオンドッグトレーナーってどんな資格?取得方法や取得するメリットを解説
犬に関わる仕事の中でも、犬の訓練士はやりがいのある仕事のひとつです。人気の職業でもある犬の訓練士には、警察犬訓練士、盲導犬訓練士、災害救助犬訓練士などの専門的な訓練士から家庭犬の訓練士までさまざまな資格があります。
今回ご紹介するのは、家庭犬としてのしつけとマナーを教える「コンパニオンドッグトレーナー」です。コンパニオンドッグトレーナーの仕事内容や、資格を取得する方法、資格を取得するメリットなどをご紹介します。
目次
コンパニオンドッグトレーナーってどんな仕事?
現在、全国で飼育されている犬は約892万頭(2018年度、一般社団法人日本ペットフード協会調べ)とされています。過去5年で減少傾向にあるとはいうものの、722万世帯で犬が飼育されています。
犬を飼う人が減っている理由のひとつに「しつけが大変」ということが挙げられていますが、反対に言うとこれは社会で犬と共存していくためには、人間社会のルールやマナーを犬に教えることが必要であるという認識が広まっているとも捉えられます。
ルールやマナーを家庭で教える「犬のしつけ」の重要性が高まるなか、活躍の場を広げているのがコンパニオンドッグトレーナーです。
コンパニオンドッグトレーナーの仕事とは
コンパニオンドッグトレーナーは、NPO法人日本動物衛生看護協会(JAHTA)が認定する民間資格の訓練士で、家庭犬として暮らす犬に対して人と共生するためのマナーや基本的なしつけを教えるほか、家庭犬のしつけ方を飼い主に指導することを目的としています。
NPO法人日本動物衛生看護協会(JAHTA)とは?
- 「動物の愛護及び福祉の精神を啓発するため、必要な理論と実践的な技術を身につけるための人材育成、情報提供及び資格認定などを行い、動物と人間が共生できる豊かな社会の実現と動物衛生看護に関する雇用機会の拡充に寄与することを目的」として設立された東京都が所轄するNPO法人
コンパニオンドッグトレーナーの資格取得方法は?
コンパニオンドッグトレーナーは、家庭犬に対して、マテ、コイ、フセなどの基本的なしつけから、犬を迎えた飼い主に対してしつけ方法のアドバイスや犬を飼う時のマナー、ルールなどを教える訓練士です。
コンパニオンドッグトレーナーの認定資格を取得するには、NPO法人日本動物衛生看護協会が実施する試験を受けて合格する必要があります。なお、受験するにはNPO法人日本動物衛生看護協会が指定する以下の2つの受験資格が必要となります。
コンパニオンドッグトレーナーの受験条件
- 家庭犬のしつけ訓練に関する2年以上の課程を終了し、協会が指定する認定校(専修学校または短期大学)を卒業した者(見込みを含む)であること
- 協会が指定する認定校(専修学校または短期大学)を卒業または修了(見込みを含む)し、協会が指定する家庭犬のしつけ訓練に関する講習会を受講した者
認定試験の内容とは
コンパニオンドッグトレーナー資格取得試験は、筆記、実技、面接の3項目があります。
筆記試験では、動物と衛生に関する法規、犬種と特性、行動、飼育管理、事故防止、家庭犬のしつけと訓練など家庭犬に関して必要となる知識が出題されます。このほかに、実技と面接があり、飼い主に対する家庭犬のしつけ方の指導とアドバイスなどが出題されます。
試験は、NPO法人日本動物衛生看護協会の認定校で行われます。
コンパニオンドッグトレーナーの資格を取得するとどんなメリットがある?
家庭犬のしつけや訓練を主体にしたコンパニオンドッグトレーナーの資格を取得するための講座では、犬に対しての知識を深める座学以外に、実際に飼い主から預かった家庭犬をモデルとして実技指導が行われます。また、コンパニオンドッグトレーナーとして活躍するために必要な、接客のマナーやビジネスマナーについても学ぶことができるのは大きなメリットと言えます。
ペットビジネス業界で仕事に就ける
コンパニオンドッグトレーナーの資格を取得すると、プロの訓練士としてドッグカフェ、ペットショップ、ドッグラン、しつけ教室などペット関連事業への就職に役立ちます。また、さらに経験を積み、個人で家庭犬の訓練士として独立しようと考えている人にとってもメリットとなる資格です。
愛犬のしつけに役立つ
また、仕事としてではなく、愛犬のしつけに悩んでいる飼い主にとってもメリットとなる資格です。犬のしつけ方法には、世界各国にさまざまなメソッドがありますが、どのメソッドが愛犬に合っているかは、実際におこなってみないとわかりません。
もし、現在のメソッドが適していないと感じている場合には、コンパニオンドッグトレーナーの資格取得に向けた勉強をしてみてはいかがでしょうか。コンパニオンドッグトレーナーの講座では、座学の他に実技を学ぶことができ、愛犬のしつけに役立つ可能性があります。
コンパニオンドッグトレーナーに向いているのはこんな人!
コンパニオンドッグトレーナーに限らず、ドッグトレーナーを目指す人にとって第一条件となるのが「犬が好き」であることでしょう。また、人間目線ではなく、常に犬の立場になって考えられる人、愛情を持って犬に接することができる人が、ドッグトレーナーに向いています。
少し前までは、どんな犬にも力で教え込むというメソッドが主流でしたが、最近では一頭ずつよく観察してその子にあった方法でしつけや訓練を行うことが有効だと考えられるようになりました。そのため、ドッグトレーナーになるためには、根気強く、愛情を持って、丁寧に犬に接することができる人が向いていると言えます。
また、ドッグトレーナーは、犬だけではなくその犬の飼い主とも向き合う必要があるため、コミュニケーションをとるのが得意な人にもおすすめできます。
コンパニオンドッグトレーナーの資格取得に挑戦してみては?
犬が好きだから、常に犬と接していたいから、という理由でドッグトレーナーを目指す人も多くいると思います。しかし、それだけではドッグトレーナーは務まりません。犬は、犬自身でその人を判断するだけの能力と賢さを持った動物です。
コンパニオンドッグトレーナーになるためには、2年以上の勉強が必要となります。最近では、通信講座など実技を伴わずに短期間で資格取得できるドッグトレーナー資格もありますが、ドッグトレーナーには知識以上に経験も必要です。
ドッグトレーナーに見放され、行き場を失った家庭犬も多くいるのが現実です。そんな不幸な犬や飼い主を増やさないためにも、本格的なドッグトレーナーを目指すなら、ぜひこのコンパニオンドッグトレーナーの資格取得を志してみてください。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!