シェットランドシープドッグの被毛について解説|被毛タイプやお手入れ方法、抜け毛事情まで
ノーブルな顔立ちにボリュームタップリの被毛が走るたびに風になびく姿が美しいシェットランドシープドッグ。シェルティの愛称で一時はブームを巻き起こした人気の犬種です。牧畜犬として活躍してきたシェットランドシープドッグは、賢さ、美しさに加え高い運動能力を持ち合わせていることから、ドッグスポーツ界のスーパースターとも言われています。そんな美しいシェットランドシープドッグの被毛はどのようにケアをすればいいのでしょうか?
今回は、シェットランドシープドッグの被毛のタイプ、お手入れ方法から抜け毛や毛玉の対策までを解説します。
目次
シェットランドシープドッグの被毛タイプ
年間を通して平均気温が10度以下という寒冷地のシェットランド諸島で誕生したシェットランドシープドッグは、寒さから体を守るために豊富な被毛で覆われた姿が特徴です。
被毛の構造
シェットランドシープドッグのコートは、皮膚を寒さから守るアンダーコート(下毛)と汚れや濡れを防ぐオーバーコート(上毛)からなるダブルコートです。ダブルコートは、一つの毛穴からオーバーコートと数本のアンダーコートが生えている構造となっています。
コートタイプ
シェットランドシープドッグは、たっぷりの毛量とフサフサの被毛がトレードマーク。オーバーコートはまっすぐなロングコートでその下には柔らかいアンダーコートが密生して生えています。また、首の周りや尻尾は、長くフサフサでたっぷりのコートが特徴です。
代表的なカラー
シェットランドシープドッグの毛色は、セーブル(薄いゴールドから濃いマホガニーまで)、ブルーマール、ブラックの単色にホワイトとタンまたはホワイトかタンの配色があるものがAKC、JKCではスタンダードとされていますが、ブルーマールはUKCでは認められていません。
ブルーマール同士はNG
ここで注意したいのは、ブルーマールというシルバーブルーの色です。これは、マール遺伝子はメラニン色素の異常を引き起こす遺伝子で、この色を持って生まれると、難聴、視覚障害、虚弱体質などの疾患を発症する場合が多いため、ブルーマール同士の交配は固く禁じられているのです。
しかし、悪質なブリーダーによってこの遺伝疾患を持つシェットランドシープドッグが多く生まれていることも事実です。このような遺伝疾患を減らすためにも、シェットランドシープドッグの魅力は毛色ではないことを認識することが大切です。
シェットランドシープドッグの抜け毛&毛玉対策
ボリュームのある美しい被毛が魅力のシェットランドシープドッグ。見た目は優雅ですが、思っている以上にアクティブなことも特徴です。お散歩の後やドッグランに行った後はていねいにブラッシングをしてあげることはもちろん、毎日のこまめなケアで美しい被毛をキープしましょう。
毛玉対策
シェットランドシープドッグのアンダーコートはとても柔らかく毛玉になりやすい性質です。特に、耳の後ろはすぐに毛玉となってしまうところ。針金状のスリッカーでていねいに梳かしてあげることで、毛玉を防ぐことができます。毛玉は、放っておくとフェルト状の塊になってしまい、ほぐせなくなります。
また、犬にとっても皮膚が引っ張られるため、気持ちの良いものではありません。毛玉ができないようにケアすることはもちろん、毛玉ができてしまったらなるべく早いうちに対処してあげましょう。
抜け毛対策
ダブルコートのシェットランドシープドッグは、春と秋の被毛が生え変わる換毛期にはたくさんの抜け毛が出ます。換毛期には、1日に2~3回ブラッシングをして、家の中に抜け毛が散らばらないようにしましょう。また、換毛期以外にも死毛と呼ばれる抜け毛が出るため、毎日のブラッシングはかかせません。
ブラッシングは、被毛の美しい状態をキープするだけではなく、皮膚の血行促進や状態を確認することもできる絶好の機会。シェットランドシープドッグと飼い主のコミュニケーションを図るためにも、毎日のブラッシングを欠かさずに行いましょう。
シェットランドシープドッグのシャンプーとブラッシング方法
ボリュームタップリのロングコートとダブルコートが特徴のシェットランドシープドッグは、家庭でこまめなケアをする必要があります。特に、アンダーコートが抜け替わる春と秋の換毛期には、丁寧にケアしてあげましょう。
ブラッシング
シェットランドシープドッグのブラッシングはスリッカーで、ほつれや毛玉を取り除くことが基本です。特に、アンダーコートは細くて絡みやすいため、ていねいに梳かしてあげてください。
こまめなケアが必要な場所は、耳の後ろ、脇の下、しっぽです。ほつれや毛玉がひどい時に、無理にブラッシングをしようとすると、被毛が引っ張られていたいためとても嫌がります。そのような時には、毛の根元を指でつまんで、直接被毛を引っ張らないようにしてあげましょう。毎日のブラッシングで毛玉ができないようにすることが大切です。
シャンプー
シェットランドシープドッグのシャンプーは月に1回程度が目安です。水に濡れることがあまり得意ではないシェットランドシープドッグは、初めのうちはシャンプーを嫌がる可能性があります。子犬のうちから、水に濡れる事に鳴らし、シャンプーを嫌がらないようにすることがポイントです。また、シャンプー前には念入りにブラッシングをして、ホコリや抜け毛を取り除いておくことがおすすめです。
シェットランドシープドッグにトリミングサロンは必要?
毛量が多くロングコートのシェットランドシープドッグですが、被毛が伸びる犬種ではないため、定期的なトリミングは必要ありません。そのため、定期的にトリミングサロンにお願いする必要はありませんが、汚れがつきやすいお尻周りや家庭ではカットしにくい肉球周りなどの部分カットをお願いするのがおすすめです。
シェットランドシープドッグにおすすめのメニュー
トリミング犬種ではないシェットランドシープドッグの場合、トリミングサロンで基本セットと呼ばれているメニューをお願いしましょう。サロンによって違いはありますが、基本セットには、シャンプーの他に爪切り、耳掃除、パッド周りのカット、肛門線絞りなどが含まれています。家庭で爪切りができない、耳掃除が難しいなどのお悩みがある方は、トリミングサロンにお願いすることがおすすめです。
頻度と料金の目安
シェットランドシープドッグは、毛量が多いため毛玉ができやすい犬種です。トリミングの必要がなくても、日常のお手入れが上手にできない場合は、1ヶ月に1回程度基本的なケアをトリミングサロンにお願いすることがおすすめです。その際の料金の目安は、毛玉の量やセット内容にもよりますが約6,000円~8,000円程度と考えておきましょう。
抜け毛は多いが美しい被毛がたまらない魅力
シェットランドシープドッグは、被毛の量が多くお手入れするのに時間や手間がかかる犬種ですが、毎日のお手入れを欠かさずに行うことで美しい容姿を保つことができます。耳の後ろや脇の下など擦れる部分にできやすい毛玉ですが、ブラッシングをしないでいると抜け毛が毛玉になってしまい、あちこちにできることもあります。そうなってしまってからでは、家庭でのケアが難しくなります。毎日のブラッシングを欠かさず行い、清潔な皮膚と美しい毛並みを保ってあげてくださいね。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!